2022年3月に東京・PARCO劇場、4月に大阪・森ノ宮ピロティホールにて、加藤シゲアキさん主演舞台 PARCO PRODUCE『粛々と運針』の上演決定が発表されました。本作を手がけるのは、次世代を担う新進作家・横山拓也さんと、今まさに活躍中の気鋭の演出家・ウォーリー木下さん。初タッグで“小さなドラマに隠れた大きな命の物語”を描きます。

各界の実力派が結集した贅沢な初タッグに注目

2017年に新宿の小さなギャラリーで生まれた『粛々と運針』。生みの親である横山拓也さんは、演劇ユニット・iakuを主宰、『The last night recipe』(2020)で第65回岸田國士戯曲賞にノミネート、『逢いにいくの、雨だけど』(2021)で第29回読売演劇大賞上半期作品賞ベスト5に選出されるなど演劇界を牽引する劇作家です。一方演出を手がけるのは、『バクマン。』 THE STAGE、乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」など多方面で活躍するウォーリー木下さん。東京2020パラリンピック開会式を手がけたことも記憶に新しい、世界中で注目を集める演出家。20年来の付き合いだという2人が、タッグを組むのは初めて。どんな化学反応が生まれるのでしょうか。

主演を務めるのは、NEWSとしてのアイドル活動はもちろん、作家や役者としても異才を放つ加藤シゲアキさん。6作目の小説「オルタネート」(新潮社刊)で第164回直木賞候補に選出、第42回吉川英治文学新人賞などを受賞。舞台『染、色』(2021) では脚本家としての実力も示しました。ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』、舞台『モダンボーイズ』(2021)など役者としての活躍もめざましい今、横山拓也さん・ウォーリー木下さんとどのような舞台を創り上げるのか、期待が高まります。

2つの家族から浮かび上がる、命の物語

あらすじ
築野家。一(はじめ)は弟・紘(つなぐ)と二人で母を見舞う。病室で母から紹介されたのは、「金沢さん」という初対面の初老の紳士。父が死んだあと、親しい仲らしい。膵臓ガンを告知された母は、金沢さんと相談の結果、穏やかに最期を迎えることを選んだという。まだ治療の可能性はあるのに。
田熊家。平均寿命くらいまで支払いを続けたら自分のものになる小さな一軒家を去年購入した沙都子と應介。その家のどこかで子猫の鳴き声がする。早く助けてあげたいけど、交通事故で頸椎を痛めた應介はケガを理由に探してくれない。そしてお腹に新しい命を宿しているかもしれない沙都子は不思議なことにこの話の切り出し方が分からない・・・。
平凡な生活の内に潜む二つの家の葛藤を、周到な会話で縫い合わせるように描き出す命の物語。

加藤さんは二つの家庭の一方、築野家の長男・一(はじめ)を演じます。築野一の弟、紘(つなぐ)役には、幅広いキャラクターを多彩に演じる実力派・須賀健太さん。2人の共演も見逃せません。東京公演は3月8日(火)~27日(日)までPARCO劇場、大阪公演は4月8日(金)~10日(日)まで森ノ宮ピロティホールで行われます。

Yurika

加藤さんは本作について、「時間は人に寄り添い、しかし無情に、一定のリズムで進んでいく。全ての人はそれに翻弄され、喜劇と悲劇を知らず知らずのうちに生み出している。運命めいたいくつもの時が織りなされて、描かれる家族の物語。演劇でしか表現できないこの「粛々と運針」という戯曲に、ひとつの編針として参加できること、心より光栄に思います」とコメント。加藤さんが本作をどう解釈し、どんな“編針”となるのか。味わい深いひとときになることは間違いなさそうです。