本多劇場で4月13日(土)から開幕するM&O playsプロデュース『帰れない男 ~慰留と斡旋の攻防~』。倉持裕さんの新作書き下ろしサスペンスに、2016年に倉持裕さん演出のM&O playsプロデュース『家族の基礎』で初舞台を果たした林遣都さんを迎えます。

「強い精神力の持ち主に見える俳優」として「林遣都がぴったり」

『鎌塚氏、羽を伸ばす』『リムジン』などM&O playsプロデュース作品に参加してきた倉持裕さん。2024年に手がけるのは、不思議な屋敷に誘い込まれた男が本来の自分を見失っていく様を描いた新作サスペンスです。

「最近、現実離れした話に興味が向いています。抽象的とか幻想的とか、あるいはもっととっつきやすく、ファンタジーなどと表現される話です。もともとそうした作風でデビューしたので、そこに戻って来た感じです」と語った倉持さん。

主演には、ドラマ『おっさんずラブ』『スカーレット』『初恋の悪魔』『VIVANT』など活躍が続き、昨年は音楽劇『浅草キッド』に出演、Audience Award 2023でも観客から大きな支持を受けた林遣都さんを迎えます。

倉持さんは林さんについて、「舞台に出現する不可解な世界は、たいてい主人公の精神から発生していて、すると自ずと、そんな風に世界を丸ごと構築してしまうような、強い精神力の持ち主に見える俳優が必要になってきます。そこで、それには林遣都がぴったりだと思いました」とコメント。

林さんも「タイトル、もう面白いですよね。珠玉の台詞、心躍る脚本、心待ちにしています。嬉しいです。楽しみです。皆様もお楽しみに」と期待を語っています。

共演には、ドラマ『マイファミリー』『silent』『ブギウギ』などに出演、劇団・阿佐ヶ谷スパイダースに所属し、2023年は野村萬斎さん演出の『ハムレット』にてオフィーリア役を務めた藤間爽子さん。

PARCO 劇場開場50 周年記念シリーズ舞台『ひげよ、さらば』や今年12 月22 日(金)に公開を控える第76 回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品映画『PERFECT DAYS』に出演する個性派俳優、柄本時生さん。

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『夜を走る』や、NHK 連続テレビ小説『舞いあがれ!』などに出演の新名基浩さん。

舞台『青空は後悔の証し』『蜘蛛巣城』、ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』、映画『サイレント・ラブ』などに出演の佐藤直子さん。

舞台『兎、波を走る』、映画『お前の罪を自白しろ』、NHK 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などに出演する山崎一さん。人気と実力を兼ね備えた俳優達が謎多き物語に挑みます。

<ストーリー>
思い返すと、その屋敷は確かに立派な門構えではあったが、迷子になるほど中が広大だったとは、男は思いもしなかった。
男は、気まぐれに親切にした若い女に招かれそこへ来た。最初、女はこの屋敷の女中かと思っていたら、実は主人の女房だった。年の離れた亭主を持つと、若くともこんなアンバランスなムードを身にまとうようになるのかと、男は勝手に納得する。
屋敷の中は薄暗い上、廊下も恐ろしく長く、部屋の数も分からなかった。
数日経って、友人が連れ戻しに来たが、男は「帰ろうにも出口にたどり着けないんだ」などと困った顔をする。
中庭を挟んだ向かいの広間で、夜ごと催される誰かの宴。その幻想的に揺らめく人影をぼんやり眺める女に、男は次第に惹かれていく。男を躊躇させるのは、留守がちで、まるで自分の妻を斡旋するかのような、主人の謎の振る舞い。
引き留めるわけではないが、時折、何やら共謀をほのめかすような女と、その主人との間で、男は次第に正気を失っていく……。

舞台『帰れない男 ~慰留と斡旋の攻防~』は、4月13日(土)から5月6日(月)まで本多劇場にて上演。その後、名古屋・島根・富山・大阪・仙台公演が行われます。公式HPはこちら

Yurika

現実離れした世界観、屋敷をどのように劇場に出現させるのでしょうか。