2022年11月19日(土)より、東京・自由劇場にてミュージカル『りんご』が開幕します。青森県のりんご農家がこれまで不可能とされてきた無農薬りんごの栽培を実現させたという実話を、初のミュージカル舞台化。非現実的な世界を取り上げることが多いミュージカルというジャンルの中で、私たちの食生活に身近なりんごをめぐる奇跡のような物語を、豪華なキャストと制作スタッフで紡ぐ注目作です。

無農薬りんご栽培の奇跡の実話をミュージカルに

作品のベースになっているのは、世界で初めて無農薬のりんご栽培に成功した農家・木村秋則さんの実体験です。木村さんの無農薬りんご栽培への挑戦は2013年には映画『奇跡のリンゴ』として映像化され、一躍有名に。その3年前の2010年には、V6の長野博さん主演で舞台『りんご 木村秋則物語』も上演されていました。

今回のミュージカル『りんご』で木村さん役を務めるのは、ミュージカル『ロカビリー☆ジャック』や音楽劇『スラムドッグ$ミリオネア』に主演していた俳優の屋良朝幸さん。屋良さん演じる木村秋則は、りんご農家の木村ミチコ(梅田彩佳さん)と結婚し、彼女の家の婿養子になります。

しかし、次第にミチコが体調不良を訴えるように。その原因は、りんご栽培に必要不可欠な農薬にありました。

りんごは木に農薬を年に数十回塗布するのが当たり前でしたが、秋則はミチコのために無農薬でりんごを栽培できないかと試みます。周りからも「不可能」と揶揄されてきた無農薬りんごの栽培はやはり困難で、追い詰められた秋則は失意の末自殺まで考えるようになってしまいました。

そんななか、秋則は問題解決の糸口となる奇跡の”土”や不思議な宇宙人と出会い・・・。

奇跡の実話をベースにユーモラスなストーリー展開を踏まえたミュージカル『りんご』は、元宝塚歌劇団の演出家・荻田浩一さんが演出を、劇団四季ミュージカル『バケモノの子』の演出を担当した青木豪さんが演出を務めます。

カントリーミュージックにラップにロック?!作品を彩る多様な音楽に注目

日本国内で起きたりんご農家のサクセスストーリーをミュージカルにするということで、ドキュメンタリードラマのような現実的な世界を想像する人も多いのではないでしょうか?

ところが聞くところによると、『りんご』のミュージカルシーンではカントリーミュージックやラップ、ロックといった多彩な音楽が飛び出し、私たち観客が想像できないような多様性にあふれた作品になっているようです。

こちらはミュージカル『りんご』の公式サイトで公開されている稽古場の映像です。りんご農家の人々を演じる俳優たちが歌い踊っているのは、なんとラップ!キャッチーな韻の踏み方が、動画を見ただけでもかなり印象に残りますね。

屋良さんと一緒にラップをメインで歌っているのは、秋則の兄・ハルヒコ役を演じるレゲエユニットDef TechのメンバーであるMicroさん。他にも『SHOCK』の出演で知られる元AKBの梅田彩佳さん、レミゼ俳優の岸祐二さん、元劇団四季の吉沢梨恵さんや上川一哉さんらが作品の脇を固めています。

各ジャンルに精通した俳優たちが集まりさまざまなジャンルの歌を披露するというのですから、ミュージカルシーンはかなり聴きごたえがありそうですね。

ミュージカル『りんご』は、自由劇場にて12月7日(火)まで上演予定です。公式HPはこちら

さきこ

食卓にとって身近なりんごの知られざる奇跡の実話を描いたミュージカルは、私たち観客に新たなミュージカルの楽しみ方を教えてくれるのではないでしょうか。 また、自由劇場というと劇団四季作品の上演を数多く行ってきた劇場です。 今回カンパニーの中に元四季の俳優さんが多く、自由劇場で上演されるという点は、劇団四季好きにとっても胸が熱くなるものがあります。