韓国発のミュージカル『マタ・ハリ』が、2025年10月より東京・大阪・福岡で上演されます。マタ・ハリ役を務めるのは、柚希礼音さんと愛希れいかさん。初参加のキャストや新曲の追加など、さらなる進化を予感させる再々演に期待が高まります。

女スパイとして知られるマタ・ハリの運命を描く

ミュージカル『マタ・ハリ』は2016年に韓国で世界初演を迎え、美しい楽曲と豪華な装置が話題となって大ヒット。その後、2018年には石丸さち子さんの訳詞・翻訳・演出による日本版が初演され、2021年に再演されました。

本作で作曲を手掛けたのは、フランク・ワイルドホーン。これまでに『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』など、数々のミュージカル作品で名曲を生み出してきました。欧米はもちろん、日本や韓国などのアジア圏でも多くの人に親しまれています。

また、脚本をアイヴァン・メンチェル、歌詞をジャック・マーフィーが担当。実はこの3人、2025年11月に日本での再演が決定している『デスノート THE MUSICAL』でもタッグを組んでいます。

そもそもマタ・ハリは実在の人物であり、20世紀初頭のヨーロッパで人気のあったダンサーでした。オランダ生まれながらインドネシアのジャワに暮らしていた時期もあり、エキゾチックな踊りで観客を魅了したといいます。しかし、1914年から始まった第一次世界大戦下でフランスのスパイとして活動した罪に問われ、処刑されてしまいました。

そのドラマチックな人生をベースに描かれるマタ・ハリの運命を、ぜひ劇場で見届けましょう。

<あらすじ>
1917年、第一次世界大戦下のパリ。
ドイツ軍の侵攻が迫る中でも、マタ・ハリのダンスはパリ市民の心を捉えて離さない。ヨーロッパ中の皇族や政府高官、軍人たちを魅了した彼女は、戦時下のヨーロッパを自由に往来して公演を行っていた。
そこに目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、断れば人生の秘密を暴くとほのめかし、マタ・ハリにフランスのスパイとして働くよう要求する。
ラドゥーの要求に怯え、悩むマタだったが、戦闘機パイロットのアルマンと恋に落ち、自分の人生を生きるため、一度だけフランスのスパイを務めることを決心する。だが、マタの想像を超えた国家同士の謀略は、愛を知った彼女の命運を変えていくのだった。

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柚希礼音&愛希れいかが再びマタ・ハリに

主人公のマタ・ハリ役はWキャスト。

1人は、2018年の日本初演からタイトルロールを務める柚希礼音さんです。元宝塚歌劇団星組のトップスターにして、退団後も俳優として活躍。さまざまな舞台やミュージカルで存在感を放っています。もう1人は、前回公演と同じく愛希れいかさん。宝塚歌劇団では月組トップ娘役を務め、現在は舞台のほかテレビドラマにも出演しています。柚木さんは3回目、愛希さんは2回目となるマタ・ハリ役をそれぞれどう演じるのか、今回の大きな見どころです。

マタ・ハリをスパイ活動へ引き入れようとするラドゥー大佐役もWキャストとなっています。2021年版より続投するのは、ミュージカルや舞台への出演だけでなく歌手としても活動する加藤和樹さん。実は2018年版ではラドゥー大佐とアルマンを回替わりで演じていて、今回再びその配役に。マタ・ハリとの関係性が異なる2役だけに、どちらの加藤さんも観てみたくなります。

一方、廣瀬友祐さんが新たに大佐役にキャスティング。2023年にはミュージカル『モダン・ミリー』で第30回読売演劇大賞 優秀男優賞を受賞しており、その演技に注目です。

また、マタ・ハリをまっすぐ愛する青年アルマン役には、加藤さんとのWキャストで甲斐翔真さんが初めて参加します。2024年の第50回菊田一夫演劇賞では『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』とミュージカル『next to normal』の演技が評価され、菊田一夫演劇賞を受賞。今まさに勢いのある、若手実力派俳優です。

さらに、フランスと敵対するドイツの将校ヴォン・ビッシング役として、さまざまなテレビドラマや映画に出演する神尾佑さんが初登場。マタ・ハリの衣裳係アンナ役は、2021年版より引き続き、宝塚歌劇団出身で豊富な演技経験を持つ春風ひとみさんです。

このほかパンルヴェ役で中山昇さん、ピエール役で長江崚行さん、キャサリン役で青山郁代さん、ファーストダンサーであるコリフェ役で三井聡さんが参加することが発表されています。

そして3度目となる今回の公演でも、石丸さち子さんが変わらず訳詞・翻訳・演出を担当。過去公演で培ってきた経験を活かし、新たなメンバーとともに舞台を創り上げます。

SHEIN

日本初披露の新曲もお聞き逃しなく!

なんと今回、日本初披露となる新曲「From Way Up There」が追加されることに。もともと日本版『マタ・ハリ』は韓国での初演版をもとにしているため、再演時に加えられた「From Way Up There」はこれまで歌われていませんでした。しかし、石丸さち子さんの希望で特別に使用許可をもらい、お披露目できる運びになったそうです。

アルマンが空から見る世界の美しさを歌い、その様子に心動かされたマタハリと一緒にデュエットするという新曲。実際に舞台ではどの場面で取り入れられるのか、皆さんも耳と目を澄ましてくださいね。

ミュージカル『マタ・ハリ』は2025年10月1日(水)から14日(火)まで東京建物 Brillia HALLにて上演。その後、10月20日(月)から26日(日)まで梅田芸術劇場メインホールで大阪公演、11月1日(土)から3日(月・祝)まで博多座で福岡公演が行われます。東京・大阪公演のチケット一般発売は7月5日(土)より開始。詳細は公式HPをご確認ください。

もこ

女スパイとして語られることの多いマタ・ハリが、一体何を求め誰を愛したのか。そんな風に彼女の人生に思いを馳せながら観たくなる作品です。