首の長いプロポーションが特徴的な肖像画を描いたモディリアーニは、20世紀初頭のパリの画壇を駆け抜けた芸術家です。そんな彼にスポットライトを当てたミュージカル『モンパルナスの奇跡〜孤高の画家モディリアーニ〜』が、2024年6月より上演されます。
実在の画家の人生を描いたオリジナルミュージカル
『モンパルナスの奇跡〜孤高の画家モディリアーニ〜』は、20世紀初頭に活躍した実在のイタリアの画家、アメデオ・モディリアーニを主人公にしたミュージカル。
舞台となるパリのモンパルナスは外国人芸術家たちの拠点であり、モディリアーニも夢を抱いてこの街にやってきた1人です。しかしその孤高な画風はなかなか評価されず、彼はカフェで客のスケッチを売って酒代を稼ぎ生活していました。
モディリアーニの絵を高く評価したのが、ポーランド出身の詩人ズボロフスキーです。彼はモディリアーニを画家として成功させるために画商に転身しますが、その道に警察沙汰や戦争の影などの困難が待ち受けており、前途多難。
そしてモディリアーニは運命の女性ジャンヌと出会い、若く美しい彼女との恋にのめり込んでいきます。
脚本・作詞・演出を手掛けるのは、舞台演出家であり劇作家のG2さん。本作は、『スワンキング』や『ゴヤ -GOYA-』など話題のオリジナルミュージカルを数多く生み出すG2さんが長年の間構想を温めていたものだそうです。
音楽は、ミュージカル『SPY×FAMILY』や音楽劇『ブンとフン』といったオリジナル舞台作品をG2さんと二人三脚で作り上げてきた作曲家のかみむら周平さん。オリジナル楽曲は生演奏で、ピアノに榊原大さん、ヴァイオリンに川口静華さん、チェロに奥泉貴圭さん、山崎太陽さんと、各種コンサートで活躍する豪華な顔ぶれの演奏家が集います。
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美男芸術家・モディリアーニの作品と人生
アメデオ・モディリアーニは、1920年代のパリで活躍していた芸術家集団、エコール・ド・パリの1人です。イタリア人のモディリアーニの他、スペイン人のピカソ、ポーランド人のキスリング、日本人の藤田嗣治など、当時は多くの外国人芸術家がモンパルナスを拠点に活躍していました。
代表作「おさげ髪の少女」に見られるように、顔と首を長く引き伸ばし、アーモンド型の目で描かれた人物像がモディリアーニの作品の特徴。彼は元々彫刻家を目指しており、アフリカの彫刻や美術にインスピレーションを受けたことからその独特な画風が生まれたそうです。
ルックスの良さから、モディリアーニは「稀代の美男芸術家」と呼ばれています。彼の内縁の妻である14歳年下のジャンヌ・ エビュテルヌも、美しく魅力的な女性でした。
絵のモデルを務め、画家でもあったジャンヌ。2人は互いの肖像画を描き合う仲睦まじいカップルだったそうで、モディリアーニの絵はジャンヌと出会ってから色彩が豊かになりました。
やがて長女が生まれて幸せな日々を過ごしますが、モディリアーニは幼い頃から患っていた結核が悪化し、35歳という若さでこの世を去ります。
実力派俳優が描く激動のモンパルナス
アメデオ・モディリアーニは、現在ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』に出演中の浦井健治さんが演じます。
モディリアーニは美しく気品があることから「モンパルナスの貴公子」と称されたそうですが、繊細な演技と甘いルックスに定評のある浦井さんは、いわばミュージカル界の貴公子。意外にも、浦井さんがG2さんとタッグを組むのは今回が初めてです。
モディリアーニの才能に惚れ込み、彼と共に激動の時代を生きた詩人レオポルド・ズボロフスキー役の稲葉友さんは、本作がミュージカル初挑戦となります。
モディリアーニと恋に落ちるジャンヌ・エビュテルヌ役は、『王家の紋章』と『キングアーサー』にて浦井さんと共演経験のある宮澤佐江さんです。
ズボロフスキーの妻役は福田えりさん、デカーヴェ警部役は俵和也さん、画商のポール・ギョーム役は大津祐哉さん、カフェの主人ヴィクトル・リビオン役は鎌田誠樹さん、そしてモディリアーニの晩年の作品でモデルを務めたルニア・チェホフスカ役は秋本奈緒美さんと、脇を固めるキャストも実力派揃い。
芸術に溢れたモンパルナスの街で繰り広げられるモディリアーニの激動の物語を、ぜひ劇場で体感してはいかがでしょうか?
『モンパルナスの奇跡〜孤高の画家モディリアーニ〜』は、2024年6月15日(土)から6月23日(日)まで東京・よみうり大手町ホールにて上演です。チケットの一般発売は、4月14日(日)から。詳細は作品の公式HPをご覧下さい。
モディリアーニの生涯は度々映画化されているのですが、モディリアーニ役をイケメン俳優が演じたものの、生前の彼を知る人からは「本物の方がかっこいい!」と言われたこともあるのだそう!浦井さんがイケメンなのは言わずもがなですが、気になる方はぜひモディリアーニ本人の写真も検索してみて下さい。