2020年4月に誕生し、オンライン演劇に注力していた「ノーミーツ」は、2021年10月にリブランディングを行い、現在ストーリーレーベルとして活動しています。そんなノーミーツの新作『背信者』は、本多劇場での上演と配信の2視点で楽しめる作品になっています。

「ノーミーツ」とは

2020年4月のコロナ禍に誕生した劇団ノーミーツ。
稽古から上演までフルリモートで行い、オンラインを活かしたコンテンツを配信してきました。
第2回公演『むこうのくに』では、YOASOBIさんとコラボ。第3回公演『それでも笑えれば』では視聴者が物語を選べる“選択式演劇”にチャレンジ。『VIVA LA VALENTINE』ではサンリオとコラボをし、撮影ではワンカット長回し(※)と、「オンライン演劇」をはじめ、様々な方法で演劇やエンターテインメントの新しい物語と新しい届け方に挑戦してきました。

※ワンカット長回し:複数のカメラで様々な角度から撮るのではなく、1つのカメラで回し続ける撮影のこと。

そして、劇団ノーミーツは2021年10月にリブランディングを行い、現在はストーリーレーベル「ノーミーツ」へと改名しています。

劇場と配信の2視点で楽しむ。メディアを巡る真実と虚構の物語

『背信者』は、「ノーミーツ」が手掛ける初のリアルでの舞台作品です。情報の切り取り方やモノの見方といった「視点、まなざし」をテーマにした物語であることから、本多劇場と、配信と、両方の視点で楽しめる作品となっています。

作・演出は、第3回公演『それでも笑えれば』で第65回岸田國士戯曲賞ノミネートの小御門優一郎さんが務めます。

小御門さんは、本作の上演にあたって、次のようにコメントしています。

「演劇を映像で配信するようになって、“フレームによって切り取られる物語”というものを強く意識するようになりました。カメラの画角内という“舞台”に、適切に人物と物を登場させることで、そこに物語があると信じてもらうという行為が、配信演劇です。
物語そのものも、事象を切り取るフレームと言えます。一連の出来事のうち、見せたい事象を適切に切り抜き、編集することで作り手が意図した流れ、波を恣意的に受け取り手に体感させるのが物語です」

演劇と配信演劇の視点、パンデミックになる前と後の視点など、様々な視点が結びつき生まれたのが、『背信者』です。

『背信者』は、未曾有の電子災害「ビッグクラック」によって記録が一夜にして奪われてしまった時代の「メディア」の物語。300年の歴史を持つ雑誌『CAESAR(カエサル)』は創刊以来一番の好景気を迎えていました。『CAESAR』が何かを取り上げるたび、真実か否かに関わらず、世間は沸き立ちます。

しかし、編集部に勤めるクスノキだけは、信じられるたったひとつの「真実」を探していました。
目撃するのは、虚構か、真実か。“たしかなもの“が失われた世界で、人は何を信じて生きるのでしょうか。

主演は、数多くのドラマ・映画・舞台に出演し、オールナイトニッポン50周年記念企画『続・時をかける少女』にも出演した伊藤健太郎さん。
そして、ロックバンド感覚ピエロのMVやKERA CROSS第二弾『グッドバイ』等の女優業だけでなく、モデルや監督と多方面で活躍する田中真琴さん。
オールナイトニッポン55周年記念公演『あの夜を覚えてる』での演技が話題となった三四郎の相田周二さん。

『レ・ミゼラブル』ではコゼットを演じ、『ミス・サイゴン』ではジジ役を演じるなどミュージカルを中心に活躍している青山郁代さん、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』での演技が話題となっている新田桃子さん。
俳優業だけでなく、電線愛好家・文筆家としても活躍する石山蓮華さん。演劇集団キャラメルボックスの鍛治本大樹さん、『シン・ウルトラマン』・『あなたの番です』など多くの話題作に出演している和田聰宏さん。
さらにサブキャストとしてノーミーツ所属のオツハタさんと上谷圭吾さんも出演します。

コロナ禍でも演劇界を盛り上げようと誕生したノーミーツの、初の劇場進出作品に期待が高まります!

舞台『背信者』は、3月3日(金) 〜3月8日(水) に本多劇場にて上演です。公式HPはこちら

ミワ

オンライン演劇に力を入れていたノーミーツ。ついに劇場で上演できる情勢になったことが喜ばしいですし、本作が劇場と配信のハイブリッドな演劇の新しい形の提示になるのではないでしょうか。