今年で75回目となるトニー賞。今回はイギリスで大ヒットし、世界中で上演中の『SIX:The Musical』とヒュー・ジャックマン主演で話題の『The Music Man』について特集します。

女性の、女性による、ガールズパワーの溢れたミュージカル『SIX:The Musical』

イギリスで大ヒットし、世界中で上演中の『SIX:The Musical』は、ヘンリー8世の妃たち6人が現代のガポップグループとして蘇ったというストーリー。(観劇レポートはこちら。)
今年のトニー賞では、ミュージカル作品賞を始め、ミュージカル演出賞・オリジナル楽曲賞・振付賞・オーケストラ編曲賞・衣装デザイン賞・照明デザイン賞・音響デザイン賞の8部門でノミネートしています。

500年に渡る彼女たちの傷心の歴史を、現代のガールズパワーみなぎる祭典へとリミックス!イギリスの子供たちは、ヘンリー王の6人の元妃たちの壮絶な運命を、「離婚、斬首、死亡、離婚、斬首、生き延びた」と覚えるんだそう。
そんな過酷な人生を送った彼女たちは、「誰がヘンリー王に一番酷い目に合わされたか」でトップの座を決めることに。自分の人生がいかに悲惨だったかをアピールするため、それぞれの人生を歌で語っていきます。
最後には「ヘンリー8世の妃」としてではなく、「一人の人間」として自らを認めるべきではないかと、6人は競い合うことを止め、友達として一緒に歌い、ヘンリー8世の呪縛から解放されます。

現代の女性たちの生き様を表すような内容。そして、出演者・バンド・共同演出の一人・舞台装置・振り付け・衣装に全員女性を起用しています。作品コンセプトと合っており、また、女性ならではの視点が生かされ、本作の魅力の一つになっているのではないでしょうか。

名作コメディミュージカル『The Music Man』63年ぶりにブロードウェイの舞台でリバイバル公演。主演にヒュー・ジャックマン

コメディミュージカル『The Music Man』は、1957年にブロードウェイで初演、その5年後に映画化され大ヒットしました。ブロードウェイでの上演としては実に63年ぶり!そして、主演を務めるのは、2014年上演の「The River(原題)」ぶりにブロードウェイの舞台に帰ってきたヒュー・ジャックマン。(『The Music Man』についての過去記事はこちら。)

『The Music Man』の舞台はアイオワ州の田舎町リヴァーシティ。音楽教授を名乗るハロルド・ヒルという男性がやってきます。しかし、彼は楽譜も読めない「ミュージックマン」と呼ばれる詐欺師なのでした。田舎に出向き、音楽を教えると言って街にブラスバンドを作り、楽器や衣装を売り捌いて、お金を盗むと姿を消すという悪徳商法を繰り返していました。街の中で、図書館に勤めているマリアンだけは彼を疑っています。ハロルドはそんなマリアンに心惹かれていき、2人の恋の行方は…

本作は、ミュージカル・リバイバル作品賞・主演男優賞・主演女優賞・助演女優賞・衣装デザイン賞・振付賞の6部門でノミネートされています。満を持してのリバイバルにあたり、制作スタッフがとても豪華。衣装・舞台デザインを担当するサント・ロカストは、1973年から現在まで、ミュージカル、ストレートプレイともに舞台装置と衣装デザインでトニー賞に連続してノミネートされ、受賞し続けているデザイナーです。そして、演出のジェリー・ザクスは、アメリカでテレビ番組・舞台ともに活躍している演出家。「ラ・カージュ・オ・フォール」などの演出で知られており、『ハロードリー!』でトニー賞ミュージカル演出賞を受賞しています。

ヒュー・ジャックマンは、2004年に『ザ・ボーイ・フロム・オズ』でミュージカル主演男優賞を、2012年にはブロードウェイで行ったワンマンショー”Hugh Jackman: Back on Broadway”のパフォーマンスや、ブロードウェイチャリティ寄付、人道支援活動等の功績によって特別賞を受賞しています。今年はミュージカル主演男優賞にノミネートされており、受賞すると3度目のトニー賞になります。

トニー賞の授賞式の様子は6月13日(月)午前8時からWOWWOWにて生中継されます。WOWWOWスタジオにはナビゲーターとして、井上芳雄さんと宮沢エマさん。「ブロードウェイの今のトレンドや何を大切にしているかを大事に届けたい」という井上さん。宮沢さんも、「ブロードウェイにまだ行ったことがない人にも興味を持っていただければ」とコメントしました。詳しくはこちら

ミワ

今年も注目のトニー賞。日本での上演が心待ちになる作品がたくさん。早く日本に上陸してほしいです!