2025年3月27日(火)から3月30日(日)までの4日間、きださおりさん×ホリプロステージによるイマーシブ演劇『RE:PLAY AFTER SCHOOL』#放課後リプレイが上演されます。ホリプロがイマーシブ演劇を手がけるのは初めて。VIPチケットが完売するなど既に大きな注目を集めている作品です。会場は東京都千代田区にある千代田中学校・高等学校。多くの学生さんたちが日常生活を送る学校で、どのような演劇が行われるのでしょうか。

イマーシブ演劇とは?境界線のない“没入型”演劇スタイル

ホリプロのイマーシブ演劇『RE:PLAY AFTER SCHOOL』#放課後リプレイ特設サイトによれば、イマーシブ演劇とは、「観客とステージの境界線のない、没入型の演劇スタイル」です。

このような演劇スタイルは、日本ではまだあまり広まっていないものの、2018年にユニバーサルスタジオジャパンで「ホテル・アルバート」という没入型作品が上演されて以降、日本でも少しずつ上演されています。

イマーシブ演劇の大きな特徴は、観客の存在が作品そのものに大きな影響を与えること。

観客が会場に足を踏み入れた瞬間、そこは物語のなかになり、目の前で演劇が展開されたり、登場人物に話しかけられたりといったまさに「非日常」を体験できるのです。

つまり観客は、観客でありながら、物語の舞台や登場人物に直接かかわれます。

これまでの演劇鑑賞とはまた違った形で、世界を“体感”することになるかもしれません。

『RE:PLAY AFTER SCHOOL』はどんなお話?

『RE:PLAY AFTER SCHOOL』#放課後リプレイでは、観客が「オープンアフタースクール」に参加することになり、実際に学校を見学したり、登場人物とかかわることで物語が進んでいきます。

特筆すべきは“物語がさまざまな場所で同時に動き続けている”こと。

移動した登場人物を追いかけるのもよし、その場にとどまっても、自分の気になる場所へ向かっても大丈夫。観客はそこで展開されるそれぞれの物語を目撃できるのです。

従来の演劇では、観客は全員同じ物語を鑑賞することになります。ですが、このイマーシブ演劇では、観客によって鑑賞した物語が異なる場合があるかもしれません。

本作の総合脚本・総合演出をつとめるのは、クリエイターのきださおりさん。これまでにも世界初の宿泊型イマーシブシアター『泊まれる演劇』の脚本と演出や、東京ドームシティを会場にした『黄昏のまほろば遊園地』の監督を務めるなど、数々のエンターテイメントを生み出しています。

そんなきださんは、ホリプロ執行役員の篠田麻鼓さんとの対談のなかで、学校という独特の場所を会場に選んだことについて「学校でリアルに起きること、行われていること、むしろ学校でなければできないことをたくさん詰め込もうと思います」と語っていました。

観る派?参加する派?自分に合うコースの見つけ方

本作は以下の4つの参加コースに分かれています。

・美術部
・生徒会
・ロック部
・クイズ部

それぞれのコースには異なる体験の特色があり、ご自身の体験したいコースを選んで参加するとよいでしょう。また、それぞれに違った人間ドラマが没発するため、複数回参加しても楽しいかもしれません。

参加するコースを決める目安として、物語にどんな形で参加したいかも参考にしてみてください。

たとえば「美術部」コースであれば、進路に悩む高校生が自分たちの未来について考える様子を目撃できます。こちらは観客が積極的に物語に参加するよりも、登場人物たちの物語に巻き込まれていくスタイルです。胸キュン要素のある「生徒会」コースも、同じようにご自身が物語のなかに巻き込まれていくのを楽しめます。

一方、積極的に物語を動かしたり、登場人物と話をしたりすることが好きな方は「ロック部」コース、「クイズ部」コースに参加するのが向いているかもしれません。

「ロック部」コースでは、作中で行われるオープンアフタースクールでロックを披露する登場人物が、「クイズ部」コースでは高校生クイズ選手権での優勝を目指す部員たちに会えます。

イマーシブ演劇『RE:PLAY AFTER SCHOOL』#放課後リプレイは3月27日(木)から3月30日(日)まで千代田中学校・高等学校(令和7年4月より当名称に学校名を変更予定)にて上演。上演時間は120分(予定)です。公式HPはこちら

糸崎 舞

イマーシブ演劇では、作品の世界や登場人物との境界線がぐっと近づきます。これまでの演劇鑑賞とはまた違った形で、思いがけない体験ができる新しい取り組みと言えるでしょう。演劇の新たな魅力を感じられる、わくわくする作品ですね。