新年度が始まって、新しい環境や仕事、学業を頑張っている方も多いのではないでしょうか。その反面、慣れない生活リズムや状況に心身が戸惑い、疲れを感じていることもありそうですね。一息つけるゴールデンウィークのお供に、心が元気になるミュージカルドラマやミュージカル映画はいかがでしょうか。名曲や美しい映像、そして心温まるストーリーで、エネルギーをチャージしてもらえるかもしれません。本記事では、ゴールデンウィークにイッキ見したいミュージカルドラマ、ミュージカル映画を紹介し、それぞれの魅力を詳しく解説します。

音楽の力で青春を謳歌する『glee』(2009-2015)

ミュージカルドラマの最高峰として、真っ先に名前を挙げたいのが『glee』シリーズ。アメリカ・オハイオ州にあるハイスクール、マッキンリー高校を舞台に、地味で冴えないグリークラブのメンバーたちが、歌とダンスを通して成長していく青春物語です。

実に全6シーズンにわたる長編ドラマですが、個性的なグリークラブのメンバーや、ポップスからミュージカル曲まで幅広く披露される音楽を楽しんでいると、あっという間に全シリーズを観終わってしまうかもしれません。

特筆すべき点は、劇中で披露される名曲のアレンジです。

往年のミュージカルの名曲とポップス曲をリミックスするなど、若い世代にもミュージカル楽曲を楽しめる工夫がなされています。

また、登場人物たちの成長も見どころのひとつと言えるでしょう。作中には、未成年の妊娠、同性愛、ジェンダーバイアス、いじめ、障がいの有無や人種差別など、さまざまな問題に直面し、苦しむキャラクターが登場します。

彼らが「仲間と歌うこと」を通じて、次第に自分らしさを手に入れていく姿は感動的で、胸が熱くなります。

さらに、『WICKED』『アナと雪の女王』で知られるイディナ・メンゼルや『セックス・アンド・ザ・シティ』のキャリー役を務めたサラ・ジェシカ・パーカーなど、エピソードによって非常に豪華なゲストキャラクターが登場するのも、ワクワクする要素のひとつです。

『glee』は「Disney+(ディズニープラス)」などで配信されています。「Disney+」での視聴はこちら

ABBAの名曲が彩る愛の物語『マンマ・ミーア!』(2008年)

映画『マンマ・ミーア!』は、ギリシャ・エーゲ海のリゾート地を舞台に、小さなホテルを経営する女性・ドナと、彼女のひとり娘・ソフィを主人公とした心温まるミュージカルです。

挙式を目前に控えたソフィは、まだ見ぬ父と「ヴァージン・ロードを歩きたい」という思いから、ドナの日記に登場した3人の男性に結婚式の招待状を出しました。そして、ドナのかつての恋人であるサム、ビル、ハリーが一堂に会することとなるのですが……。

70年代から80年代初頭に活動した人気ポップバンド「ABBA」の名曲をふんだんに使ったこのミュージカルは、劇団四季の人気演目のひとつとしても知られています。

「ダンシング・クイーン」や、作品タイトルとなった「マンマ・ミーア!」など、一度は耳にしたことがある名曲がストーリーを彩ります。さらに、エーゲ海の美しいロケーションのなかで撮影された歌やダンスシーンは、見ているだけでエネルギーをチャージできること間違いありません。

映画でドナを演じているのは、映画『プラダを着た悪魔』(2006)などで知られる大女優のメリル・ストリープ。そしてソフィを演じるのは、のちに映画『レ・ミゼラブル』(2012)でコゼット役を好演したアマンダ・セイフライドです。

2018年には、続編『マンマ・ミーア!ヒア・ウィーゴー』が上映され、若き日のドナを『シンデレラ』(2015)で主演したリリー・ジェームズが演じました。

『マンマ・ミーア!』はAmazon PrimeやU-NEXTなどで配信されています。Amazon Primeでの視聴はこちら、U-NEXTでの視聴はこちら

吹き替え版キャストも豪華絢爛『美女と野獣』(2017)

1992年に日本で初公開された、ディズニーアニメの不朽の名作『美女と野獣』。2017年に『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役として知られるエマ・ワトソン主演の実写版は、公開当時大きな話題となりました。

ディズニーアニメの世界観を壊すことなく、新たな『美女と野獣』として生まれ変わった本作品は、「自分らしくいること」や「本当の美しさとは何か」について考えさせてくれます。

代表ナンバーである「美女と野獣」や「Belle」など、アラン・メンケンによる多くの名曲を楽しめます。さらに、ディズニープリンセスにふさわしい美しいドレスなどの衣裳や、野獣の住むお城の調度品の数々など、耳だけではなく目でも楽しめる作品です。

