音楽を通じて魂を触れ合わせる2人の女性を描いたミュージカル『FOUR MINUTES -4分間のピアニスト-』が、2026年12月に東京、2027年1月に大阪で上演。韓国で反響を呼んだミュージカルが日本初演を果たします。
世界で評価されたドイツ映画を、韓国のミュージカル俳優ヤン・ジュンモが舞台化
ミュージカル『FOUR MINUTES -4分間のピアニスト-』は、2006年公開のドイツ映画『4分間のピアニスト』(原題:Vier Minuten)をもとにした作品です。
獄中の天才ピアニストと、受刑者にピアノを教える教師との交流を描いた映画は、ドイツ国内に留まらず世界各地で数々の映画賞を受賞し、高く評価されました。
この映画に感銘を受けた韓国のミュージカル俳優であるヤン・ジュンモさんが、舞台化を企画。自らプロデューサー兼芸術監督を務め、国立チョンドン劇場と共同してミュージカル『FOUR MINUTES(포미니츠)』を制作しました。2021年に初演されると、第6回韓国ミュージカルアワードにて作品賞をはじめ主要部門にノミネート。翌2022年に早くも再演されています。
本作を立ち上げたヤン・ジュンモさんは声楽科出身であり、オペラ中心の活動を経て、2004年にミュージカルデビュー。以降、『ジキル&ハイド』『オペラ座の怪人』『スウィーニー・トッド』などのタイトルロールを務め、韓国を代表するミュージカルスターとしての地位を確固たるものとしています。また、演出やプロデュース、後進の育成にも取り組むなど、韓国ミュージカル界の発展に尽力しています。
日本との縁も深く、2006年に日本で初演された韓国ミュージカル『冬のソナタ』に出演。さらに2015年と2017年には日本でミュージカル『レ・ミゼラブル』に出演し、ジャン・バルジャン役を日本語で見事に演じ切りました。
そんなヤン・ジュンモさんの熱意により誕生した韓国発ミュージカルが、今回日本に初上陸。実力ある日本のスタッフ・キャストが集結し、新たに日本版として開幕します。対照的であるがゆえに激しくぶつかり合い、響き合う2人の孤独な魂。周囲を取り巻く人々の思いと人生が交錯した先に待つのは、最後の「4分間」。濃密な空間で繰り広げられる人間ドラマが、観客の心を奥底から揺さぶります。
<あらすじ>
刑務所へピアノを教えにやって来た、厳格なピアノ教師・クリューガー。彼女は、問題児として扱われるジェニーの類いまれなピアノの才能を見抜き、コンクールへ出場させるために刑務所長を説得し、レッスンを始める。第二次世界大戦後のドイツで、暗い過去を抱えて生きてきたクリューガー。幼少期のトラウマから心を閉ざし、激しい感情を内に秘めたジェニー。対照的な二人は、激しく衝突しながらも、ピアノを通して互いの心に向き合っていく―。
才気溢れる注目の演出家・稲葉賀恵が日本版を演出
本作の演出を手掛けるのは、気鋭の若手演出家としてひと際存在感を放つ稲葉賀恵さんです。文学座附属演劇研究所に入所して演出助手から経験を積み、座員に昇格後も劇団内外のさまざまな作品で演出を担当。近年の主な実績に2024年のミュージカル『ラフへスト〜残されたもの』や2025年のミュージカル『Once』、舞台『リンス・リピート ―そして、再び繰り返す―』などがあります。
また、翻訳家の一川華さんと共に主宰する演劇ユニット「ポウジュ」の舞台『リタの教育』『オレアナ』『Downstate』における演出が評価され、2026年の第33回読売演劇大賞で最優秀演出家賞を獲得。2026年にはクリエイティブ・ユニット「atelier uni」を設立し、ジャンルを超えた演出表現の可能性を模索しています。
稲葉さんは今回の日本版演出にあたり、「2人の女性を中心とした登場人物たちがもがきながら光を見つけ出す姿を、グロテスクに、でも美しく、原作に敬意を表しながら自分なりの視点で日本版として打ち返してみようと思います」とコメント。稲葉さんの鋭くも真摯な視点は、痛みを抱えながら懸命に生きる人々の魂を舞台上で輝かせてくれるでしょう。
また、日本語上演台本と訳詞は吉田衣里さんが担当。直近では2026年4月に上演された『シルヴィア、生きる』や10月に開幕する『秘密の花園』といった韓国ミュージカルの日本初演に翻訳面で携わっており、本作でもひとつひとつの言葉を大切にしながら日本語を紡いでいきます。
ベテランから若手まで実力ある俳優陣が魂の交流を体現

