ロアルド・ダールの小説や映画でも知られる『チャーリーとチョコレート工場』がミュージカルに。待望の日本初演で演出を手がけるのは、ウォーリー木下さん。不思議なチョコレート工場のショコラティエ、ウィリー・ウォンカに堂本光一さんを迎え、10月9日、帝国劇場にて幕を開けます。初日を前に開幕記念会見とゲネプロが実施されました。
世界で一番良い出来に?!日本初演『チャーリーとチョコレート工場』開幕
ロアルド・ダールの小説を元に、2013年に脚本デイヴィッド・グレイグ、音楽マーク・シェイマンによってイギリス・ウエストエンドで誕生したミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』。日本版翻訳・演出をウォーリー木下さんが手がけ、ウィリー・ウォンカを堂本光一さんが演じます。
堂本さんは「製作発表で、“おもちゃ箱をひっくり返してぐちゃぐちゃにしてぶっ壊す”と言った通りになっております!『チャーリーとチョコレート工場』は世界中で上演されている作品ですけれど、一番良い出来なのではないでしょうか」と笑顔で語り、キャストからも同意の歓声と拍手が。
チャーリーの母・バケット夫人を演じる観月ありささんも、「舞台装置もすごいですし、歌もとても良いですし、衣装もとても可愛いメルヘンな世界になっているので、ぜひ楽しんでください」と語ります。
ボーレガード氏を演じる芋洗坂係長さんが「私、満を辞してこの体型を作ってまいりました!」と告白すると、堂本さんが「リアル?!本当に?入れているのかと思った!」とびっくり。芋洗坂係長さんは「“自腹”です!この衣装に似合う体になるように時間をかけて作りました!」とバッチリ役作りをされていることを明かしました。
ジョーじいちゃんを演じる小堺一機さんは、「映画や小説でご存知の方もどこか1回は“うわぁ!”と思わず声が出てしまうような素晴らしい場面がたくさんございますので、ぜひ楽しみにしていただければ」とコメントしました。
チャーリー・バケットを演じる小野桜介さんは、「8月の暑い頃からこの日までずっと頑張ってきたので、今年1番の作品になるように頑張ります」と意気込みを落ち着いて語り、思わず記者陣も拍手。
同じくチャーリーを演じるチョウ シさんは「明日もう初日で、結構緊張しているんですけれども、すごい楽しくて綺麗な舞台になっているので、僕も頑張りたいし、皆さんにも楽しんでいただきたいと思います」とコメント。
涌澤昊生さんは「(製作発表でファンだと公言していた)オリックスが優勝したということで、日本シリーズに向けて頑張っていくオリックスと一緒に、僕もチャーリー頑張るので、応援してください!」と個性を見せ、3人それぞれのチャーリーの魅力を感じさせました。
チョコレートの香りが漂う、カラフルな楽園の世界へ!
世界中で愛されるウィリー・ウォンカのチョコレート。その製作工程は長らく謎に包まれていました。ある日ウィリー・ウォンカは、世界中で売られているチョコレートの中に5枚だけゴールデンチケットを入れ、引き当てた子どもたちを工場に招待すると宣言します。
ウォンカのチョコレートに魅了され、また世界で5人だけという栄光に惹かれ、チケットを手に入れた子どもとその家族たち。食いしん坊なオーガスタスや我儘言い放題の社長令嬢ベルーカ、1番になるのが好きでガムを噛んでばかりいるバイオレット、ネットの世界に依存するマイク。
4人の子どもたちは豊かな暮らしを手に入れているように見えます。一方で、チャーリーの家族はとても貧しく、チョコレート1つ買うのも贅沢なほど。しかしチャーリーにはチョコレートへの愛情と好奇心、そしてジョーじいちゃんから受け継いだ素晴らしい想像力を持っていました。
個性豊かな親子たちの衣装は、ニューヨークを拠点に活躍する小西翔さんが担当。例えばドイツの肉屋のグレープ親子はベーコンやプレッツェル、目玉焼きが付いており、手にはウィンナーが。各親子の音楽やセリフに出身国への皮肉も織り混ざっているのも、本作のユニークな点の1つです。
ウォンカはゴールデンチケットを当てた5人の子どもと家族に工場を案内していきます。そこは文字通り、チョコレートの「香り」が漂う楽園の世界。増田セバスチャンさんが「アートディレクション」を務め、ポップでカワイイ独特の世界観を創り上げています。
もちろん、チョコレート工場で働くウンパ・ルンパも登場!映画のイメージよりも可愛らしく、ピンクの髪をした小さな生き物たちとなっています。ウンパ・ルンパとウォンカが賑やかに歌い踊るシーンは圧巻です!
美しく楽しい部屋を次々に紹介していくウォンカですが、言うことを聞かない子どもたちには残酷とも言える仕打ちが待っています。子どもが酷い目に遭っても笑顔を崩さず、罪悪感のない様子のウォンカの奇妙さを、堂本光一さんが好演。見る者を惹きつけるダンスシーンを華やかにこなし、2幕は出ずっぱりながら飄々と佇むその姿は、まさにウォンカのような異次元さを感じます。
ウォンカとチャーリーの心の中にある、「イマジネーション」の世界。それはお金や名声を得るためのものではありません。想像力を持っているということは、「自由」であることなのです。2人の姿は、日々の暮らしに追われ、想像力を失いかけてしまう私たちにそのことを思い出させてくれるでしょう。
ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』は10月9日(月・祝)から31日(火)まで東京・帝国劇場、2024年1月4日(木)から15日(月)まで福岡・博多座、1月27日(土)から2月4日(日)まで大阪・フェステイバルホールにて上演されます。チケットの詳細は公式HPをご確認ください。
堂本光一さんがおっしゃっているように、「おもちゃ箱」のような仕掛けが次々に飛び出る本作。想像力を刺激されながらも考えさせられるテーマも多く含んでおり、ぜひ親子で観劇していただきたい作品となっています!