1959年の初演から愛され続けているミュージカル『GYPSY』。数々の名女優が演じてきたローズ役を大竹しのぶさんが演じます。ローズの2人の娘を演じるのは、数々のミュージカル作品でヒロインを演じている生田絵梨花さん、熊谷彩春さん。4月9日(日)に東京芸術劇場プレイハウスで開幕です!

ミュージカル界の巨匠スティーヴン・ソンドハイムが作詞を手がけた作品

ミュージカル『GYPSY』は、実在したストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの回顧録が元となっている作品です。“究極のショー・ビジネス・マザー“の代名詞となった母・ローズの姿と共に、ショービジネス界の苦難を愛情を持って描いています。

ローズは、2人の娘、ルイーズとジューンをヴォードヴィル(※)の世界で活躍させようと躍起になるステージママ。オーディションで知り合ったハービーと一座を作り、まるでジプシーのように、あちこちの劇場へ娘たちを売り込んでまわっています。


やがて、脚光を浴び始めた次女のジューン。しかし、ローズのわがままで売れるチャンスを逃してしまいます。愛想をつかしたジューンは、一座の青年タルサと駆け落ちし出て行ってしまうのでした。


ローズは、長女・ルイーズと再起を図りますが、ジューンのような歌唱力やダンスの技術はルイーズにはありません。そんな時、ルイーズはある手違いでストリップ劇場の仕事を受けてしまいます。ローズは抵抗しますが、お金のためにルイーズは舞台に立つと宣言するのでした。

※ヴォードヴィル:アメリカ流の、歌、踊り、寸劇などを組み合わせた、軽快なテンポの音楽軽喜劇のこと。1890年から1920年にかけて全盛期を迎えました。元来は16世紀フランスで歌われた、風刺的流行歌のこと。その後、演劇にそのような風刺的な歌や踊りが取り入れられた軽喜劇を指すようになり、19世紀にはパリから世界中に流行しました。



本作は、1959年に初演、1962年には映画化もされました。1990年にトニー賞・ベストリバイバル、2016年には、ローレンス・オリヴィエ賞・ベストリバイバルを受賞するなど、初演から50年以上たった今でも世界中で愛されています。

初演では、『エニシング・ゴーズ』や『アニーよ銃をとれ』、『ハロー・ドーリー!』に出演し、「ブロードウェイの女王」と呼ばれたエセル・マーマンが主役のローズを演じました。

作詞を手がけたのは、ミュージカル界の巨匠、スティーヴン・ソンドハイム。『ウェスト・サイド・ストーリー』や『イントゥ・ザ・ウッズ』『スウィーニー・トッド』などの名作を世に送り出しています。現在上演中の『太平洋序曲』も彼が手がけた作品です。(ソンドハイムについて詳しくはこちらの記事へ)

作曲のジュール・スタインは『紳士は金髪がお好き』『Funny Girl』など、多くのブロードウェイ作品で楽曲を手がけています。

脚本のアーサー・ローレンツは、舞台版・映画版共に『ウエスト・サイド・ストーリー』と『GYPSY』を手がけています。

日本が誇る名優・大竹しのぶ×ミュージカル界の実力派ヒロイン2人が親子に!

今回演出を務めるのは、 2016年に『Nell Gwynn』でローレンス・オリヴィエ賞新作コメディ賞を受賞した演出家のクリストファー・ラスコムさん。『十二夜』『恋の骨折り損』『から騒ぎ』などのシェイクスピア作品を始め、『ロッキー・ホラー・ショー』や『The Madness of George III -英国万歳-』などの話題作を演出しています。

ブロードウェイで初めて観て、大好きだったミュージカル作品のひとつだという本作。ラスコムさんは本作について「この作品の芯にあるのは母と娘の壮大な物語であり、それが普遍的な魅力を与えているのだと思います。歴代ブロードウェイ作品のなかでもとりわけ愛されているミュージカル楽曲群を体験できる貴重な機会になるでしょう。アメリカン・ミュージカルの真の傑作とのスリリングな出逢いとなることを願っています」と語りました。


