ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』や『グレイテスト・ショーマン』など、世界中で絶賛されたヒュー・ジャックマンさんがブロードウェイの舞台に帰ってくるということで話題になっています。その注目のミュージカル『ザ・ミュージック・マン』についてご紹介します。

楽譜の読めない音楽教授?!コメディ・ミュージカルの名作『ザ・ミュージック・マン』

アイオワ州にある田舎町リバーシティ。そこで楽譜も読めない音楽教授を名乗る詐欺師主人公“ミュージックマン”ことハロルド・ヒルは、演奏を教えるといいながら楽器や衣装を売りつけ、そのままお金を盗んで逃げるという悪質な商売を繰り返していました。街で図書館に勤めるピアノ教師マリアンに詐欺師として疑われますが、ハロルドは彼女に惹かれてしまいます。ハロルドとマリアンの恋の行方と詐欺師の運命は…。

『ザ・ミュージック・マン』のブロードウェイ初演は1957年。翌年1958年度トニー賞では、なんと『ウエスト・サイド・ストーリー』を差しおいて、作品賞を含む8部門にノミネート。ミュージカル作品賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、演出賞の5部門受賞し、その後、1375回のロングラン公演記録となりました。5年後の1962年に俳優ロバート・プレストンさん主演で映画化され、2003年にはテレビ映画として全米で公開されたコメディ・ミュージカルの名作です。また日本では、T.M.Revolutionの西川貴教さん主演で日本版『ザ★ミュージックマン』が2010年に上演されたこともあります。

努力の天才、ヒュー・ジャックマン

ハロルドを演じるヒュー・ジャックマンさん。ハリウッド映画で有名になる前は、舞台に出演しながらガソリンスタンドなどのアルバイトで生活されていたそう。小学校の体育教師の補助として働いていたこともあり、映画『ウルヴァリン:SAMURAI』を上映したチューリッヒ映画祭のレッドカーペットで男性記者が教え子であることに気付いたことでも話題になりました。

トニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞したのち、ミュージカル映画『レ・ミゼラブル』(2012年公開)で主人公ジャン・バルジャンを熱演。ゴールデングローブ賞主演男優賞ミュージカル・コメディ部門を受賞しました。2018年公開のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』では主人公バーナム役で、ゴールデングローブ賞映画部門主演男優賞にノミネート。ミュージカル作品への情熱は凄まじく、『グレイテスト・ショーマン』の製作中に皮膚がんを除去する鼻の大手術を受け、ドクターストップがかかっていたにも関わらず1曲歌い上げてしまったという逸話も。キアラ・セトルが歌った「This Is Me」で思わず涙するなど、『グレイテスト・ショーマン』の特典映像では彼のミュージカルへの愛情を存分に感じることができます。

『ザ・ミュージック・マン』出演は、ミュージカルファンだけでなくヒュー・ジャックマンさん本人も待望のブロードウェイへのカムバックだったのではないでしょうか。

Chizu

再三公演を見合わせていた状況でしたが、やっと開幕ですね。ブロードウェイ「Winter Garden Theatre」で12月20日からプレビュー公演がはじまり、2022年2月10日に初日を迎えます。『ザ・ミュージック・マン』公式Twitterで公開された舞台映像では観客の拍手喝采が鳴り止まない様子が垣間見られますよ。