バズ・ラーマン監督と聞いて、いくつ作品が思い浮かびますか?実は彼、『ムーラン・ルージュ』『ロミオ+ジュリエット』『華麗なるギャツビー』など、数々の名作を生み出している映画界の巨匠なのです。そんな彼の最新作『エルヴィス』まで、輝かんばかりの至高の作品と、その中でも最高の作品のうちの一つ『ムーラン・ルージュ』の舞台化に迫ります!

古典的なストーリーを豪華絢爛な現代によみがえらせる

オーストラリア出身のバズ・ラーマン監督は、初期の頃はテレビドラマや舞台で活躍する俳優でしたが、監督デビューとなった1992年製作『ダンシング・ヒーロー』がいきなりトロント国際映画祭で観客賞を受賞し、一気に名監督への階段を駆け上がりました。

彼の特徴的な作風は、なんといっても古典的なストーリーを鮮やかで豪華絢爛なセットで蘇らせること。その最たるものが、『ロミオ+ジュリエット』です。

ロミオ+ジュリエット』はそのタイトルの通り、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作とする映画。原作は中世イタリアの都市ヴェローナで、代々対立するモンタギュー家とキャピュレット家のロミオとジュリエットが惹かれあい、そしてそれがきっかけで招かれる悲劇の物語ですが、バズ・ラーマン監督はそれを現代のメキシコにおけるマフィア同士の抗争へと舞台を変えて、生まれ変わらせました。

ロミオは冒頭アロハシャツを着て現れ、ロミオを演じるレオナルド・ディカプリオと、ジュリエットを演じるクレア・デインズが最初に出会うのも、豪華絢爛な仮面舞踏会。難しく、とっつきにくい印象のシェイクスピアを、煌びやかな作風で分かりやすく描きなおしたことで、元々ドラマティックなストーリーがさらに劇的になり、幅広い支持を得ました。

そして昨年2022年には、キング・オブ・ロックンロールであるエルヴィス・プレスリーの生涯を描いた伝記映画『エルヴィス』が公開。予告編のPVを見ただけで、派手な演出とロックンロールのサウンドに心が燃えるような思いがした人も多かったのでは?禁断の音楽で世界を変えたといわれる伝説の人物エルヴィスが生み出す、途方もなく熱狂的な世界観は、今なお生き続けているのだと思わせる一作です。

「目を見張る美しさ、息をも忘れる愛。ゴージャスな限りを尽くした世界」

2023年6月、東京・帝国劇場に初上陸する『ムーラン・ルージュ』も、バズ・ラーマン監督によって映画化された作品。パリのナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」が舞台となる本作品は、その舞台のきらびやかさはもちろん、ビートルズやエルトン・ジョン、マドンナなどの曲を吹き替えなしでユアン・マクレガーやニコールキッドマンが歌っていることからも、絶大な支持を得て、映画は大ヒットしました。

そんな名作映画が、煌びやかなマッシュ・アップ・ミュージカルとして装いも新たに舞台へ。舞台では21世紀が生んだ最高の歌手、レディー・ガガまで160年以上にわたるポピュラーミュージック約70曲がちりばめられており、きっと誰しもが楽しめる名作となること、間違いなし。チケットはこちらから。

Asa

彼自身は舞台演出家でもありオペラ『ラ・ボエーム』も演出。監督としても舞台演出家としても名作を残し続けている彼の今後の作品にも注目したいです。