『アバウトタイム~止めたい時間~』(韓国ドラマ/2018年放送)は、人の寿命がカウントダウンされていく時計が見えるという不思議な力を持つチェ・ミカ(イ・ソンギュンさん)と、過去の恋愛のトラウマに悩むMK財団理事長イ・ドハ(イ・サンユンさん)との偶然の出会いから繰り広げられる、甘くて切ないファンタジーラブロマンス。特にミュージカル女優を目指し練習に励むミカの歌唱シーンはミュージカルファンも楽しめる内容です。

韓国ドラマならではのファンタジーラブロマンス

ミュージカル女優の主役を夢見るミカは自分の寿命がわずかなことを知り、残された時間をすべて使ってオーディションに臨みます。ある日、偶然出会ったドハのそばにいるときだけ自分の寿命時計が進まずに止まっていることに気づいたミカ。

ドハのそばになんとかいようとするミカの不可解な行動に困惑しながらも、ドハはだんだんとミカに好意を持つようになります。ミカとドハの恋愛がうまくいくことが気に入らず、随所で邪魔をする元婚約者のスボン。甘いだけのラブロマンスではなく、ドロドロとした愛憎劇は、韓国ドラマならではの演出が面白いです。

またミカの友人役に元KARAのハン・スンヨンさん、天才音楽監督役にZE:Aのキム・ドンジュンさん、弟役にSF9のキム・ロウンさんといった、主人公を取り巻く若手キャストも話題となりました。

若手実力派女優のイ・ソンギョンさんの演技力に注目

実際にご自身もミュージカル女優を目指していたというイ・ソンギョンさん。高校3年生までは、ピアノを専攻し音大を目指しますが、親の推薦でモデル大会に出場。24歳でモデルから女優の道へと進みます。ドラマ『大丈夫、愛だ』でデビュー、安定した演技力と個性的なキャラクターで一気に名前が知られることになりました。休日には、ピアノの練習を7~8時間するのだとか。

本ドラマではそんな経歴を活かし、歌、ダンス、ピアノ演奏を本人がこなしています。彼女の美しい弾き語りは、一気に舞台の世界観へ惹きこまれます。オーディションシーンは特に必見!!家族への愛情とときめく恋心、そして稀有な運命に翻弄されながら懸命に夢に向かって生きる複雑な感情を表現する、彼女の演技力が光ります。

Chizu

ミュージカルのオーディションの様子やアンサンブルとの練習シーンなど、韓国のミュージカル界が垣間見えるため、ミュージカルファンとしても楽しみどころがたくさん。劇中ミュージカルでミカが演じる主人公は、時間が逆戻りする人生を力強く生きる女性。奇しくも寿命という“時間”に翻弄されるミカの運命と重なり合う歌詞がとても印象的な「私は私を(난 나를)」は、ぜひ歌詞に注目して聞いていただきたいです。