2024年春、札幌に新たな劇場が生まれます。その名は「北八劇場(きたはちげきじょう)」。226席の演劇用小劇場で、5年をかけて演劇を創る場をつくり、ロングラン公演が可能な環境への成熟を目指します。8月には劇場オープンに先駆け、北八劇場芸術監督を務める俳優・演出家・劇作家の納谷真大さんによる中高生向け演劇ワークショップも開催されます!

「民間劇場ならでは」を実現する5ヵ年計画

札幌駅から徒歩5分、地下通路で直結の好立地に誕生する「北八劇場」。舞台芸術を愛する多くの人の協力を得て、趣のある演出空間が生まれます。

北八劇場には、4つの運営の柱を元にした5ヵ年計画が掲げられています。
① 創る場をつくる(観客はもちろん、役者・制作者・技術スタッフの育成、札幌観光になり得るコンテンツづくり、そして地域との憩いの場づくり)
② 1年で6本以上の主催公演の実施
③ 地域のニーズに応える貸館
④ 他地域と札幌の劇団との共催・協力・委託公演

演劇の上演をメインとしつつ、ダンスや音楽・落語などの舞台芸術や、地域の方の発表の場としても機能し、「劇場のある街」を作っていきます。

そして特徴的なのが、主催公演やスタッフの育成など5年間の能動的な作品づくりを経て、6年後にそれらの作品のロングラン公演を目指すということ。日本でロングラン公演を実現している劇場は数少なく、また劇場自体がロングラン公演を掲げるという事例はほとんどありません。ロングラン公演は北八劇場がビジョンとして掲げる【「民間劇場」だからできることが、北八の魅力になる】をまさに体現する形となるでしょう。

また小劇場でロングラン公演が実現できれば、若い劇団にもヒットコンテンツを生み出すチャンスが生まれます。北八劇場は全国・世界への演劇発信も掲げており、より多くの才能ある演劇人が世界に“見つかる”機会を創出していけるのではと期待が高まります。

北八劇場芸術監督・納谷真大による演劇ワークショップ開催

北八劇場の芸術監督を務めるのは、札幌で活動する演劇ユニットELEVEN NINES(イレブンナイン)代表であり、演劇企画集団ガジラ、秦建日子プロデュース、ヨーロッパ企画作品に役者として出演してきた納谷真大さん。

「北八劇場を拠点として、芸術監督を中心に精力的かつ大胆に演劇の創作と演劇制作をおこない、劇場の財産となる作品を生み出していく。そして、6年目からはそれらの作品を「ロングラン公演」として育てていく」「それを実現させるためには「舞台俳優」「舞台制作者」という職業を札幌に定着させることが急務であると考え、その育成にも力を入れていきます」という言葉通り、劇場オープン前である8月に早くもワークショップを開催。中高生向け、8月15日から17日までの3日間の濃密なワークショップを、参加費無料で行います。(申し込みは7月31日まで)公式HPはこちら

Yurika

劇場支配人を務めるのは、新国立劇場の技術部長も務めた伊藤久幸さん。「北八劇場」という劇場の名前には、北海道の歴史を感じさせる雰囲気と、末広がりの印象が込められているそうです。