海外戯曲の翻訳劇を中心に上演を重ねてきたPLAY/GROUND Creationの第5回公演は、初のオリジナル作品!新作2本を同時上演する『Spring Grieving』が、5/19(金)〜5/31(水)に東京・サンモールスタジオにて上演されます。脚本を務めるのは、昨年新国立劇場で『私の一ヶ月』が上演された須貝英さんです。
須貝英の新作を2本立てで上演『Spring Grieving』
「PLAY/GROUND Creation」 は、俳優の井上裕朗さんが旗揚げした企画・制作ユニット。俳優をはじめとする劇場で活動しているアーティストが集い、それぞれが能動的に参加できる豊かな「遊び場」作りを目指しています。
PLAY/GROUND Creationの代表を務めるのは、俳優・演出家として活躍する井上裕朗さん。俳優として、箱庭円舞曲やイキウメ、serial number、unratoなど小劇場を中心にさまざまな団体の作品に出演し、幅広く活動しています。
PLAY/GROUND Creationの公演においては、#1『BETRAYAL 背信』 #2『Navy Pier 埠頭にて』で翻訳・演出を担当、#3『The Pride』では出演と演出、#4『CLOSER』では演出を担当しました。『Spring Grieving』では演出を務めます。
『Spring Grieving』の脚本を務めるのは、須貝英さん。2007年~13年まで劇団・箱庭円舞曲に俳優として所属。北区王子小劇場主催佐藤佐吉賞にて2009年度最優秀主演男優賞を受賞しています。
須貝さんが脚本・演出を務めた作品には、穂の国とよはし芸術劇場PLAT主催・高校生と創る演劇『滅びの子らに星の祈りを』、海外ミステリーを原案としたMo’xtra Produce『グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース』など。また、昨年11月には、新国立劇場で脚本を務めた『私の一ヶ月』が上演されました。2024年4~7月上演予定の『デカローグⅠ~Ⅹ』では上演台本を務めることが決まっています。
家族間での喪失について描かれることが多い須貝さんの作品。『Spring Grieving』もside-A、Bそれぞれ、春にまつわる家族の喪失と再生の物語となっています。
音楽を担当するのは、オレノグラフィティさん。オレノグラフィティさんは、2004年劇団鹿殺しに入団し、2019年まで全ての劇団鹿殺し本公演に出演。また、 劇団作品全ての音楽、劇中歌を担当していました。
退団後は舞台を中心にテント公演からミュージカルまで出演。1月にはシアタークリエで上演されたミュージカル『ファースト・デート』に出演されました。また、近年は舞台音楽以外にアイドルや俳優への楽曲提供も行っています。
「俳優が主体」となって創作をするというコンセプトのPLAY/GROUND Creation。脚本の須貝さんも、音楽のオレノグラフィティさんも俳優としても活動されているのが、他団体とは一線を画しています。
実力派俳優が一挙集結!家族の死といかに向き合っていくかのドラマに挑む
『Spring Grieving』は春にまつわる2つの物語をside-A・side-Bとして一挙に上演。Aのみ、Bのみの上演回と、短い休憩を挟んで二作品を一挙上演する回が設けられています。
side-A『桜川家の四兄弟』は、母親が亡くなり、遺された家と桜をどうするかを話すために集まった四兄弟を描いた作品です。
桜川家の長男で個人塾を経営している恵一を演じるのは、キャラメルボックスの看板俳優で、PLAY/GROUND Creationには3回目の参加となる鍛治本大樹さん。アニメやCM等でも活躍し、3月には本多劇場で上演されたニッポン放送×ノーミーツ『背信者』に出演しました。
高校教師をしている次男・勇気を演じるのは、ドラマや舞台を中心に活躍し、近年はナレーターとしても活動している林田航平さん。主な出演作品に、『願いがかなうぐつぐつカクテル』、明治座『ふるあめりかに袖はぬらさじ』、『ヒストリーボーイズ』、『サロメ』などがあります。林田さんもPLAY/GROUND Creationには3回目の参加です。
居酒屋で働く三男・制多を演じるのは、高い身体能力を生かし『テニスの王子様 3rdシーズン』の氷帝学園・宍戸亮役など、2.5次元舞台をはじめとする舞台作品で人気を博している小早川俊輔さん。劇団かもめんたる『奇事故(KIJIKO)』、劇団鹿殺し『ダリとガラ』など話題の舞台作品への出演が続いています。PLAY/GROUND Creationへの参加は今回が初めてです。
ミュージシャンを目指す四男・正義を演じるのは、2020年に新国立劇場『反応工程』のオーディション合格を機に上京。2021年に劇団アマヤドリに入団し劇団公演を中心に活動している河原 翔太さんです。
そのほかのキャストは、森川由樹さん(白水舞花役)、小向なるさん(桜川佳澄役)、永井幸子さん(桜川裕美役)、池田努さん(奥谷基次郎役)です。
side-B『春を送る』は、弟・杜子春の死をきっかけに、証券マンの「僕」と、大学の准教授の「父」とのそりの合わない関係が浮き彫りになっていく姿を描いた作品です。
父親の奥谷曾太郎役を演じるのは、辻親八さん。辻さんは、『魔女の宅急便』、海外ドラマ『ER』、ハリーポッターシリーズではシリウスブラック役を務めるなど有名作品の日本語吹き替えに多く出演。椿組野外劇『天保12年のシェイクスピア』や劇団チョコレートケーキ『追憶のアリラン』など舞台作品でも活躍しています。
「僕」こと基次郎役を演じるのは、三津谷亮さん。
ロ字ック『滅びの国』では主演を務めたほか、西瓜糖第六回公演『レバア』や、東京マハロ『あるいは真ん中の座るのが俺』、劇団時間制作『ヒミズ』、NHK大河ドラマ『真田丸』、ドラマ『3人のパパ』などに出演しています。
杜子春の親友・東風元役を演じるのは、2022年12月に主演映画『この恋は終わってる』(監督:加藤綾佳)が公開された、伊藤白馬さん。
最近では、舞台『楽屋−流れ去るものはやがてなつかしき−、須貝英作・演出『ビショップ・マーダー・ケース』、劇団チョコレートケーキ『帰還不能点』などに出演したほか、TBS日曜劇場『Get Ready!』やCM『リポビタンD』に出演しています。
曾太郎の元教え子・川神早月役を演じるのは、ミュージカル作品や音楽劇を中心に活動している内田靖子さん。Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019『ハムレット』、ミュージカル『SERI(セリ)-ひとつのいのち』、音楽劇『星の王子さま』やカムカムミニキーナ、あやめ十八番の作品にも出演しています。
杜子春の従弟・美甘春人と奥谷杜子春の二役を演じるのは、2020年にリモート舞台 劇団ノーミーツ主催『むこうのくに』で主演を務めた竹田光稀さんです。映画『ブラック校則』『午前0時、キスしに来てよ』『映像研には手を出すな!』、ドラマ『ミラー・ツインズ』、『刑事7人』『決してマネしないでください。』『孤独のグルメ』など多くの話題作に出演しています。
PLAY/GROUND Creation #5『Spring Grieving』は、5/19(金)〜5/31(水)に東京・サンモールスタジオにて上演です。上演時間は、side-A『桜川家の四兄弟』が110分。side-B『春を送る』が100分を予定しています。詳しくは公式HPをご確認ください。
両作品ともに「奥谷基次郎」という人物が登場し、作品の世界の広がりが楽しみな『Spring Grieving』。新作の2本立てという珍しい上演形態も興味深い構成です。