『ハイスクール・ミュージカル』や『ディセンダント』など、ディズニーオリジナルのミュージカル映画からは、これまでにも数多くのヒット作が生まれました。そして今回新しくリリースされたのが、ディズニープラスにて2022年5月13日より配信がスタートしたミュージカル・ムービー『スニーカーシンデレラ』です。

ディズニーアニメーション映画の『シンデレラ』をモチーフとし、スニーカーデザイナーを夢見る少年が幸せをつかむサクセスストーリーを、ノリの良い歌とダンスで綴っています。

シンデレラも継母も魔法使いも、みんな男性!

主人公は、ニューヨーク・クイーンズ地区に住む17歳の少年・エル。亡き母が遺した靴屋で雑用係として働き、義父や義兄にこき使われながらも、いつかスニーカーデザイナーになることを夢見ています。

店番をこっそり抜け出して親友と新しいスニーカーを買いに行ったエルは、キラという女の子に出会い、親密な仲に。しかしキラは、実は”スニーカー界の王”の異名を持つ元バスケットボール選手のダリウス・キングの娘だったのです!エルはスニーカー界のプリンセスであるキラに恋をし、彼女と再会するためにオリジナルのスニーカーを作ってキング主催のパーティーに潜入しようとしますが…。

お察しの通り、ストーリーのベースは誰もがよく知るシンデレラの物語です。珍しいのが、シンデレラ役をはじめとした物語の中心人物が全員男性であること。母親を亡くしたエルの唯一の家族は義理の父と二人の義兄で、彼らはエルの夢を心から理解できません。エルの良き理解者は、亡き母を知る庭師のグスタポ。彼はときどき不思議な力を使って、エルの願いを叶えるために手助けをしてくれます。

シンデレラの物語をモチーフにした映画はたくさんありますが、主要人物をすべて男性に改変した当作は斬新さを感じさせるのではないでしょうか。

軽快なストリート系ミュージカル

『スニーカーシンデレラ』の幸せのカギは、ガラスの靴ではなくてスニーカー。スニーカーはニューヨークのストリートカルチャーを象徴するものであり、当作のミュージカルシーンにはそれを感じさせる軽快なヒップホップミュージックが使われています。

エルが自分でデザインを描き加えたスニーカーで街を歩く冒頭のシーンでは、エルの歌に誘われるように町の人たちがどんどん加わって大きなミュージカルナンバーに発展。高揚したエルはビルの屋上から空中に飛び出し、スニーカーで華麗なステップを披露します。

ラストスパートのシーンでは、エルとキラの父であるキングがラップバトルでそれぞれの思いをリリックにぶつけるという現代らしいミュージカルシーンも登場。ミュージカルナンバーの軽快さが心地よく、音楽が夢に向かって踏み出そうとするエルを支える役割を担っています。

映画『シンデレラ』へのオマージュも必見

世界で一番有名なシンデレラの物語といえば、やはりディズニーアニメーション映画の『シンデレラ』ですよね。『スニーカーシンデレラ』はストーリーが『シンデレラ』のパロディになっているだけではなく、ディズニー版『シンデレラ』へのオマージュが随所に見られます。

たとえば、エルが朝のクイーンズの街を歩いていると、シャボン玉が流れてきてエルの顔が泡の中に映し出されるシーン。こちらはアニメ版のシンデレラが掃除をしながらシャボン玉に自身の姿を映すシーンを彷彿とさせます。

また、”ディズニー版のシンデレラが実在する世界”として描かれているのも、面白いポイント。パーティーでスニーカーの片方を落として消えたエルを見つけるため、キラはSNSを駆使してエルを探すのですが、その際に参考にしていたのがアニメ版の『シンデレラ』でした。

パーティーで再会したエルとキラがダンスするシーンで2人が歌うのは、映画『シンデレラ』の名曲である「夢はひそかに」。『シンデレラ』へのリスペクトが感じられるオマージュの数々は、ディズニー好きなら見つけるたびに嬉しくなること間違いなしです。ディズニープラス公式サイトはこちら

さきこ

シンデレラストーリーを描きつつ、お姫さまをスニーカー好き男子に、王子さまをスニーカー界のセレブ女子に逆転させた『スニーカーシンデレラ』。真新しさがありつつ、夢を掴もうと試行錯誤するエルの姿には、従来の前向きで美しいシンデレラ像が重なります。ストリートカルチャーの魅力が詰まった現代的なミュージカルシーンも必見ですよ。