ロベスピエール、マリー・アントワネット、そしてルイ16世の首を刎ねた、ひとりの死刑執行人シャルル=アンリ・サンソン。非情な時代を生きた実在の人物の数奇な運命を描いた舞台『サンソン −ルイ16世の首を刎ねた男−』が、2023年4月に再始動します!

死刑廃止論者でありながら、3000回の死刑執行を行った人物

18世紀フランス・パリで死刑執行人として生きた実在の男サンソンを描いた舞台『サンソン −ルイ16世の首を刎ねた男−』。稲垣吾郎さんを主演に迎え、2021年4月に初演の幕を開けるも、コロナ禍の影響によりわずか数公演で中断に。そんな本作が、2023年4月に再始動することとなりました!

国家と法を重んじ、敬虔なカトリック教徒であった死刑執行人のシャルル=アンリ・サンソン。父から仕事を受け継ぎ、処刑人としての使命や尊厳を確立。罪状によって陰惨な拷問を伴うものもあったことから、せめて誰にでも平等に苦痛を感じさせない死をもたらそうと、ギロチン(断頭台)の発明にも積極的に協力します。

しかし、絶対王政の崩壊、急進派と穏健派の分裂、ロベスピエールによる恐怖政治と揺れ動くフランス革命期に完成し、実用化されたギロチンは、結果的に多くの人間の死を量産する道具に。サンソンはおよそ3000回もの執行を手がけたと言われています。

処刑見物が娯楽と化していく世の中で、慈悲の精神を持つシャルルは、次第に自分の仕事の在り方に疑問を募らせるように。死刑廃止論者として死刑制度に対して葛藤し、誰よりも人間の生死に向き合った人物が最後にたどり着いた境地、そして私たちに投げかけるものとは?

U-NEXT

稲垣吾郎×『No.9』のクリエイターチームが再び集結

本作の主演を務めるのは、『No.9−不滅の旋律−』でのベートーヴェン役の熱演も印象的な稲垣吾郎さん。音楽活動はもちろん、映画やラジオなど多方面で活躍する稲垣さんにとって「舞台は自分が自由に羽ばたけるような貴重な場所」だと表現します。

「“死刑執行人”という非情な宿命を背負ったサンソンに再び向き合い、彼のような人物がいたという事実を、舞台を通して皆様に伝え、未来に繋げていければ」とコメントを寄せました。

そして本作の演出を手掛けるのは、『No.9』で稲垣さんと初タッグを組んだ白井晃さん。『住所まちがい-Three on the seesaw-』や『2020』など話題作を手がけ続ける人物です。そして脚本は、劇団☆新感線座付作家である中島かずきさん。音楽は長年パリを拠点として活動してきた三宅純さん。『No.9−不滅の旋律−』『ジャンヌ・ダルク』も創作したクリエイターチームが集結し、唯一無二の歴史劇を創り上げます。

落合モトキさん、清水葉月さん、田山涼成さん、榎木孝明さんら初演メンバーの続投もありながら、フレッシュな新キャストも!サンソンの敬愛の対象でもあるルイ16世を演じるのは、蜷川幸雄演出 『盲導犬』で舞台デビュー、鄭義信さん、ノゾエ征爾さんら個性豊かな演出家から愛され続ける大鶴佐助さん。

2.5次元舞台から映画、テレビドラマへと活躍の幅を広げる崎山つばささん、映画『花束みたいな恋をした』や日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』出演で話題の劇団EXILE・佐藤寛太さん、2.5次元舞台など様々な舞台に出演するD-BOYSの池岡亮介さんらフレッシュなメンバーが、革命期の青年たちを演じます。

舞台『サンソン −ルイ16世の首を刎ねた男−』は、2023年4月14日(金)~4月30日(日) 東京建物 Brillia HALLにて上演。5月には、大阪・松本公演を予定しています。詳細は公式HPをご確認ください。

Yurika

突然の中断から、2年。白井さんは今回の上演について、「作品はずっと続いている」「再演ではなく再始動」だとコメントしています。コロナ禍や世界情勢によって、生と死をより考える機会が増えた今、サンソンの姿は私たちに何を残すのでしょうか。