年の瀬で、観劇納めをした、という声が聞こえてくるようになりました。でも、ちょっと待って!本日12月23日に初日を迎えるこちらの舞台をどうぞお見逃しなく!SFアニメーションとして高い評価を得た作品を、お芝居で。配信も決定している舞台『イヴの時間』をご紹介します。
原作は、劇場公開されたWEBアニメーション
この舞台の原作は『イヴの時間 Are you enjoying the time of EVE ?』。『ペイル・コクーン』や『アイの歌声を聴かせて』のスタジオ六花・吉浦康裕さんが原作・脚本・監督を務めたアニメーション作品です。人間とアンドロイドが共存する未来を描き、SF作品として高い評価を得ています。
WEB上で観られるアニメーションとして、2008年から2009年にかけて1話約20分のショートシリーズ全6話を公開。シリーズの総再生回数は300万回を突破し、注目を集めました。スタジオ六花の作品紹介ページでは、現在も第1話を無料公開中です。
このショートシリーズの人気が後押しして、6話をギュッと再編集・シーンを追加した『イヴの時間 劇場版』を2010年に全国公開。この劇場版は東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門で優秀作品賞、第14回文化庁メディア芸術祭でアニメーション部門審査員推薦作品に選ばれました。Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスで現在配信されているのはほとんどがこちら。舞台作品を観る前に原作の予習をする派の方は、劇場版がオススメです。
さらに、コミック、小説など、メディアミックスで展開され、それぞれが少しずつ視点を変えた内容となっています。どれを入り口にしても楽しめて、作品世界を深掘りしたいと思えば、さまざまな形式で考察を深めることができる。それが『イヴの時間』の世界の複層的な魅力と言えるでしょう。
人間とアンドロイドの交流にぬくもりを感じて。作品世界を新たな角度で魅せる舞台版『イヴの時間』
人間そっくりなロボット=アンドロイドが実用化された未来の世界に、人間とアンドロイドが対等でいられる不思議な喫茶店がありました。その場所の名は「イヴの時間」、この作品の舞台となる、コーヒーの美味しい喫茶店です。ここに集う生命体である人間と、その生活を支える知能を持つ機械。その交流からドラマが展開していきます。
主人公の男子高校生、向坂リクオ役を『仮面ライダーエグゼイド』に出演した瀬戸利樹さんが演じます。彼が“家電”として扱うハウスロイドのサミィ役には、元宝塚歌劇団花組トップ娘役スターの花乃まりあさん。
そして、原作アニメーションにも登場するキャラクターたちを、赤澤燈さん、城妃美伶さん、伊藤優衣さん、瀬戸祐介さん、河合龍之介さん、悠未ひろさん、柳瀬大輔さんが個性豊かに演じます。舞台版のオリジナルキャラクターとなるハザマ役は納谷健さんが務めます。
出演者がキャラクターに扮したソロビジュアルへは、原作者の吉浦康裕さんがTwitter上でコメント。各キャラクターへの思い入れや、舞台版で設定が変わったポイントを語っています。
演者もこだわりのビジュアルは、すでに吉浦さんのお墨付き。原作アニメーションの、やわらかくてどこか寂しげな表情のキャラクターたちがこう立体化するのかと、興味を引き立てる画像に仕上がりました。舞台版では、生身の俳優がロボットを演じるからこそ、キャラクターのあたたかさや感情が一層強く見えてくるのではないか、と期待が高まります。
脚本は細川博司さん(バンタムクラスステージ)、演出は『王家の紋章』や手塚治原作のミュージカル『アラバスター』を手掛ける荻田浩一さんが担当。「見た目は同じ“人間”と“アンドロイド” 心とは、どこにあるのか」というキャッチコピーが新たにつけられ、他者との交流で感じるあたたかさの源を問いかけています。
#イヴステで2022年の観劇納めを!12月23日(金)と28日(水)は配信でも楽しめる!
舞台『イヴの時間』は2022年12月23日(金)から 29日(木)まで、東京・博品館劇場にて上演されます。公式Twitterでは稽古期間の稽古場レポートや公演グッズ情報を発信中。観劇の前にはぜひ一度チェックしてみて下さいね。観劇後の感想には#イヴステのハッシュタグもお忘れなく。
今回の公演ではライブ配信も併せて実施。12月23日(金)19時からの初日公演、28日(水)19時からの千秋楽公演は、Rakuten TVでの独占配信が決定しています。公演の詳細やチケットのご購入はこちらの公式ホームページをご確認ください。
多くのメカとアプリの能力に頼って豊かな生活を実現している今、本作のような世界はもはやそう遠くない将来の話のよう。人間が心を通わせるとき、そこには血が通うもの同士のあたたかさを無意識に感じ取っているような気がします。その相手がロボットだったとき、その感覚に変化はあるのでしょうか。その答えをこの作品から見つけたいと思います。