映画監督として活動するフランスの若手劇作家・演出家アレクシス・ミシャリクさんの出世作であり、700回を超えるロングラン、フランス演劇界最高峰のモリエール賞5冠を達成した人気戯曲が日本で初演されます!
主演はNEWSの加藤シゲアキさん、演出は昨年、紫綬褒章を受章したマキノノゾミさんが手掛けます。出演者総勢12人で約50もの役を演じ分けながら、スランプにより“書けない”劇作家がいかにしてトラブルを乗り越え、わずか3週間で舞台初日を迎えたのか。名作戯曲の誕生にまつわる物語が笑いと共に描かれる本作を取り上げます。
舞台初日は3週間後!?崖っぷち劇作家の起死回生を賭けた物語
舞台は1897年12月のパリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは、将来を嘱望されながらも2年間の大スランプに陥っていました。そこに大女優サラ・ベルナールから仕事が舞い込み、そこで偉大な喜劇王コクランに英雄的なコメディ詩劇の新作を書くことを約束してしまいます。しかし、初日はなんと3週間後。
ムッシュ・オノレが営むカフェで新作の構想を練るも全く書けず。衣装係ジャンヌに恋をしている友人で俳優のレオの恋愛相談や、訳ありの主演女優の気まぐれ、プロデューサー兄弟からの鬼のような催促に、妻ローズからの嫉妬、挙げ句の果てには資金不足と…次々にトラブルに見舞われます。そんな中書きはじめたのは、17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人の話『シラノ・ド・ベルジュラック』でした。
なんとか舞台監督のリュシアンや、コクランの息子ジャンたちとともに稽古を始めますが…。崖っぷちの劇作家が人生を賭けて書き上げた戯曲が、いかにして3週間で初日を迎えるのか、その誕生秘話を描いた幕内コメディです。
主演は作家としても活躍する加藤シゲアキ!出演者総勢12人が約50もの役を演じ分ける
本作は2016年にパリで上演され、正統派フランス喜劇でありながらもテンポ感のあるセリフ運びや、実在する演劇人が劇中に登場するなど、約120年前のクリエイターたちに向けた劇場愛あふれる作品として上演回数700回を超えるロングランになっています。また、2018年には作者のミシャリクさん本人によって映画化もされています。
劇中に登場する戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』は実在する戯曲で、日本では大正時代に『白野弁十郎』として翻案上演されるなど、世界中で上演、映画化やミュージカル化もされる名作として親しまれています。
“書けない”劇作家エドモンを演じるのは、2021年に小説『オルタネート』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞するなど、作家としても活躍しているNEWSの加藤シゲアキさん。
演出は昨年、紫綬褒章を受章し、NHK連続テレビ小説『まんてん』や『シラノ・ド・ベルジュラック』の日本上演台本も手掛けた実績を持つマキノノゾミさんが担当します。共演は、喜劇王コクランに大谷亮介さん、衣装係ジャンヌに平祐奈さんなど、出演される方々も個性的な俳優陣が脇を固めます。
幕内コメディという特性上、出演者12人が劇中に約50もの役を演じ分けるということで、今からどのような演出になっているのか、大変楽しみです…!
パルコ・プロデュース2023『エドモン ~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~』は、東京の新国立劇場 中劇場にて4月1日(土)~16日(日)まで、大阪の東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて4月22日(土)~24日(月)まで上演予定。東京公演は2月25日(土)、大阪公演は3月26日(日)より一般発売が始まりますので、チケットの詳細は公式HPをご覧ください!
幕内コメディということで、演じる側も「同業者」であるがゆえに、非常にリアルなものになっているのではないか…と思い、大変楽しみです!筆者も観に行く予定ですので、エドモンがどのようにして初日を迎えたのか見届けてきます!