うだるような暑さが続く真夏。太陽の光がキラキラと跳ね返る海の水面や、木陰で海風に当たりながら飲む冷たいドリンクが恋しい季節ですね。今回は、そんな真夏にぴったりの、海やリゾート地を舞台にしたミュージカル映画をご紹介。夏らしい景色とミュージカルの高揚感、最高の組み合わせを味わってみてはいかがでしょうか?
絶景リゾート×ABBAの最強ヒットチューン とにかくハッピーな気分になれる『マンマミーア!』
最初にオススメしたいのは、大ヒットミュージカルを映画化した『マンマミーア!』(2008年)。エーゲ海に浮かぶ架空の島を舞台に、とある母娘が結婚という人生の大きな山場をめぐって巻き起こす、ドタバタ喜劇です。
結婚を決めた20歳の娘・ソフィが「結婚式でパパとヴァージンロードを歩きたい!」の一心で、母・ドナの昔の日記を手がかりに父親を探します。ところが父親候補はなんと3人?!ソフィは父親を見つけ、無事に結婚式を終えることができるのでしょうか。
女手ひとつで島の古宿を切り盛りするドナの苦労は「Money, Money, Money」で。ソフィの招待で島にやってきた元カレたちと再会したドナの驚きや恥ずかしさは「MAMMA MIA!」で表すなど、全編を今なお色褪せないABBAの名曲が彩ります。
ロケ地となったギリシャのスコペロス島の景色も見応え抜群。冴えるような白い建物と蒼穹を映したコバルトブルーの海のコントラストが心を晴れやかにしてくれますよ。
高校最後の特別な夏休み!『ハイスクール・ミュージカル2』
続いて、ディズニーチャンネルのオリジナルムービーとして大人気を博したシリーズ第二弾『ハイスクールミュージカル2』(2007年)。アメリカ・ニューメキシコ州のイースト高校でミュージカルの発表会をきっかけに一致団結した高校生たちの学園生活を描いた全三作シリーズ。その第二作で描かれるのは「高校最後の夏休み」です。
バスケットボールのリーグ戦を優勝へ導き、学校のスターになった主人公のトロイたち。待ちに待った夏休みは学校一のお嬢様・シャーペイの父が経営するカントリークラブでアルバイトをすることに。充実した最高の日々を送る・・・と思いきや、卒業後の進路をめぐり、トロイと仲間たちの間に亀裂が。高校最後の夏、仲間との時間を大切にしたいけれど、自分の将来も考えたい。二つの気持ちに揺れるほろ苦さを含んだ、夏の青春物語となっています。
本作では、レストランのバイト時間や休日の草野球、プールパーティーなどがミュージカルナンバーに。それぞれの特徴を捉えたキャッチーな振り付けにも注目です。
夏休み前最後の登校日、終業ベルが鳴るのを今か今かと待ちわび、ベルの音と同時に騒ぎ立つ解放感をミュージカルシーンに仕立てたオープニングナンバーは学生時代の夏休みを思い出さずに入られません。
砂浜でのダンスシーンに注目!サーフィン×ミュージカル『ティーン・ビーチ・ムービー』
最後にご紹介するのは、同じくディズニーチャンネルのオリジナルムービー『ティーン・ビーチ・ムービー』(2013年)です。サーフィンが大好きなマッケンジーはミュージカルが苦手。ところが、サーファー仲間のブレイディと共に大波にさらわれ、60年代の大ヒットミュージカル映画『ウェット・サイド・ストーリー』の世界に迷い込んでしまいます。映画の世界では、サーファーとライダーがビーチをめぐって縄張り争い中。男らしく女らしく、の古い価値観にそぐわないふたりは、次第に映画のシナリオを変えてしまいます。
本作のテーマとなるサーフィンは東京オリンピックでの日本人選手の大活躍で今最も旬なマリンスポーツ。広大な海を舞台とするサーフィンがミュージカル映画と融合し、波が襲いかかるカットや海辺で歌い踊るシーンは本作の個性として唯一無二の存在感を放ちます。
この作品は「ミュージカルが苦手」という方にもオススメ。独特な世界観に足を踏み入れた「ミュージカルに馴染めない主人公」の存在が架け橋となり、歌って踊るクレイジーな世界への違和感も提示してくれています。
もちろん、ミュージカル好きにはたまらない小ネタもたくさん登場。ミュージカルの金字塔『ウェスト・サイド・ストーリー』のパロディ、そして60年代のロックンロールやアメリカンポップの要素が仕込まれています。誰が観ても楽しめる、底抜けに明るいミュージカル作品です。
ご紹介した作品には全てに続編があるので、まとまった時間があればシリーズで続けて鑑賞するのも良いですね。まだまだ夏真っ盛り。爽快なミュージカル映画で日常を離れ、バカンス気分を楽しみましょう!