筆者が個人的におすすめしたいのが、ミュージカルファンにはたまらない豪華な吹き替えキャストのみなさんです。

ベル役の吹き替えキャストを昆夏美さん、ベルと次第に心を通わせていく野獣役は、山崎育三郎さんが務めました。さらに、ベルと野獣の恋を優しく見守るポット夫人役を岩崎宏美さんが、野獣の命を狙う青年ガストンを吉原光夫さんが務めています。

普段は字幕でミュージカル映画をご覧になる方も、本作は吹き替えキャスト版で観てみてはいかがでしょうか。

映画『美女と野獣』はAmazon PrimeやDisney+(ディズニープラス)で配信されています。Amazon Primeでの視聴はこちら、ディズニープラスでの視聴はこちら

家族みんなで楽しめる名作『サウンド・オブ・ミュージック』(1965)

映画『サウンド・オブ・ミュージック』が公開されたのは、今から約60年前のことです。しかし、その魅力は今でも色褪せることはなく、ミュージカル映画の金字塔として多くの人々に愛され続けています。

本作の作詞・作曲を手がけたのは、リチャード・ロジャーズとオスカー・ハマースタイン。ブロードウェイミュージカルの「伝説のコンビ」として知られています。彼らは本作のほかに『王様と私』や『回転木馬』、『オクラホマ!』など、その生涯に多くの名作ミュージカルを生み出しました。

『サウンド・オブ・ミュージック』は、1930年代のオーストリアを舞台に、トラップ家に家庭教師としてやってきた修道女・マリアと、厳格なトラップ大佐、そしてトラップ家の子どもたちとの温かい交流を描いた作品です。

主人公・マリアを演じるのは、ディズニーの傑作ミュージカル映画『メリー・ポピンズ』(1964)でアカデミー主演女優賞を獲得したジュリー・アンドリュースです。

作中には「ドレミの歌」「エーデルワイス」など、日本でも多くの人が子どもの頃から親しんできた曲がたくさん歌われています。懐かしい音楽に触れることで、新生活で疲れた心と身体を癒してもらえるかもしれません。

また、主人公マリアの、たとえ困難にぶつかっても諦めない心に、新しい環境で頑張るための勇気をもらえるでしょう。

世代を超えて楽しめる作品ですので、ゴールデンウィークに実家に帰省される社会人の方、お子さんがいらっしゃるご家庭など、家族みんなで『サウンド・オブ・ミュージック』を鑑賞するのもおすすめです。

『サウンド・オブ・ミュージック』は「Disney+(ディズニープラス)」などで配信されています。ディズニープラスでの視聴はこちら

心踊るアニメミュージカル映画『SING シング』(2017)

『ミニオンズ』『ペット』などの大ヒットアニメ作品を手がけるイルミネーション・スタジオで製作された、アニメーションミュージカル映画『SING シング』シリーズを紹介します。

動物だけが暮らす架空の世界が舞台となった本作は、劇場の支配人を務めるコアラのバスターが、取り壊しの危機から劇場を守るため、「世界最高」の歌のオーディションを開催するところから始まります。

しかし、オーディションに集まってきたのは、極度のあがり症であるゾウのミーナ、ギャングの息子であるゴリラのジョニー、子だくさんなブタの主婦ロジータ、そしてパンクなヤマアラシのアッシュなど、かなり個性的なメンバーばかりでした。

はたしてバスターは、無事に劇場を立て直せるのでしょうか?

作中で歌われるのは、レディー・ガガやテイラー・スウィフトの楽曲をはじめ、ビートルズの代表的ナンバー、そしてフランク・シナトラの往年の名曲まで、世代を超えたたくさんのヒットソングたちです。かわいらしい動物たちが美声で歌い上げるそれらの楽曲は、観ている私たちの心を元気づけてくれます。

また、登場人物たちはそれぞれに葛藤を抱えており、彼らが音楽を通じて「新しい自分」を手に入れていく様子には胸を打たれる方も多いでしょう。

そして、2022年には続編である『SING シング ネクストステージ』が公開されており、合わせて楽しめます。

『SING シング』はAmazon PrimeやU-NEXTなどで配信されています。Amazon Primeでの視聴はこちら、U-NEXTでの視聴はこちら

本記事では、長年愛されるクラシックミュージカルからアニメーション、実写化作品にポップスミュージカルなど、幅広いジャンルで作品を選出しました。

楽しい音楽や心温まるストーリーに触れ、しばし日常の大変さを忘れてみませんか。

新生活に奮闘するあなたが、名作の力で元気を取り戻し、また頑張れることを祈っています。

糸崎 舞

『glee』『SING』『サウンド・オブ・ミュージック』など、登場人物たちが「歌とダンス」の力で自分らしく輝くその姿には、観ているだけで元気をもらえます。ひとりでじっくり鑑賞するのも、家族や友人とわいわいしながら観るのもおすすめです!