舞台『欲望という名の電車』『ピアフ』やミュージカル『GYPSY』で圧巻の存在感を見せ、2024年にはミュージカル『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』への出演も発表された大竹しのぶさん。日本で唯一無二の光を放つ大竹さんが6月に挑むのは、21年ぶりの一人芝居です。(撮影:操上和美)
シス・カンパニー×映画界の巨匠イングマール・ベルイマンの一人芝居
大竹しのぶさんが前回一人芝居に出演したのは、野田秀樹さんが作・演出を務めたシス・カンパニープロデュースによる『売り言葉』。野田さんが一人芝居を他の俳優のために書き下ろし、演出したのは初めての作品でした。そして21年の時を経て、再びシス・カンパニー作品にて大竹さんが一人芝居に挑みます!
『ヴィクトリア』は『夏の夜は三たび微笑む』(1955年)などで知られる映画界の巨匠イングマール・ベルイマン作の一人芝居。1人の女性の独白を“クローズアップのワンショットのみ”で映画化しようと制作されましたが、実験的な試みゆえに映画化は叶わず。長い期間を経て、ベルイマン監督の演出でラジオドラマとして世に出ることになりました。
原題『A Spiritual Matter』(魂の問題)が示唆するように、ヴィクトリアという女性が自分の魂に話しかけるかのような独白が続く本作。過去と現在、幻想と現実が融合したかのような手法で描いており、大竹さんの迫真の演技が堪能できそうです。
演出を務めるのは、気鋭の演出家・藤田俊太郎
大作の予感がする本作の演出を務めるのは、藤田俊太郎さん。2005年から2015年まで蜷川幸雄さんの作品に演出助手として参加、近年では『ザ・ビューティフル・ゲーム』『天保十二年のシェイクスピア』『ジャージー・ボーイズ』などを演出。『天保十二年のシェイクスピア』『VIOLET』『NINE』の演出で第28回読売演劇大賞 最優秀演出家賞を受賞しています。
大竹さんと藤田さんのタッグは、2020年の朗読劇『ラヴ・レターズ』以来2度目。気鋭の演出家・藤田さんが“魂の問題”をどう描くのか。大竹さんとどのような化学反応が生まれるのでしょうか。
『ヴィクトリア』は6月24日(土)から6月30日(金)までスパイラルホールにて上演。その他、西宮公演・京都公演・豊橋公演が実施されます。東京公演の一般前売発売は5月21日(日)10:00から。チケットの詳細は公式HPをご確認ください。
役者の息遣い、一言一言の重み、何気ない仕草、全てがじっくりと堪能できる一人芝居。話題作に出演し続ける大竹さんの新境地が観られそうです。