TBS赤坂ACTシアターにてロングラン公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。今年夏にデビューする4年目の新キャストである、稲垣吾郎さん・平岡祐太さん・市村正親さんと、約1年ぶりにハリー役として帰ってくる大貫勇輔さんが会見に登場しました。

「人間味あふれるハリー・ポッターを」

総観客数120万人、公演回数1200回を達成した舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。ハリー役に稲垣吾郎さん・平岡祐太さん・大貫勇輔さん、エイモス/ダンブルドア/スネイプ役に市村正親さんを迎え、ロングラン4年目に突入します。

「何度見ても魔法が凄い」と語った稲垣吾郎さん。ハリーとして魔法を使えるようになるための稽古には苦労したそうで、「2ヶ月かけて修行したんですけれども、魔法の習得が本当に大変でした。飛んだりもしますし、火を出したりもするので」と稽古を振り返ります。さらに「ハリー・ポッターはスーパースターですけれども、1人の人間であり、1人の父親である。人間味あふれるハリー・ポッターを上手く演じられたらなと思っております」と意気込みました。

平岡祐太さんは「魔法はもちろん、脚本が面白い、ストーリーが面白いです。それを芝居で届けるというのをこだわって作ってきました。本作は世界中で上演されてきていて、細かい演出も統一されているのですが、それでも演じる人によって全然世界観が変わってくるというのが面白くて。色々な組み合わせでも楽しんでいただきたいです」と語ります。

約1年ぶりにハリー役としてカムバックとなった大貫勇輔さんは、「僕は本当に『ハリー・ポッター』の大ファンなので、もう一度ハリー・ポッターになれるなんてこんな幸せなことはないなと今もひしひしと体感しています」と喜びを噛み締めます。

エイモス/ダンブルドア/スネイプの3役を演じる市村正親さんは、「非常に重要な役を演じさせてもらっております。ダンブルドアは人気のある役で、うちの子どもが喜びました。父親として誇りに思います。そのほかにも3役、合計で6役やっているので、『ウォーリーをさがせ!』じゃないですけれど、『市村をさがせ!』ということでどこにいるのか探してもらえれば」とアピール。

さらにダンブルドア役について「ハリーにとってはお父さんのような存在で、ハリーの息子のアルバスは僕にとってはもしかすると孫のような存在かもしれません。この作品は親子の物語で、ダンブルドアもハリーにとって本当に良い父親のように生きていたかというとそうではない、複雑な親子関係があります。そういったところを見てもらえると良いのかな」と語ります。

また「吾郎ちゃんがダンブルドアの“完璧さというのは、人間には届かぬところにあり、魔法でも届かぬところにある”という台詞が良いですね、と言ってくれて。台詞の量は少ないんですけれど、中身の詰まった台詞なので、僕ぐらいのキャリアがないとできないかな(笑)。そういうことで良いかな?(笑)」とお茶目に語ると、稲垣さんは「おっしゃる通りです!」と即答。

「すべて完璧を求められてしまう世の中で、そういう台詞が観る人の心を救ってくれると思いましたし、この作品のテーマにも通じているのかなと思いました」と想いを語ります。

平岡さんは好きなシーンについて、「エイモスが息子のセドリックに対しての想いを、時空を超えて会話をするというシーンがあって、そこが大好きです。その台詞を聞くと自分の両親を思い出して、自分ごとのように思ってしまう」とコメント。

大貫さんは「ハリーがアルバスに対して酷いことを言ってしまい、親子関係に大きな溝が出来て、そこから自分自身を見つめ、過去と向き合い、少し人間として成長して、親子として少し前に進めるラストシーンが好きです。3時間40分という、激しくも繊細な時間を積み重ねた先に、そこでお客様に感動していただけるか、というのが僕の中のハリーとしての課題であり、この作品の重要なところなのかなといつも思って演じています」と語りました。

初めてのロングラン公演に、「自分がどういう状態になるのか分からない」と語った稲垣さん。「でも先輩ハリーもたくさんいるので、色々なお話を伺いながらやれるのが凄く楽しいんです。自分の分身のような人がたくさんいるというのは凄く不思議な体験で、幸せを感じています」と本作ならではの経験を語ります。

稲垣さんがハリー役を務めたゲネプロ時には、石丸幹二さんや吉沢悠さんら、歴代ハリーが最前列に座って観ているサプライズがあったそう。稲垣さんは「5人くらいいたよね?!なんであんなことするの?」と問い詰め、「一番前で観ていたら面白いかなと思って(笑)」と答える平岡さんでした。

また、大貫さんは「1年目、2年目、3年目、ずっと観てきていて、4年目でも新たな気づきがあったことに驚きました。なんて深い戯曲なんだろうと。さらに演出が3年目と違うところもあるので、ハリーとして生きていて、こんな風に思うんだという気づきがあり、それが今面白くてしょうがないです。今までたくさん観てきた方達にも楽しんで頂けると思いますし、もちろん初めて観て頂ける方にも、たくさんの人に観にきてもらえたら嬉しく思います」と呼びかけました。

撮影:鈴木文彦

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』はTBS赤坂ACTシアターにてロングラン公演中。公式HPはこちら

Yurika

稲垣さんが「親子や仲間の愛というものに深く感動させられるとても素敵な作品」、大貫さんが「家族、友情、成長のお話で、全ての世代の人たちに、何かワンシーンは胸に突き刺さるものがあるんじゃないかと思う」と語る本作。何度観ても新しい発見がある本作で、新キャストとどのような化学反応が起こるのか楽しみです。