『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ジュラシック・パーク』『インディ・ジョーンズ』…。誰もが知る名作を手がけてきたスティーブン・スピルバーグ監督が、かねてから映画化を夢見ていたミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』をついに公開!2022年2月から日本で全国ロードショーされます。今回は一足早く、作品の魅力をご紹介していきます。(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)

 “異なる立場を越えて、私たちは手を取り合えるのか?”

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

1950年代のニューヨークを舞台に、若者たちの対立と禁断の恋を描いた『ウエスト・サイド・ストーリー』。シェイクスピア作『ロミオとジュリエット』のアメリカ版とも言われ、自由や夢を追い求めて移民してきたアメリカの人々を描いています。移民への差別や偏見もある中、ポーランド系移民グループ<ジェッツ>とプエルトリコ系移民グループ<シャークス>が対立。しかしある時、ジェッツの元リーダー・トニーとシャークスのリーダーの妹・マリアが恋に落ちてしまいます。対立を知りながらも密かに愛を育む2人に起こる未来とは…。“異なる立場を越えて、私たちは手を取り合えるのか?”という時代を超えたメッセージが込められた名作です。

1957年にブロードウェイ・ミュージカルとして誕生後、翌年トニー賞2部門を獲得。1961年に映画化され、作品賞含むアカデミー賞®︎10部門を受賞しています。当時アリゾナ州フェニックスで暮らしていたスティーブン・スピルバーグ監督は、クラシック音楽に囲まれた家庭の中で初めて触れたポピュラー音楽が『ウエスト・サイド・ストーリー』だったそう。ブロードウェイ・ミュージカルのキャストによるアルバムを聴いて虜になり、いつか“映画化したい”と思い続けてきたのだとか。数々の名作を生み出してきたスティーブン・スピルバーグ監督にとって、初めてのミュージカル映画制作となります。

マリアを務めるのは『白雪姫』の主演も控えるレイチェル・ゼグラー!

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トニーと恋に落ち、物語の重要な鍵を握るマリア。なんと3万人のオーディションから選ばれたレイチェル・ゼグラーが、映画初出演を果たします。さらにディズニーの実写版『白雪姫』の主演を務めることも発表され、今世界が注目する存在です。

スピルバーグ監督はヒスパニックの役にはヒスパニックの背景がある俳優だけを起用することを追求。33人のプエルトリコ人役のうち20人が、プエルトリコ人か、もしくはプエルトリコ人の家系の人たちで構成されています。キャスト間でプエルトリコ系ニューヨーク市民、ラテンアメリカ系住民のコミュニティについて話し合い、多様性について考えを深めた上での作品作りとなったようです。

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レナード・バーンスタイン(作曲)とスティーブン・ソンドハイム(作詞)の最強タッグが手掛けた名曲たち、「America」「Tonight」「Somewhere」などは映画でも引き続き使用されています。迫力あるダンスシーンがどのようにスクリーンに登場するのかも楽しみなところ。現在公式YouTubeでは、「Tonight」編「America」編が公開されていますよ。

Yurika

ミュージカルファンの中で既に大きな話題となっているスピルバーグ版『ウエスト・サイド・ストーリー』。同じくニューヨークを舞台にした映画『イン・ザ・ハイツ』に続き、2021年度を代表するミュージカル映画になりそうです。