映画『THE 有頂天ホテル』(2006)、『ステキな金縛り』(2011)、『記憶にございません!』(2019)を始め、Amazon Prime Video Original 配信ドラマ『誰かが、見ている』(2020)、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』など代表作は枚挙にいとまがない脚本・演出家の三谷幸喜さん。日本のコメディの帝王が、久しぶりに演劇の舞台に帰ってきました!2022年笑い納めにぴったりの舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』とはどのような作品なのでしょうか。
ある劇場での舞台裏を描いた名作『ショウ・マスト・ゴー・オン』
THE SHOW MUST GO ON。“一度幕を上げたら、その幕を下ろすな!”というキーワードは、世界中の舞台人共通のキーワード。やり直しが効かないナマモノの舞台だからこそ、想定外のトラブルをも乗り越えていかなければならない。どんな世の中でも、人々の心を豊かにするSHOWを続けなければならない。そんな強い決意が込められた言葉です。(世界中のエンターテイメント業界の合言葉。「Show Must Go On」の意味とは?)
この言葉を掲げて三谷幸喜さんが書き下ろしたのは、演劇界の始祖とも言える劇作家・シェイクスピアの作品『マクベス』を上演しようとするも、様々な波乱に巻き込まれる劇団の物語。マクベスを演じる座長が行方不明になったり、若い演出部スタッフが音信不通で現れなかったり…。あらゆるアクシデントに巻き込まれながら、劇団はカーテンコールの瞬間を目指していきます。
『ショウ・マスト・ゴー・オン』は1991年本多劇場にて初演を迎え、1994年に紀伊國屋ホールと福岡・大阪にて再演。28年の時を経て、2022年版の上演が決定しました。再々演にあたって三谷幸喜さんは、「令和の時代に合わせてリニューアルしておりますが、開幕して3分で笑いが沸点に達し、そのままラストまでずっと煮えたぎっている構造は、全く変わっておりません」とコメント。三谷節満載のノンストップ・コメディとなっています。
舞台監督と座長が令和版にリニューアル!
三谷さんのコメントにもある通り、再々演にあたっていくつかリニューアルが発表されています。まず1つ目は、舞台裏の責任者である舞台監督が女性になったこと。91年の初演と94年の再演では西村雅彦さんが舞台監督の進藤を演じていましたが、2022年版では鈴木京香さんが進藤を演じます。
衣装や音響、俳優、演出家ら様々な役職を繋ぐ役割を持ち、安全チェックやスケジュール・予算管理まで担う舞台監督。本作は“トラブル発生”が予告されているため、凛とした印象の強い鈴木京香さんが進藤をどう演じるのか、どのように舞台を守り抜くのか、その奮闘ぶりに注目です。
また、劇団の座長も「老優」設定から若返りが図られました。座長・宇沢を演じるのは、歌舞伎界の活躍はもちろんのこと、ドラマ・映画・舞台やバラエティまで活躍の幅を広げる尾上松也さん。ミュージカルファンなら山崎育三郎さん・城田優さんとのユニットIMY(アイマイ)で馴染みの深い方も多いでしょう。尾上さんは『鎌倉殿の13人』にも出演しており、再び三谷さんとのタッグが実現しました。
その他、ウエンツ瑛士さん、シルビア・グラブさん、小林隆さん、新納慎也さん、今井朋彦さん、藤本隆宏さん、小澤雄太さん、峯村リエさん、秋元才加さん、井上小百合さん、中島亜梨沙さん、大野泰広さん、荻野清子さん、浅野和之さんの総勢16名が出演。三谷作品に初参加するメンバーもいる中で、役者たちの化学反応によって何が起こるのか、期待が高まります。
そして三谷さんは本作に関して“思い切り明るくて楽しくて笑いに満ち溢れたもの(でも胸に迫る)”にしようと考えているとのこと。今の世の中で、三谷さんが描きたい“笑い”とは。
舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』は11月7日に福岡・キャナルシティ劇場にて開幕。京都公演を経て、11月25日から12月27日まで世田谷パブリックシアターにて上演予定となっています。チケットの詳細は公式HPをご確認ください。
発売後、即完してしまった本作ですが、全ステージ当日券を販売予定とのこと!実力派揃いのキャスト陣が織りなすノンストップ・コメディ、是非とも劇場で目撃したいものです!