演劇やミュージカルを見に行くとき、持参したいのがオペラグラスです。遠い客席からでも舞台の様子が鮮明に見えるオペラグラスは、舞台鑑賞の集中力を高めてくれて作品の世界観をより楽しめるアイテム。しかし観劇になじみがないと、あまり手にすることがないですよね。そこで今回は、オペラグラスの歴史や特徴、ファンが教えるオススメの選び方をまとめてみました。
オペラグラスの発祥とは?
オペラグラスが世界で普及し始めたのは、19世紀後半だったと言います。名前から想像できるように、オペラがヨーロッパで流行し始めたのをきっかけに舞台鑑賞用として小型のものが普及していきました。
オペラグラスを使っていたのは、主に上流階級の人々。そのためオペラグラスには舞台鑑賞のサポートだけではなく、貴族のたしなみとしての価値があったようです。昔のオペラグラスというと装飾が施されたハンドル付きのものを想像しますが、ドレスになじむフォーマルなデザインが当時の主流でした。
オペラグラスの代わりに双眼鏡は活用できる?
初めての舞台鑑賞でオペラグラスを持っていなかった場合、「家にある双眼鏡を持っていこうかな」と思う人もいるのではないでしょうか?オペラグラスの代わりに双眼鏡は活用できるのか。結論から言うと、双眼鏡はオペラグラスとして使えます。
歴史的な背景から「舞台鑑賞にはオペラグラス」というイメージが強いかもしれませんが、実をいうとオペラグラスと双眼鏡は厳密に区別されていません。
しかし、両者には構造上の違いがあります。オペラグラスは凹レンズと凸レンズの2枚のレンズを組み合わせたシンプルな構造でできており、ピンボケはしにくいものの倍率は低め。双眼鏡は凸レンズの他にプリズムを使用しているため、オペラグラスより倍率は高く、舞台上の俳優の表情も見られます。ただし野鳥観察やレジャー向きのものは、舞台鑑賞に長時間使用すると手や目が疲れてしまうかもしれません。
ファンが教える!観劇用オペラグラスの選び方
演劇・ミュージカルファンの多くは、オペラグラスを選ぶときに倍率・軽さ・デザインの3つを重視しています。劇場に合う倍率は、6倍から10倍。倍率が高くなるほど、舞台全体だけではなく俳優の表情やヘアメイクも鮮明に見えます。オペラグラスより双眼鏡のほうが、倍率が高いと前述しましたが、最近の家電量販店には舞台鑑賞に特化した双眼鏡が数多く売られていますよ。
次に注目したいのが、軽さ。舞台は2時間以上の長い上演時間のものが多く、質量150g以下の長時間持っていても疲れないものがおすすめです。今後も頻繁に観劇したいのであれば、デザインも意識して選んでみて。お気に入りの色やモチーフが入っていれば、愛着が湧いて持ち歩くのが楽しくなります。
舞台鑑賞のために作られたオペラグラスは、今も昔も観劇の強い味方です。演劇・ミュージカルを頻繁に見るようになると頼もしい右腕として活躍してくれるので、ぜひ自分なりのこだわりを見つけてお気に入りのオペラグラスを選んでみてくださいね。