世界の映画賞席巻の衝撃作、日本版舞台化にあたり、古田新太さん、宮沢氷魚さん、伊藤沙莉さん、江口のりこさんと豪華キャストが集結しました。

1990年代の関西を舞台にした日本版『パラサイト』

カンヌ国際映画祭では、審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、世界各国で称賛の嵐を巻き起こした映画『パラサイト 半地下の家族』。世界が直面している「格差社会」を描き、サスペンス、ブラックコメディ、ヒューマンドラマなどのあらゆるジャンルが完璧に融合している作品です。

日本版『パラサイト』の台本・演出を務めるのは映画『愛を乞う人』『焼肉ドラゴン』、舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』などを手掛けている脚本・演出家の鄭義信さん。鄭さんは国籍が韓国の在日韓国人というルーツを持ちます。また、「言葉に“たおやかさ”と“強さ”どちらも備わっている」と関西弁での劇作にもこだわりを見せます。

日本版『パラサイト』の舞台となるのは1990年代の関西。川の水位より低く一日中陽がささず、地上にありながら地下のようなトタン屋根の集落で細々と暮らす金田一家。家内手工業の靴作りで生計を立てて暮らしています。

一方対称的な高台にある豪邸には、永井慎太郎、妻の千代子、娘の繭子、引きこもりの息子・健太郎がベテラン家政婦の安田玉子とともに暮らしています。

文平の息子の順平は妹の美妃が偽造した大学の在籍証明を利用し、繭子の家庭教師として永井家でアルバイトを始めます。そして、健太郎のアートセラピーの教師として美妃が働き始めます。

慎太郎の運転手をクビにして文平が、家政婦の玉子の後釜に福子が、と金田一家は徐々に永井家に寄生していきます。そんな一家に待ち受ける運命とは…。衝撃のラストも舞台仕様に…?!

古田新太・江口のりこ・宮沢氷魚・伊藤沙莉ら豪華キャスト集結!

『パラサイト』の舞台化への期待が高まる中、第1弾キャスト情報が解禁されました!

物語の中心となる金田一家の父親・金田文平は、映像作品から舞台まで様々なジャンルで活躍する個性派俳優、“日本のソン・ガンホ”と呼ばれることも多い古田新太さんが演じます。

「ガンホさんが一個下ですから、本来“韓国の古田新太”と言われてしかるべきじゃないかと!でも彼のファンでもあるので、稽古前に映画を見直して完コピしようかな?と目論んでいます(笑)」と古田さんらしくコメント。本作、そして演出の鄭さんに対しては「鄭さんらしい、分厚い人間ドラマになるんじゃないでしょうか」と期待を寄せました。

家政婦として永井家に雇われる文平の妻・福子は、唯一無二の存在感で多くの作品に引っ張りだこの江口のりこさんが演じます。

江口さんが若手時代に出演したドラマ『すみれの花咲く頃』や映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』の脚本を鄭さんが担当していたそう。舞台作品を一緒に作り上げるのは今回が初めてで「とても嬉しい」と話します。

金田一家の配役については「ふと“(夫役を演じる)古田さんと私から、果たして宮沢氷魚さんが生まれるのか?”と疑問もわきます(笑)」 と言いますが、「古田さんという頼れるアニキがいますし、何があっても大丈夫という大いなる安心感!」と既に信頼関係が築かれている様子。

永井家の家庭教師としてアルバイトを始める文平の息子・順平は、昨年日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、俳優として着実にキャリアを積む宮沢氷魚さんが演じます。
「世界情勢が不安定で、格差がどんどん開いていく今だからこそ、この作品を届ける意義があると信じています」と上演への意気込みを語りました。

同じく、永井家にアートセラピー教師として取り入る順平の妹・美妃は、安定感のある演技力に定評がある伊藤沙莉さんが演じます。
伊藤さんは23歳の頃に『すべての四月のために』で鄭さんの演出を受けており、「たくましく懸命に生きる人間を、アツく優しく描く」と話します。

キャスト4名とも楽しみにしているという鄭義信さんの演出。日本版、そして舞台版『パラサイト』がどのような作品になるか、期待が高まります。

COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト』は、6月5日(月)~7月2日(日)に東京・THEATER MILANO-Za (東急歌舞伎町タワー6階)、7月7日(金)~17日(月・祝)に大阪・新歌舞伎座にて上演です。

ミワ

映画館で手に汗を握ってみていた作品が舞台化されるとは!それも豪華キャスト!上演がさらに楽しみになりますね。