俳優やタレントといった芸能人の中には、本名ではなく芸名を使っているケースが多く見られますよね。宝塚歌劇団でも、柚香光(ゆずか れい)さんや彩風 咲奈(あやかぜ さきな)さんなど、団員たちがそれぞれ芸名で活動しています。

舞台に負けず劣らず華やかな名前を持つタカラジェンヌですが、どのようにして芸名を決めているのでしょうか?今回は、宝塚歌劇団における芸名の決め方やその由来について、詳しくみてみましょう。

芸名を決めるのは夏休みの宿題!却下されることもあるって本当?

タカラジェンヌたちが実際に芸名を使うようになるのは、宝塚歌劇団に入ってから。それまでは本名で宝塚音楽学校に在籍していて、2年目にあたる本科生の夏休みに芸名を考えます。この段階で、学校側には第3候補まで提出できるそう。誰もが第1候補で決めたいところですが、場合によっては却下されてしまい、第2候補にしたり、改めて考え直したりする生徒もいます。では、どのような芸名だと認められないのでしょうか?

・現役生や卒業生と名前が重複している
・芸名の苗字に、本名の苗字をそのまま使う
・漢字や読み方が難しい

たとえすでに卒業しているタカラジェンヌであっても、全く同じ芸名だとややこしいですよね。また、現役生と芸名が被ってしまえば、ファンの混乱を招きかねません。ただし、親子で宝塚歌劇団に所属し、同じ芸名を使用していたタカラジェンヌに限っては例外といえます。

本名の苗字をそのまま芸名の苗字として使うことはできません。

さらに、芸名の漢字が難しかったり、どうしても読み方に無理があったりすると、却下される可能性が高まります。ファンにとって呼びづらい芸名では、なかなか親近感を持ってもらいにくいですよね。タカラジェンヌにとって、自分のこだわりを大事にしながらファンにも愛される芸名をつけることが重要です。

タカラジェンヌの芸名にはどんな由来がある?

タカラジェンヌの芸名の由来は、年に1回発行される「宝塚おとめ」という本に記載されています。宝塚歌劇団の設立当初は、百人一首にまつわる芸名が多数派でした。現在では、タカラジェンヌたちはどんな思いを込めて芸名をつけているのでしょうか?

・本名の名前をそのまま使う(苗字はNGで、下の名前のみ)
・本名から一字引用する
・憧れのタカラジェンヌや恩師から一字もらう
・好きな漢字を組み合わせる
・好きなものから連想した言葉や漢字を入れる

本名をベースにした芸名なら、タカラジェンヌ自身も呼ばれ慣れた感覚で使えそうですね。

また、もともとファンだった歴代タカラジェンヌや、尊敬する先輩から一字もらうというパターンも多々あります。例えば、星組トップスターの礼真琴(れい まこと)さんは、同じく星組の元トップスターで先輩でもある柚希礼音(ゆずき れおん)さんの「礼」の字をもらったといわれています。憧れの存在にちなんだ芸名にすることで、その背中に追いつき、追い越していくエネルギーが湧き上がるのではないでしょうか。

さらに、「愛」や「夢」など好きな漢字を組み合わせたり、好きなものからイメージした言葉を使ったりと、芸名の由来は実に多彩です。それだけ、タカラジェンヌの芸名とは思い入れの強いもの。推しのタカラジェンヌが何故その芸名をつけたのか、由来がわかればもっと魅了されてしまうかもしれませんよ。

もこ

もし自分に、タカラジェンヌとして芸名をつけるなら…「好きな紫色や、宝塚歌劇団のシンボルであるすみれの花にちなんだものにしたいなあ」なんて、あれこれ考えてみても楽しいですよ。