2020年とコロナ禍での旗揚げにも関わらず、ハイペースで作品を発表し、注目を集める存在の劇団papercraft。新作公演『人二人』は、「自分の概念が、ある日と突然二人になった女性」を主人公に、劇団papercraft得意の現代口語不条理演劇が展開されていきます。

新進気鋭の若手注目脚本家・演出家の海路が代表を務める劇団papercraft

今年1月に浅草九劇にて上演した第8回公演『檸檬』が話題を呼んだ劇団 papercraft。フィクションを徹底的にリアルへ落とし込み、事実になる瞬間を創作する作品が魅力の劇団です。

劇団papercraftの代表を務めるのが、弱冠23歳の若手注目の演出家・脚本家の海路(みろ)さん。
18歳から、脚本を書き始め、19歳でSHORT MOVIE CONTEST脚本部門にて最終選考。20歳で劇団papercraftを立ち上げると、その4ヶ月後にオンライン公演として上演した『今日のどこかで』が、Webドラマ化され、その脚本・演出を担当。

浅草九劇で上演した、無意識でものを捨て続けてしまう「ぽいほい病」という難病に侵されたある男の物語、papercraft第5回公演『殻』が高い評価を得て注目を集めました。また最近ではショートムービー『髪泥棒』を発表、映像作品では初めて監督・脚本を担当するなど精力的に活動しています。

独特な世界観でもリアルに見せる現代口語不条理劇

劇団papercraftはこれまで、「ものを捨て続けてしまう病」や「桃から生まれた人間は強制的に戦地へ送られてしまう国」、「存在意義を失うと人間はムシになってしまう世界」など、独特な世界観の中で、フィクションをリアルなものとしてみせる現代口語不条理劇を多く発表してきました。

新作公演『人二人』は、「私一人の概念が、ある日突然二人になった女性」の物語。主人公である「私」は、ある朝を境に「もう一人の私」が現れ、2人で1人の人間として世の中から認識されてしまいます。

作・演出を務める海路さんは以下のようにコメントしています。
「人間、いくつになっても分からない、というものはそれぞれ絶対に存在していて、それは幽霊やUFOなどの皆共通で分からないものもあれば、計算問題やクイズなど人それぞれ能力的なところで分かるか分からないか、なものもあるかと思います。ただそんな風に分別できない、正確にはしようとしないだけの、もの、を見つけて頂けたら幸いです」

本作の主演を務めるのは、ドラマ『First Love 初恋』や『だが情熱はある』など話題作に出演している清田みくりさん。

iaku『あつい胸さわぎ』での演技が評価され第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞、第57回紀伊國屋演劇大賞個人賞を受賞した枝元萌さん。

劇団papercraftに3度目の出演となる劇団4ドル50セントの堀口紗奈さん。昨年話題となった劇団た組『ドードーが落下する』に出演の秋乃ゆにさん。

猫のホテルの村上航さん、舞台に限らず映像でも活躍する朝田淳弥さん、関口アナンさん、平井亜門さん、伊藤慶徳さんらが出演します。

劇団papercraft第9回公演『人二人』は6月8日(木)〜11日(日)に神奈川県・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて上演です。公式HPはこちら

ミワ

公演を打つたびに話題となる劇団のpapercraft。加藤拓也さんの劇作・演出に影響を受けているという海路さんですが、すでに劇団た組に追随する存在になっているのではないでしょうか。