恋愛して、結婚して、子どもを授かって、人生を過ごす。それも人生の選択の一つですが、恋愛感情が分からない、あるいは持てないでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。(因みに筆者もその一人です)「このままでいいのかな」と感じてしまうこともありますが、そんな人を投影したかのような映画『そばかす』が12月16日(金)より全国公開されます。

監督は平田オリザさんを中心に結成された劇団「青年団」の演出部に所属しながらも、自身の劇団「玉田企画」でほぼ全ての作・演出を務める玉田真也さん。主演は、映画『ドライブ・マイ・カー』で数々の賞を受賞し、今回が自身初単独主演となる三浦透子さん。演者・スタッフも強力な布陣で制作された映画『そばかす』を深掘ります。

恋愛感情がわからない主人公が進む人生航路

映画『そばかす』は『(not) HEROINE movies』という映画シリーズの一貫として制作されました。 『勝手にふるえてろ』などを手掛けたメ〜テレ(名古屋テレビ)、『賭ケグルイ』や『HiGH&LOW THE WORST X』など話題作を生み出している制作会社ダブがタッグを組み、“へたくそだけど私らしく生きる”をテーマに等身大の女性のリアルを描きます。ヒロインになりきれないが、今をもがきながら懸命に生きていく女性の姿が描かれており、主人公を含め、よりリアリティに富んださまざまな人間模様を垣間見ることができます。

30歳になる蘇畑佳純は、物心ついた時より恋愛感情が理解できず、大人になっても恋愛感情がわかない自分自身に不安を覚えながらもマイペースに生きていました。大学ではチェリストを志すも挫折し、今は実家に戻りコールセンターで苦情対応に追われる日々を送っています。父親は救急救命士ですが、うつ病気味で休職中。妹は結婚、妊娠しているため、母親は佳純に対し結婚にプレッシャーを頻繁にかけてきており、ついには無断でお見合いをセッティングされてしまいます。しかし、そこに現れたのは結婚よりも友達付き合いを望む男性でした。

劇団『玉田企画』の玉田真也×日本アカデミー賞新人俳優賞の三浦透子!刺激的な才能の調和

映画プロジェクト『(not) HEROINE movies』では、次世代を担う映画監督と俳優たちを組み合わせ、お互いの感覚と才能を発揮できる場を作り、輩出するという考えのもと制作されています。第三弾である今回も新たな刺激を体感できるような組み合わせになっています。

監督は、自身の劇団「玉田企画」で活躍しながらも様々なドラマや映画の脚本も務め、2020年には又吉直樹さん原作の映画『僕の好きな女の子』で脚本・監督を担当されたことも記憶に新しい、玉田真也さん。主演は、アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を受賞した三浦透子さん。また今作は三浦さんの初単独主演作になります。

その他の出演者として、主人公・佳純の同級生であり物語のキーパーソンとなる、元AV女優・真帆には、近年女優として評価が高まっている前田敦子さん。また、佳純を後押しする青年には、三浦さんの約12年来の盟友である北村匠海さん。他にも、田島令子さんや三宅弘城さんなど実力派俳優が揃って出演されています。

おむ

音楽も主演の三浦さんが歌唱されており、作詞作曲は若手実力派バンド『羊文学』の塩塚モエカさん!スタッフもまさに次世代を担う人々が脇を固めています。新たな才能に出会いたい方にもおすすめです。