ミュージカルファンの読者の方が多いAudience。小劇場演劇を観たことがない方や、たくさん上演しているものがありどれを観たらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、Audience編集部が独断と偏見で2月に上演している作品の中からおすすめ作品を3本セレクトしてみました!
トツゲキ倶楽部プレゼンツ短編祭『当たったらホームラン』
トツゲキ倶楽部は、2006年に旗揚げした、「ありえないけどありえるかもしれない状況に右往左往する人々の姿」をエンタメ化して描き出す作風が特徴の劇団。
2月8日(水)から下北沢の「劇」小劇場にて上演されるのは、演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの劇団ナイロン100℃も参加する、第33回下北沢演劇祭への参加作品、トツゲキ倶楽部プレゼンツ短編祭『当たったらホームラン』。
短編祭『当たったらホームラン』は、トツゲキ倶楽部の脚本家である飛葉喜文さんの作品のほか、初めて戯曲に挑戦した新人作家の作品まで計10作品を回代わりで上演するという珍しい形態。
内村直也さんの『お世辞』や、岸田國士さんの『紙風船』といった古典作品。トツゲキ倶楽部の脚本家の飛葉喜文さんの『それでも地球は廻っている』『バットは振らなきゃ当たらない』『深夜の告白』や、トツゲキ倶楽部の俳優けろたつやさんの『旅は道ズレ』という作品、本作に俳優としても出演する小森健彰さん、すけまる丸和さんもそれぞれ作品を書いています。
日程により、4〜5作品が回替わりで上演されます。作品をたくさんコンプリートしたい方に向けてリピート割も!長い演劇をいきなり見るのは不安、どんな作家の作品が自分に合うか知りたい、といった方におすすめです。
トツゲキ短編祭『当たったらホームラン』は、2月8日(水)〜2月12日(日)「劇」小劇場にて上演です。公式サイトはこちら。
らむらどぅプロデュース feat.guizillen『推しのためなら死ねる』
guizillen(ギジレン)は2014年に旗揚げし、「汗とよだれの手づくり演劇」を合言葉に創作活動をしている劇団です。2017年上演の「賭け」にて佐藤佐吉演劇賞優秀作品賞を受賞。2018年上演の「センチメンタル・ジャーニーズ」では業界初!うどん付きチケットを発売。2019年末には5周年特別本公演「ギジレン5さい」にて複数の作品を上演。キャスト総数は100名にも及びました。
『推しのためなら死ねる』は『推し保険』というサービスの話。日本では、契約者の死亡時、全財産を推しに譲渡できるサービス『推し保険』が普及し、エンタメ業界は大いに盛り上がっていました。
オタクたちは課金という愛の大小で競い合い、自身の肉体すら推しに捧げています。推したちは受取人の権利を懸けて足の引っ張り合いをしています。
日本を代表する大企業・金ヶ崎生命株式会社の社員ミドーカンジは、上司を殴ってしまったため、本社の敷地の隅にあるプレハブ小屋『推し保険事業推進部』へ左遷されてきました。オタク知識はゼロ、『推し』の意味が分からない、40代、新人営業マンとしてやっていけるのでしょうか…!?
公演にちなんで「推し課金(おひねり)」のオンライン販売も!100円から好きな俳優さんに直接課金でき、希望者は劇場に「推し課金証明書」を掲載してもらえるんだそう!
らむらどぅプロデュース feat.guizillen『推しのためなら死ねる』は2月8日 (水) ~ 2月13日 (月)萬劇場にて上演です。公式サイトはこちら。
オフィスコットーネプロデュース 綿貫 凜 追悼公演『磁界』
オフィスコットーネは1994年にプロデューサーの綿貫凜さんが立ち上げた現代演劇の創造プロジェクト。2012年からは、多才な分野で活躍するアーティストとのコラボレーションや上演されてない戯曲の発掘なども行っています。
昨年オフィスコットーネが上演した『加担者』では、演出家の稲葉賀恵さんが第30回読売演劇大賞演出家賞部門・優秀賞にノミネートされています。
トツゲキ倶楽部と同じく、第33回下北沢演劇祭への参加作品である『磁界』。
様々な事件を1年という時間をかけて取材し、綿密な下調べを基に俯瞰した目線で警察組織内部を描くドキュメンタリータッチの作品です。閉鎖的な環境において人間は社会性が失われ、モラルが欠如し隠蔽さえも正当化されていく世界を描きます。
社会問題を題材にリアリズムを追求した緊迫感のある人間ドラマで高く評価されている中村ノブアキさんが作・演出を務めます。
『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』が第30回読売演劇大賞作品賞にノミネートされている劇団チョコレートケーキの西尾友樹さんや、関西を拠点とした様々なエンターテインメントを発信している劇団Patchの井上拓哉さん、文学座所属で、大河ドラマ『青天を衝け』や NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』にシェフ役で出演していた大滝 寛さんらが出演します。
オフィスコットーネプロデュース 綿貫 凜 追悼公演『磁界』は、2月9日(木)〜2月19日(日) 小劇場 B1にて上演です。公式HPはこちら。
ミュージカルファンの多いAudience読者のみなさんからすると、触れる機会の少ない小劇場演劇。3作品とも5000円以内で観劇できる作品です!近い距離で生の芝居が観られるため、一度行ってみたらハマるかも…!?