物語の核となる2人の女性、その1人であるピアノ教師のクリューガーを演じるのは、安蘭けいさんです。元宝塚歌劇団の星組男役トップスターとして人気を博し、退団後は舞台やミュージカルを中心に第一線で活躍。『カム フロム アウェイ』や『ジェイミー』『ブラッド・ブラザーズ』など、数多くのミュージカル作品で確かな存在感を示してきました。2027年3月には、再演を待ち望む声が多かった名作ミュージカル『ラグタイム』にマザー役で出演する予定です。今回、安蘭さんは、2019年に自身が開催したチャリティーコンサートにゲスト出演したヤン・ジュンモさんからオファーを受け、クリューガー役に決定。自身にとって過去最高齢となる81歳の女性役に体当たりで挑みます。
もう1人の女性、クリューガーと出会ってピアノの才能を開花させていく受刑者のジェニー役は、昆 夏美さんと田村芽実さんのWキャストです。
昆さんは、2011年のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でヒロインのジュリエット役に抜擢されてデビュー。『レ・ミゼラブル』のエポニーヌやファンテーヌ、『ミス・サイゴン』のキムなど、ミュージカルの大作を彩る女性役を次々に演じてきました。また、2024年の『この世界の片隅に』や2026年の『ニコラ・テスラ ~エジソンが恐れた孤高の天才〜』といったオリジナルミュージカルにも果敢に挑戦。抜群の歌唱力と演技力により、ミュージカル界を牽引する歌姫としてますます期待を集めています。
田村さんは女性アイドルグループ・アンジュルムのメンバーとして活躍し、卒業後は俳優兼歌手の道へ。舞台やミュージカルでも持ち味のパワフルな歌声と生き生きとした感情表現を存分に活かし、観客の心を掴んでいます。2025年にはミュージカル『SIX』や『キンキーブーツ』に出演し、2026年のミュージカル『PRETTY WOMAN The Musical』では主人公のヴィヴィアン役をWキャストで務めました。さらに、2027年3月に上演されるミュージカル『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』への出演も発表されています。
また、刑務所の看守・ミュッツェ役には、近年舞台のみならず映像作品にも活躍の場を広げる松岡広大さん。現在放送中のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、天下一統編から主人公・秀長の家臣である吉川平助役で登場しています。今回演じるのは、ジェニーら囚人を監督する立場でありながら、自らもピアノを弾き、クリューガーに認められたいと願う青年です。その複雑に揺れ動く心理を、繊細な感性ですくい上げて表現します。
さらに、乃木坂46のメンバーである林瑠奈さんが、若き日のクリューガーの恋人・ハンナ役を務めます。グループ内でも屈指の歌唱力を誇る林さんは、2026年10月19日に大千秋楽を迎えるミュージカル『民王』で初めてミュージカルに挑戦。本作は自身にとって2度目のミュージカル出演となります。クリューガーが秘めてきた過去を浮かび上がらせる存在として、物語にどのように関わってくるのか注目です。
刑務所長のマイアーベーア役と検事のレーベン役は、劇団「猫のホテル」創設メンバーであり、舞台に映画、ドラマと多岐にわたって活動する中村まことさんが兼任します。
このほか記者のヴァーリッヒ役は、多彩な舞台やミュージカルに出演する俳優の章平さん。
受刑者のアイゼを橘 未佐子さん、デルテを角川美紗さん、フレンキーを三井夕萌さんがそれぞれ演じます。
そして、本作で重要な要素となるピアノの演奏においては、3名のピアニストが舞台を支えます。オンステージピアニストとして田村芽実さんの回に杉田未央さん、昆 夏美さんの回に杉﨑沙耶さんが出演。オフステージピアニストは中西 司さんが担当します。
ミュージカル『FOUR MINUTES -4分間のピアニスト-』は、2026年12月7日(月)から27日(日)まで東京芸術劇場 シアターウエスト、2027年1月10日(日)・11日(月・祝)に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演されます。公式HPはこちら
傷を抱えた2人がピアノを介して互いに希望を見出していく先に、どんな未来が待っているのか。タイトルにもなっている「4分間」の演奏に至るまでの過程をじっくりと見つめたくなる作品です。



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