ブロードウェイの名作で9月に日本初演を迎えるミュージカル『ラグタイム』の公開稽古が行われました。公開稽古には石丸幹二さん、井上芳雄さん、安蘭けいさん、遥海さんらが登場し、「ラグタイム」を含めた4つの楽曲が披露されました。(製作会見リポートはこちら)
圧巻のオープニングナンバーや、コールハウスとサラのビッグナンバーを披露!
数多くの移民がニューヨークに訪れた激動の時代を、音楽と共に描いたブロードウェイミュージカル『ラグタイム』。石丸幹二さん、井上芳雄さん、安蘭けいさんらを迎え、待望の日本初演が行われます。(作品についてはこちら)
公開稽古でまず披露されたのは、本作のオープニングナンバー「Ragtime(ラグタイム)」。約10分間のナンバーの中から後半部分が披露され、石丸幹二さん演じるユダヤ人たち、井上芳雄さん演じる黒人たち、安蘭けいさん演じる白人たちの3つの人種が、時代を超えた音楽・ラグタイムに乗せて重厚なハーモニーを繰り広げます。それぞれの人種を象徴するようなダンスが交差していく様子に、壮大な物語への期待を高まらせるナンバーです。人種の違いは衣装でも表現されると製作会見で語られており、ステージ上でどのように完成するのでしょうか。
次に披露されたのは、井上芳雄さん演じる黒人ピアニストのコールハウス・ウォーカー・Jr.が、愛想を尽かして出て行ってしまった恋人サラ(遥海さん)への想いを同胞らに語る「The Getting’ Ready Rag」。“サラとのよりを戻す!”と高らかに宣言するコールハウスと、仲間たちの迫力あるダンスシーンに目を奪われます。
続いてコールハウスとサラが、愛する息子の輝く未来と幸せを願い、黒人にとって理想の未来を目指そうと誓う「Wheels Of a Dream」。“幸せで自由、誇り高く生きる”、差別のない明るい世界を創っていくという期待感と願いに溢れたナンバーを2人がエモーショナルに歌い上げ、稽古場は拍手喝采の渦に包まれました。安蘭けいさんが思わず涙してしまい、次のナンバーへの披露前も涙が止まらなくなってしまったほど。
そして最後に、石丸幹二さん演じるターテと、安蘭けいさん演じるマザーによる「Our Children」が披露されました。お互いの子供たちを見守りながら、和やかに歌う2人の姿には、人種を超えた深い心のつながりが感じられます。
世界の分断が加速する今、人種やルーツを超えてつながり合う人々の温かさを、壮大な音楽と共に描いていくミュージカル『ラグタイム』。東京公演は9月9日(土)から30日(土)まで日生劇場にて上演。10月には大阪・愛知公演が上演されます。公式HPはこちら
帝国劇場で上演中の『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』に出演しながらの公開稽古参加となった井上芳雄さんは、「The Getting’ Ready Rag」冒頭で噛んでしまい、“もう1回!昨日の夜公演の疲れが出ちゃった”と笑う一幕も。これにはカンパニーは大盛り上がりで、温かで賑やかなキャスト陣の様子が垣間見えました。また「Wheels Of a Dream」披露前には緊張を見せる遥海さんに対して井上さんが“大丈夫、何度でもやろう”と声をかけ、圧巻の歌唱後にハグ。日本初演に向け、カンパニーの絆の深さが伺える公開稽古となりました。