『少年たち』、『PLAYZONE』などジャニーズ事務所では、所属タレントが勢ぞろいして上演される舞台作品が数多く上演されてきました。近年では滝沢秀明さん主演の『滝沢歌舞伎』、それを受け継いだSnow Manによる『滝沢歌舞伎 ZERO』なども上演されています。今回はその中でも「ジャニーズの伝統」と呼ばれ、2022年9月から新作が上演される予定の『DREAM BOYS』の歴史をひもといていきます。
『DREAM BOY』と『DREAM BOYS』
『DREAM BOYS』(通称:ドリボ)は、2004年に滝沢秀明さん主演で上演された『Magical Musical「DREAM BOY」』を初演とする作品。現在の『DREAM BOYS』という名前になったのは、2006年版からです。
「劇中映画に登場するボクサーを演じる役者の災難と逃亡」というストーリーをベースに、その時々で『ウエスト・サイド・ストーリー』モチーフ、役者になる前はアイドルをしていた、などさまざまなアレンジが加えられています。ボクシングシーンやフライング演出が特徴のエンターテインメント性の高い作品ですが、2015年版からは「芝居」に比重をおくようになっています。また、翌年の2016年版からはジャニーズの舞台作品としては数少ない「悲劇的な結末」を迎える作品になっています。
歴代主演と「相方」チャンプ役のコンビネーション
歴代で主演をつとめたのは、滝沢秀明さん、亀梨和也さん、玉森裕太さん、中山優馬さん、岸優太さんの全5名。もう一人の主演といっても過言ではない、主人公の親友でありライバルであるチャンプ役は、神宮寺勇太さんら主演メンバーと同グループか縁の深い方が演じています。
2021年からは菊池風磨さんが主演をつとめ、チャンプ役は田中樹さん。2人は同期入所で、活動するグループは違えども、家族ぐるみで付き合いがある大の仲良し。ジャニー喜多川さんには「不良」と呼ばれながらも、SixTONESがJr.時代に菊池さんのソロライブのバックについたこともあるなど、共に切磋琢磨してきた2人にはピッタリの配役といえるかもしれません。また、初演時から鳳蘭さん、紫吹淳さんら元タカラジェンヌも出演しており、物語のキーパーソンをつとめています。
堂本光一が「遺志」を引き継ぐ
『DREAM BOYS』の演出は、他のジャニーズの舞台作品同様、ジャニーさんが担当していました。2019年版の公演前にジャニーさんが亡くなった際には、演出のクレジットはそのままに、滝沢さんと自身の主演ミュージカル『SHOCK』の演出もつとめている堂本光一さんがともに演出補佐を担当しています。
翌年の2020年の公演からは、ジャニーさんが「エターナルプロデューサー」としてクレジットされ、演出は堂本さんが担当。『DREAM BOYS』の従来の要素は大切にしつつも、キャラクターと心情の表現を重視し、ミュージカルの要素が入った作品になっています。
『DEAM BOYS』は9月8日から帝国劇場で上演予定。最新スケジュール・チケット購入の詳細は公式HPをご確認ください。
長い歴史の中では、出演者とジャニーさんとの協議の結果、ストーリーやキャラクター像がガラッと変わってしまったこともあるようです。伝えたいメッセージはありながらも、その時々の思いに柔軟に対応をしていたのが長く続いた秘訣かもしれないですね。