戦後の高度経済成長期を迎えた昭和の時代を描く、舞台『閃光ばなし』。2017年『俺節』、2019年『忘れてもらえないの歌』でも相性の良さを見せた、福田充則さんと安田章大さん(関ジャニ∞)の最強タッグが再び帰ってきました!3作目で挑むのは、兄妹を襲う様々な分断とバイクの物語です。

熱い時代を必死に生き抜く、人々の思惑が交錯する物語『閃光ばなし』

『閃光ばなし』の舞台は、昭和38年の東京都葛飾区青砥。終戦から18年が経った高度経済成長期です。街は大規模な立ち退きが起き、十数年の工事を経て作られた巨大な用水路・新中川により区は東西に分断されました。しかし、用水路にかかる橋の工事が遅れており、住民は毎日大きく迂回しながら目的地にたどり着くという不便な暮らしを送っているのでした。

実は、この〝橋がかからない〟問題は、付近をとりまとめる議員・菊田、その菊田を支える青高会という商工組合の会長・底根が、野田中という悪タヌキが会長をつとめる高砂交通のバスの利用者を増やすために仕組んだこと。

そんな中、立ち上がったのは川沿いで父親から受け継いだ小さな自転車屋を営む、佐竹是政と、その妹・政子。エンジンをつけた改造自転車で、渡し船の代わりの商売を始めると大繁盛!それを元手に、バイクタクシー会社を始めたことで、高砂交通のバスと競合してしまい…。

後先考えずに権力に立ち向かっていく兄妹の姿が、泥臭く、強引で、悪知恵が働き、痛快で清々しい物語です。

昭和を舞台に人間の欲望がいいようにも悪いようにも蔓延る時代を、エンターテイメントとして表現する演出家・福田充則さん渾身の書き下ろし・演出の舞台。福田さんは作品について、昭和の高度経済成長期を生きた人々の、良いことも悪いことも含めた人間の熱の大きさや生命力の大きさを描きたいと考えたそう。

「庶民という言葉でひとまとめにされる人々が、それにどう立ち向かうのか、どう従うのか、怒っているのか、泣き寝入りするのか、何も思わないのか、世の中ってそういうものだと諦めているのか。様々な意見をごちゃ混ぜにした作品にしたい」と語りました。

社会における悪を題材にしながらも、簡単に正義感を安売りしない福田充則さんの作品。笑い、涙、怒り、そして胸を掻きむしるような不条理が存在し、どうしようもない人間の喜怒哀楽が入り混じります。

安田章大×黒木華 初共演で起こる化学反応に期待

演出の福田さんから、「とにかく舞台に誠実」と信頼を置かれている安田章大さんが主演を務めます。共演するのは、幼い頃から児童劇団に所属し、高校演劇でも「演劇部のエース」として活躍し、大学在学中にNODA・MAP公演『ザ・キャラクター』で初舞台を踏むという舞台に愛されている経歴を持つ黒木華さん。二人は今作が初共演となりますが、どのような化学変化を見せてくれるのでしょうか。

他出演者には、コントユニット「ラーメンズ」の元メンバーで、現在はテレビドラマや舞台を中心に活躍しながら、精力的にコントライブを行っている片桐仁さん。
劇団KAKUTAの主宰を務め、脚本家・演出家としても数々の賞を受賞している桑原裕子さん。
ミュージカル『アニー』で舞台デビューし、ミュージカル、会話劇、映像作品とマルチに活躍している安藤聖さん。劇団「動物電気」の看板俳優の小林けんいちさん。
ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが主宰する劇団ナイロン100℃に所属し、俳優だけでなく声優やミュージシャンと多岐に渡り勢力的に活動する、みのすけさん。
また、ドラマや映画といった映像作品を中心に、『ヘンリー四世』など舞台作品にも定期的に出演している佐藤B作さんなど個性的な俳優が出演します。

そして、会場では主人公の佐竹是政の乗っているバイクと一緒に写真が撮れるAR体験もできるようです。


舞台『閃光ばなし』は10月8日(土)〜10月30日(日)東京・東京建物Brillia HALLにて上演です。
上演時間は、1幕65分、休憩20分、2幕100分の約3時間5分(休憩含む)が予定されています。公式HPはこちら

ミワ

作中では、安田さんと黒木さん演じる佐竹兄妹が踊る場面もあるとか…!?京都で先に開幕している本作。京都での熱気そのままに行われる東京公演、楽しみです。