「演劇の国」イギリスで上演された作品を映画館で観ることができるナショナル・シアター・ライブ(NTLive)。日本でも演劇ファンに愛され続けるNTLiveは10周年を迎え、現在上映が可能な作品を一挙上映する10周年記念アンコール上映が12/29(金)からTOHOシネマズ 日本橋、大阪ステーションシティシネマ、福岡・中洲大洋映画劇場にて開催されます。今回はその中から注目の5作品をご紹介します。
即完チケットも!NTLiveアンコール上映スケジュール
NTLiveはイギリスのナショナル・シアターが厳選した、今見るべき話題の舞台をこだわりのカメラワークで撮影し、世界各国の映画館で上映する企画。イギリスの演劇界最高峰のローレンス・オリヴィエ賞受賞作やウエストエンドで高評価を得てブロードウェイでの上演が決まりトニー賞も受賞した作品などを日本の映画館で観られる貴重な機会です。
12/29(金)から1/11(木)まで開催されるアンコール上映では、現在上映が可能な作品を一挙上映。ベネディクト・カンバーバッチが主演し、“ベネレット”という愛称まで誕生した『ハムレット』は発売日数時間で即完売。反響を受けて急遽、2回の追加上映が決定しました。また、NTLive Japan10周年を記念して、静岡と宮崎の劇場などでもNTLive作品の上映が行われます。
TOHOシネマズ 日本橋
12/29(金) 『ハムレット』 『るつぼ』
12/30(土) 『スカイライト』 『リア王』
12/31(日) 『オセロー』 『ベスト・オブ・エネミーズ』
1/1(月) 『るつぼ』
1/2(火) 『ロミオとジュリエット』 『ライフ・オブ・パイ』 『ハムレット』
1/3(水) 『フリーバッグ』 『善き人』 『ハムレット』
1/4(木) 『イェルマ』 『スカイライト』
1/5(金) 『オセロー』 『ロミオとジュリエット』
1/6(土) 『フランケンシュタイン』ベネディクト・カンバーバッチ怪物版&ジョニー・リー・ミラー怪物版
1/7(日) 『フランケンシュタイン』ベネディクト・カンバーバッチ怪物版&ジョニー・リー・ミラー怪物版
1/8(月) 『ベスト・オブ・エネミーズ』 『イェルマ』
1/9(火) 『善き人』 『ハムレット』
1/10(水) 『ライフ・オブ・パイ』 『フリーバッグ』
1/11(木) 『ブック・オブ・ダスト』 『リア王』
大阪ステーションシティシネマ/福岡・中洲大洋映画劇場
12/29(金) 『ライフ・オブ・パイ』
12/30(土) 『フランケンシュタイン』 ベネディクト・カンバーバッチ怪物版
12/31(日) 『スカイライト』
1/1(月) 『るつぼ』
1/2(火) 『ハムレット』
1/3(水) 『オセロー』
1/4(木) 『リア王』
1/5(金) 『ロミオとジュリエット』
1/6(土) 『善き人』
1/7(日) 『フランケンシュタイン』ジョニー・リー・ミラー怪物版
1/8(月) 『ベスト・オブ・エネミーズ』
1/9(火) 『フリーバッグ』
1/10(水) 『イェルマ』
1/11(木) 『ブック・オブ・ダスト』
宮崎キネマ館
1/19(金)〜1/25(木) 『ライフ・オブ・パイ』
静岡 シネ・ギャラリー
1/16(金)〜2/8(木) 『フランケンシュタイン』 『善き人』 『ベスト・オブ・エネミーズ』 『ライフ・オブ・パイ』 『オセロー』(日替わり上映・上映日時は後日発表)
ベネディクト・カンバーバッチが念願の出演!『ハムレット』
『SHERLOCK/シャーロック』『ドクター・ストレンジ』でお馴染みのベネディクト・カンバーバッチが、以前から挑戦したいと公言していた『ハムレット』が実現。現地では10万枚のオンラインチケットが即日完売しました。彼特有の個性オリヴィエ賞最優秀演出賞ノミネート歴をもつ精鋭の女性演出家リンゼイ・ターナーによる、舞台の奥行を活かしたダイナミックな演出にも注目です。
恐怖・復讐・告発の連鎖が魔女狩りへ。緊迫感溢れる『るつぼ』
アーサー・ミラーの傑作『るつぼ』を、『ザ・クラウン』のエリン・ドハティと『イェルマ』のブレンダン・カウエルの主演で上演。演出は『ハムレット』(ベネディクト・カンバーバッチ主演)のリンゼイ・ターナー、デザインは『リーマン・トリロジー』でトニー賞を受賞したエス・デブリン。映画館にいても恐怖の波に飲まれてしまいそうな緊迫感溢れる演出が魅力です。
1962年にセライムで起きた魔女狩りを描き、当時のマッカーシズム(赤狩り)に警鐘を鳴らした本作は、恐怖、復讐、告発の風潮が地域社会に蔓延し始める様子が生々しく描きます。“見ざる聞かざる言わざる“の精神の中で生きる人々の中で起きた悲劇は、SNSや週刊誌での「告発」が蔓延した今、観るべき作品ではないでしょうか。
社会現象を巻き起こした『フリーバッグ』
モルモットカフェを友人と営むアラサー女性が、友人のこと、家族のこと、仕事のことを、時折観客に向かって語りかけながら笑いと毒舌で赤裸々に表現していく物語。
アマゾンのドラマ「フリーバッグ」の元になった舞台で、ドラマは2019年テレビ批評家協会賞でプログラム・オブ・ザ・イヤーを含む3部門を受賞。同年エミー賞では11部門にノミネートされました。イギリスでは主演の衣裳や小物の検索率が34〜38%増加、その人気は“フリーバッグ・エフェクト”と呼ばれました。
イギリス演劇界最高峰のオリヴィエ賞主演男優賞をW受賞!『フランケンシュタイン』
主演のベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーがイギリス演劇界最高峰のオリヴィエ賞主演男優賞をW受賞した、NTLive史上最も人気の1作品。演出を手掛けたのは、映画『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞を受賞したダニー・ボイル。主演二人が入れ替わり、怪物と博士を演じる2つのバージョンがあります。
善良で知的な教授がナチスによって想像を絶する結果に。『善き人』
ナチスがヨーロッパを席巻する第二次世界大戦中、ドイツで慎ましく大学教授として働いていたハルダー博士が、社会の流れに沿う形でナチスに加わったことから人生が自分の意志とは関係なく予期せぬ方向へ進んでいく物語。大きな社会の流れに抗うことができない人間の弱さをまざまざと描きます。
主演はTVシリーズ『ドクター・フー』などで知られる人気俳優デヴィッド・テナント。演出は2017年のミュージカル『フォリーズ』でローレンス・オリヴィエ賞最優秀リバイバル賞を受賞したドミニク・クック。世界で戦争が再び起こる今、胸に鋭く迫る作品です。