「応援している俳優さんが出演する」「友人に誘われて」などなど、舞台に行く理由はさまざま。せっかくの機会をめいっぱい楽しみたい一方、知らないストーリーについていけるか、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、初めて観る演劇やミュージカル公演をより楽しむために、おすすめの事前準備をご紹介します!観劇時の不安を解消し、さらに楽しい観劇ライフへのヒントとなれば幸いです。

①予習の定番!まずは「原作に触れてみる」

ストーリーの流れや世界観を理解しておきたい!という方は、まずは原作を予習してみてはいかがでしょうか?言うまでもなく、映画や演劇を楽しむ多くの方が実践されている、王道の予習法です。小説、映画やドラマから、最近では漫画やアニメ、ゲームを原作とした演劇・ミュージカルも増えてきていますね。

原作に触れておくと、あらすじや登場人物の性格などが分かって安心。また、原作との違いや舞台版でのこだわりなどに気づくことができ、制作秘話など、舞台づくりのプロセスへと興味を広げるきっかけになるかもしれません。

②歴史的知識を身につけ、舞台の時代背景を理解する

歴史上の人物や出来事をテーマにした作品であれば、事前に史実を調べ、知識をつけることで作品理解が深まりますよ。

たとえば、19世紀フランス革命の時代を生きる民衆を描いた『レ・ミゼラブル』では、約20年間の出来事が荒波に揉まれるように目まぐるしく展開。革命までの経緯や事件を知っていれば、舞台上に描かれる以上のスケールにまで想像を膨らませ、物語をさらに楽しむことができます。

③書き下ろし作品は…「脚本家や演出家、劇団の特色を知り、過去の上演作品を調べる」

書き下ろし新作など、原作がない公演もありますよね。そんな時は脚本家や演出家、主催劇団に注目して情報収集してみましょう。これはたとえるなら、ジブリ映画の最新作公開に向けて過去作を観たり、宮崎駿監督と高畑勲監督それぞれの作品系譜について調べたり、というような予習方法。脚本家の笑いのツボや、その演出家らしい個性や特徴を知っていれば、観劇体験を事前にイメージしやすくなります。また、鑑賞中に「その人らしい台詞や展開」を見出すカギにもなりますね。

劇団情報はホームページをチェック。劇団の成り立ちや受賞歴が掲載されています。一例として、大人気劇団の劇団☆新感線ホームページを見てみると、ギャグ性の高い脚本とロックの生演奏が特徴ながら、歌舞伎シリーズの上演実績もあり、刺激的な舞台が楽しめそうなことが分かります。時間があれば、配信サービスなどで映像化された過去の上演作品を観るのもオススメです。WOWOWやAmazon Primeで視聴することができますよ。

④気分を上げるなら「演劇・ミュージカル専門メディアで出演者インタビューをチェック!」

演劇・ミュージカル専門メディアが日々発信している、公演にまつわるプチ情報を入手してみましょう!こちらの演劇メディア「Audience」に辿り着いたということは、皆さまはすでに実践中。WEBメディア「ぴあエンタメ情報」、雑誌「えんぶ」「シアターガイド」等では、注目公演の出演者インタビューや公演レポート、チケット発売情報などが満載。劇場では聞けない俳優さんの意気込みや観劇レポートを読めば、舞台鑑賞に向けたワクワク感を一層高めることができます。

ただし、舞台の魅力を存分に伝えてくれる専門メディアにはひとつだけ注意点が。それは、あまりにも贅沢で読み応えある記事に誘われ、観たい公演の数とお財布事情との折り合いがつかなくなることです・・・(笑)。

⑤「予備知識ゼロ、まっさらな状態で観に行く」

ここまでの流れとは正反対に、最後の提案は、予備知識を入れずに劇場に向かうというもの。公演に対してフラットな状態で、自分がどんなことを感じるのか、どんな描写が印象に残るのか。舞台鑑賞を通して「今の自分」と「作品」との距離をはかり、自分のこころの動きを見つめるのもまた、舞台の楽しみ方です。

観劇後に原作や史実を調べて、「舞台ではこうだった」と振り返るも良し。気になった俳優さんの情報を集めるも良し。そして「つまらなくて寝ちゃった」も良し。観劇の楽しみ方は人それぞれ、正解はありません。

Sasha

目の前で役者が演じ、決して巻き戻すことができないる劇場での「生」の体験。観劇後、「その世界感に浸りたい!もっと知りたい!」と思わされるような素敵な作品と、読者の皆さまが出会えますように。