第29回読売演劇大賞 大賞・最優秀作品賞に選ばれた『フェイクスピア』、日本・ロンドン・台北のワールドツアーが実現した『Q』:A Night At The Kabuki など、時代の名作を生み出し続けるNODA・MAP。2年ぶりの新作『兎、波を走る』の上演が決定しました!
高橋一生×松たか子×多部未華子が挑む、NODA・MAP新作
イタコ、星の王子さま、シェイクスピアと言葉に関連する人々が集い、「真の言葉」を探すうちに、日航機墜落事故のボイスレコーダーで語られた「コトバの大群」に行き着く…という衝撃の展開と、SNSなど「フェイク」溢れる世界に一石を投じる台詞が詰まった名作『フェイクスピア』。2021年に上演された本作は第29回読売演劇大賞 大賞・最優秀作品賞に選ばれ、主演の高橋一生さんは最優秀男優賞に、野田秀樹さんは優秀演出家賞に選ばれました。(優秀演出家賞は『フェイクスピア』『THE BEE』での受賞)
それから2年の時を経て、NODA・MAP新作として上演される『兎、波を走る』に、再び高橋一生さんを迎えます。迫真の「コトバの大群」で私たち観客に大きな衝撃を与えた高橋さんが、再びNODA・MAPへ。
さらに『Q』:A Night At The Kabuki でのワールドツアーを終えたばかりの松たか子さんは2年連続でのNODA・MAP参加、さらに高橋さんとの舞台共演は本作が初。これだけでも豪華な布陣ですが、さらにNODA・MAPに多部未華子さんが初参加となります。
ドラマ映画での活躍はもちろんのこと、長塚圭史さん演出『ツインズ』、蜷川幸雄さん演出『尺には尺を』、松尾スズキさん作・演出『ニンゲン御破算』、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演出『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~』など数々の名演出家に愛されてきた多部さんが、満を持してのNODA・MAP参加。さらに松さんとの共演は本作品が初めてと、もはや歴史的とも言えるキャスト陣です。
秋山菜津子さん、大倉孝二さん、大鶴佐助さん、山崎一さんと、NODA・MAPに欠かせない18名のアンサンブルキャストが織りなす『兎、波を走る』。一体どんな作品になるのでしょうか。
予測不可能な新作で描くのは、「なんともいたたまれない不条理」?
「兎波を走る」ということわざは、月影が水面に映り白く輝くさまが、兎が走っているように見えることから来ているのだそう。また兎は象や馬よりも水に入る度合いが少ないことから、仏教の悟りでまだ浅い段階にとどまっている人の例えとしても使われるそうです。
この言葉から野田さんは「なんともいたたまれない不条理」を描いたと言います。しかし始まりは(不思議の国の)「アリス」で始まるのだとか。『不思議の国のアリス』に登場するウサギも、関係があるのでしょうか…?
物語の設定は「“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇”のようなもの」だと言いますが、何しろ『フェイクスピア』の設定は「“恐山”を舞台に“イタコ”が登場する」というものでしたし、どんな世界が広がっているのかは幕が開けるまでのお楽しみでしょう。“劇中劇”は劇作家シェイクスピアも好んで使った設定であり、『フェイクスピア』に引き続きシェイクスピアが登場するのか…など今は未知の世界への妄想と胸の高鳴りが止まりません。
さらに本作のスタッフには人形劇師である沢則行さんと、映像作家の上田大樹さんが名を連ねています。沢さんは昨年、宮城聰さん率いるSPACとも『ギルガメシュ叙事詩』にてコラボしており、NODA・MAPの世界観にどう人形が活用されるのか、見どころの1つと言えます。
NODA・MAP『兎、波を走る』は6月17日から東京芸術劇場プレイハウスにて開幕。8月には大阪・博多での上演が予定されています。東京公演のチケット一般発売は5月28日から、お見逃しなく!チケット詳細は公式HPをご確認ください。
『フェイクスピア』では立ち上がれないほどの衝撃と感動に襲われ、今でも胸に残り続けている作品です。予測不可能な野田さんの新作、今から待ちきれません!