近年コロナ禍の影響により、なかなか劇場に足を運べないという方も多いのではないでしょうか。そんな中で最近普及率が上がってきているのが自宅で視聴可能な「上演舞台の配信」(以下配信)です。現在は、生配信やアーカイブ付きの配信、なかには配信限定の特典映像がある演目も存在しています。今回は、生の舞台観劇とはまた違った「配信」ならではのメリットや魅力をご紹介していきます。

映像ならではの「クローズアップ」で細かなお芝居までクッキリ

劇場で最前列に座った際、肉眼で見えるとはいえ多くの場合、ステージとは若干距離があいています。また、近すぎて見えない部分があるという問題が発生する場合もあり、なかなかベストポジションは難しいところ。

しかし、配信であれば表情がクローズアップされる瞬間があるため、オペラグラスでも見えないような細かなお芝居が見られます。もちろん、常に自分が見たい場面が見られるという訳ではありませんが、個人的には配信の一番の魅力ではないかと思っています。

いつでもどこでも何度でも見られるアーカイブ配信

一部の演目では、劇場での上演と同じ時間帯の「リアルタイム配信」のみという場合がありますが、多くの場合は「アーカイブ配信」が設定されています。「アーカイブ配信」とは、リアルタイムで配信した後、録画したものを何度でも見返すことができるシステム。配信期間は演目によって異なりますが、1週間〜10日が一般的です。

後日見られるシステムがあると、舞台ファンなら一度は直面する「予定がかぶっていて見られなかった……」という問題の解決にもなります。期間中は時間を問わずに視聴できるため、好きな時に見られるというのも非常に大きなメリットです。劇場で観劇した人でも、同じ舞台を違う角度から見てみる、「あのシーンが好きだったからもう一度見たい!」という楽しみ方ができるのでおすすめです。

チケット代が割安!たくさんの作品が楽しめる上、限定特典映像がある場合も

配信の場合、チケット代は劇場で見る場合のおよそ6割〜8割程度安くなっています。気になっていたけれど、直近で他の舞台を見ていて懐事情が厳しいなどの場合、今までは諦めるしかありませんでした。しかし今は「配信」を選択肢の1つとして検討できるようになり、より多くの人が観劇できるようになったのではないでしょうか。

実際、筆者は配信も含めると以前よりたくさんの作品に触れることができています。特に2.5次元舞台は配信も多くやっているので、前々から気になっていたという方にもおすすめ。

また、舞台を定点カメラで撮影し、舞台全体を見渡せる「全景映像」の配信や、限定コメント映像が用意されているなど、プラスαの要素も魅力です。

歓声OK!家族で歌いながら観劇できる

新型コロナウイルスの感染対策が徹底されている昨今、劇場では声を出すことができません。しかし配信を自宅で観る場合、自由に歓声や声出しをすることができます。思う存分、キャストと一緒に盛り上がりましょう。ミュージカル作品ならば、お子さんと一緒に家族でミュージカルソングを歌いながら観劇する、という楽しみ方もできますね。

以前から映画館でのライブビューイング配信はありましたが、筆者は「アーカイブ配信」がある現行のシステムにこの2年の間、非常に恩恵を受けています。今後、以前のように気軽に劇場に行けるようになっても引き続き発展していって欲しいです。