アメリカの劇作家メアリー・チェイスによる名作コメディ『ハーヴェイ』が、12月21日(木)~24日(日)にシアター・アルファ東京にて上演されます。主演には、『テニスの王子様』『文豪ストレイドッグス』『進撃の巨人』など数々の名作で声優を務めている細谷佳正さんを迎えます。
“変わり者”のエルウッドと巨大ウサギのハーヴェイが巻き起こすドタバタコメディ
『ハーヴェイ』は、1944年にブロードウェイで初演された、メアリー・チェイス作の名作コメディ。ストレートプレイでは歴代第6位となる5年間のロングラン公演を記録し、1945年にピュリッツアー賞(演劇部門)を受賞しました。 1950年には映画化もされています。
見えないものが見える“変わり者”のエルウッドと巨大なウサギのハーヴェイの不思議な関係、そして周囲とのすれ違いから巻き起こる騒動が楽しいコメディ作品です。
タイトルの『ハーヴェイ』は、身長190センチの巨大な白ウサギのこと。古代ケルト神話に出てくる、pooka(プーカ)と呼ばれる、いたずら好きの巨大な妖精です。本によると、「このプーカは飲んだくれや変わり者を好み、時たま姿を現す」のだそうで、 ハーヴェイが見える人と見えない人がいるのです…。
『ハーヴェイ』の主人公で、ダウド家の主人であるエルウッドは、きわめて礼儀正しく、社交的な好人物。そして、エルウッドには、エルウッドにしか姿が見えない相棒のハーヴェイという190センチの巨大白ウサギがいます。
姉のヴェイタは、彼の留守を狙って娘マートルに良縁があるようにと願い、街の奥様連中を招きティーパーティを開いています。
すると、突然エルウッドとハーヴェイが帰宅。大慌ての母娘を尻目に、エルウッドはにこやかに来客に挨拶し、ハーヴェイを紹介するのでした…。ヴェイタは我慢できず、エルウッドを診てもらおうと精神科クリニックへと連れていきます。しかし、クリニックの若い医師サンダーソンは、ひょんなことから患者はヴェイタの方だと思い込み、手荒く拘束してしまいます。
一方、ハーヴェイとはぐれてしまったエルウッド。気のいい院長夫人に、「ハーヴェイが見つかったら一緒に車に乗せて連れてってあげる」と言われ、エルウッドは街に飲みに出かけていきました。
ほとんどの人に見えないハーヴェイを一体どうやって見つけるのでしょう…?
細谷佳正 初舞台&初主演作品
本作の企画、翻訳、演出を担当するのは、永井誠さん。昨年9月に映画演劇文化協会主催公演『ヒストリー・ボーイズ』で企画・翻訳・演出を担当しました。
永井さんは、平成30年度文化庁新進芸術家海外研修制度の演劇部門にて 1 年間ロンドンに留学。帰国後は『ミス・サイゴン』『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』舞台『キングダム』の演出助手、舞台『千と千尋の神隠し』『ナイツ・テイル-騎士物語-』の演出補を務めています。
本作の上演を決めた経緯について「みんなが見えていないものを見えている人、みんなが分かるものを分からない人、みんなが正しいと思っているものを正しいと思わない人、すべて“変な人”という括りにされます。そして、大学生の頃、演劇を進路に選択した私も“変な人”と呼ばれていました。
『ハーヴェイ』を読んだ時、素直に、エルッドがとても普通の素晴らしい人に思えました。初演から70年過ぎて、誰しもが自分の思いを意思表示出来る今だからこそ、変な人を中心に巻き起こるコメディーではなく、変な人と決めつける周りの人間の面白さを切り取ってみたいと思い上演を決めました」とコメントしています。
他の人には見えない巨大な白ウサギを親友と呼ぶ主人公・エルウッド役を務めるのは、声優の細谷佳正さん。『テニスの王子様』の白石蔵ノ介役や、『進撃の巨人』ライナー・ブラウン役、『この世界の片隅に』など数々の有名作品で声優を務めています。
細谷さんは、本作が初舞台、そして初主演となります。
「高校時代に初めて舞台演劇に触れ、のめり込んだ結果、僕は声優になることができました。台本を手に持ってアフレコをする分には、粗を目立せずに、人並みにやれるようになりました。
しかし舞台は、ど素人です!だからこそ、嬉しく、幸せです。41 歳で、新人舞台俳優になることが出来ます。緊張します。凄くワクワクしています。自分史上、最大の挑戦だと思っています。一所懸命がんばります!!」と意気込みました。
エルウッドの姉・ヴェイタ役を務めるのは、一路真輝さん。宝塚歌劇団雪組トップスターとして活躍し、1996年日本初演となる『エリザベート』でトート役を演じ、退団。近年では、ミュージカル『モダン・ミリー』や『ブラッド・ブラザーズ』など数々の話題作に出演しています。
一路さんは「私は霊感体質ではないので“巨大な白ウサギ”は見えません…。でも今回の役、ヴェイタは“たまに見える”ひと、おかげでひどい目に合います!これって、ハーヴェイがヴェイタをからかってのことなの?ハーヴェイっていったい何者なんでしょう?
初めての演出家と初共演の方々(もちろんハーヴェイとも)、そしてお客様と近い小劇場の空間。期待でちょっとわくわくしています。兎年のクリスマスシーズンを飾る『ハーヴェイ』、ちょっとクラシックで素敵なコメディです。どうぞお楽しみに!」とコメントしています。
共演は、伊東弘美さん、櫻井紗季さん、堤梨菜さん、林勇輝さん、西嶋友哉さん、上條恒さん、藤崎卓也さん。若手とベテランが入り混じり、名作コメディに挑みます。
舞台『ハーヴェイ』は12月21日(木)~12月24日(日)にシアター・アルファ東京にて上演。詳細は公式HPをご確認ください。
公式HPを覗くとキャスト一覧のところにハーヴェイが!誰が演じるのか、はたまた全く別の手法が取られるのか気になります。