娘達をスターにすることを夢見ているステージママ・ローズを演じるのは、日本を代表する女優の一人である大竹しのぶさん。大竹さんは、『ピアフ』で第 44 回菊田一夫演劇賞を、『フェードル』で第 52 回紀伊國屋演劇賞を受賞しています。2011年には、紫綬褒章を受勲。今年は、本作の後に、舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』への出演が控えています。

大竹さんは、「いくつになっても何かに挑戦できるということは、とても幸せなことです。今回、大好きな『GYPSY』に挑みます。とにかく劇場に来た人が「生きていくっていいな。頑張るぞー!」と叫びたくなる様な、そんな熱い舞台になれば最高です」とコメントしました。

ローズの上の娘であり、後に”バーレスクの女王”と称されるようになるルイーズ役を演じるのは、生田絵梨花さん。乃木坂46の中心メンバーとして活動し、2021年末に卒業。持ち前の歌声を生かし『ロミオ&ジュリエット』、『レ・ミゼラブル』などミュージカルで活躍。

2019年には『モーツァルト!』、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』で演技が評価され第44回菊田一夫演劇賞を受賞。今年の1、2月に上演された『MEAN GIRLS』では主演のケイディを演じました。


「何より大竹しのぶさんと親子として舞台でご一緒できるのがとても嬉しい」と話す生田さん。

「今までにない挑戦になるのかなと思っています。繊細に、且つ大胆に追求していきたいです。
大竹さん演じる猛烈なステージママや、素晴らしいエンターテイナーの皆さまに負けじと、私もルイーズとしてエネルギーを放出できるよう、ぶつかっていけたらと思います」とコメントしました。


歌やダンスの才能に秀でていたジューン役を演じるのは熊谷彩春さん。2019年に上演された『レ・ミゼラブル』で、史上最年少でコゼット役に抜擢。その後、ミュージカル『パレード』『魍魎の匣』『笑う男The Eternal Love -永遠の愛-』『東京ラブストーリー』など、数々の作品に出演。NHK みんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』では主演を務めました。

芸達者でコミカルな役柄というジューンについて熊谷さんは「自分の殻を破る挑戦が必要になると思います」と意気込みを語りました。

ジューンと駆け落ちするダンサーのタルサ役を演じるのは.佐々木大光さん(7 MEN 侍/ジャニーズ Jr.)。歌やダンスだけに留まらずメンバー全員がバンドやスケートボードなど多彩な才能を持つグループ「7 MEN 侍」のメンバーとして活動しています。TV ドラマ『束の間の一花』、ミュージカル『ミュージカル「手紙」2022』に出演。舞台『学校の七不思議』では、舞台初主演を務めました。

ローズと組んで娘たちを売り込み、次第にローズにひかれていくハービー役を演じるのは、今井清隆さん。1991 年『レ・ミゼラブル』のジャベール役で第17回菊田一夫演劇賞を受賞。1996年には読売演劇大賞優秀賞を受賞しました。『ミスサイゴン』『マイ・フェア・レディ』『サウンド・オブ・ミュージック』など有名作品の数々に出演。近年ではミュージカル『ジェイミー』『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』『スクルージ〜クリスマス・キャロル〜』などに出演しています。

豪華実力派キャストで挑むミュージカル『GYPSY』は、4月9日(日)〜30日(日)東京・東京芸術劇場プレイハウスで上演。
その後、5月4日(木・祝)〜7日(日)大阪・森ノ宮ピロティホール、5月12日(金)〜14日(日)愛知・刈谷市総合文化センターアイリス大ホール、5月19日(金)〜21日(日)福岡・キャナルシティ劇場で上演です。
公式HPはこちら

ミワ

1幕ラストの「Everything's Coming Up Roses」を歌う大竹さんの姿が早く観たくなります!