4月11日、帝国劇場にて遂にラストイヤーの幕を開ける『Endless SHOCK』。帝国劇場・梅田芸術劇場・博多座での5ヶ月という長期間の公演が行われ、堂本光一さんは、国内演劇の単独主演記録1位となる2018回を達成予定。製作発表会見では堂本光一さんから、本年が『SHOCK』ラストイヤーであることが明かされました。初日を前に行われた開幕記念会見・ゲネプロの模様をお届けします。(関連記事:堂本光一、最後の『Endless SHOCK』に挑む。歴代最多5ヶ月公演、前人未到の2018回達成へ。製作会見リポート

「打ち上げ花火のように」。ラストイヤーが遂に開幕

開幕記念会見に臨んだ堂本光一さんは、「ラストイヤーになります。いつも通り稽古をやって、小屋入りして、いつも通り幕が開くんじゃないかなと(笑)」「2000年に打ち上げ花火が上がるように『MILLENNIUM SHOCK』が始まったように、最後にまた打ち上げ花火のようにいっぱいやろうと、たくさん(公演を)やらせて頂くので。何よりそういう場を用意してくださった皆さんにまず感謝ですし、まだ実感がないというのが正直なところですね」と胸の内を明かしました。

また「最初のうちはスケジュール的にもなかなかみんなが集まれる時間が少ないんじゃないかと危惧していたんですね。だけど稽古が始まってみたら皆さんが『SHOCK』のために協力してくれて。麗乃ちゃんも勝利もなるべく稽古の現場に来る時間を作ってくれて、みんなと良い稽古が出来たんじゃないかなと思うので感謝です」と乃木坂46で同期の山下美月さんの卒業コンサートが控える中村さんと、直前まで舞台『モンスター・コールズ』に出演されていた佐藤さんを気遣う座長の姿がありました。

リカ役の中村麗乃さんは「今回で2年目になるんですけれど、まさか最後というタイミングでご一緒させていただけるとは思ってもみなかったので、凄く光栄に思っております。素敵な公演になるように全力で頑張っていきたい」と意気込みます。

前田美波里さんは「2013年からオーナー役をやらせて頂きましたが、今年は初心の気持ちを忘れずに、1回1回の公演を丁寧に演じたいと思います。寂しいです」と光一さんを見つめながら素直な気持ちを明かされました。

同じくオーナー役を務める島田歌穂さんも「前人未到の歴史を刻もうという作品の中で、少しでも携わらせて頂けたことに感謝の気持ちでいっぱいです。寂しい気持ちでいっぱいなんですが、1回1回目に焼き付けて、命に焼き付ける思いで頑張ります」とラストイヤーを噛み締めるようにコメント。

越岡裕貴さんは「11月に7年ぶりにふぉ〜ゆ〜が揃うということで、エモい気持ちになりつつ、良いバトンを大阪公演やる方に繋げられるよう、1公演1公演務めていきたいと思います」と久しぶりにふぉ〜ゆ〜4人全員での出演についても触れられました。

松崎祐介さんは「ラストイヤーということでございますが、当たり前のように帝国劇場に立たせて頂くことが、当たり前のことではないと。しっかり自分自身に問い詰めながら頑張っていきたいと思います!」と真面目なコメントの後に「よろしくお願いしました!」と何故か過去形になり、すかさず越岡さんからツッコミが。

佐藤勝利さんは「初めて観たエンタメが『Endless SHOCK』でした。15歳でした。その時は右も左も分からず、何ができたわけでもないんですけれども、そこから光一くんをずっと憧れて。『Endless SHOCK』ラストイヤーで光一くんと役として肩を並べるライバル役をやらせて頂けることが本当に光栄なので、一生懸命頑張りたい」と決意を語りました。

またグループ活動の変化もあったことを踏まえ、「たくさん変わったことがいっぱいあるんですけれど、変えてはいけないことも一方で大事にしたいなと思っていて。光一くんの背中を追い続けていても感じるんですけれども、応援してくださっているファンの皆様に楽しんでいただく、その気持ちは変えてはいけないことだなと思いますので、そこを大事にしています」とファンの皆様への想いを丁寧に言葉にされました。

最後に堂本光一さんから「お客様も自分も、この景色や1つの1つのシーンを噛み締めながら、目に焼き付けながら、(カンパニーの)みんなとの時間も大事にしながら。いつも通り『SHOCK』という世界でとりあえずこの2ヶ月、生きられるということが大事にしたいことだなと思っていますし、嬉しいことなので、皆さんと共有できることを楽しみにしています」とファンの皆さんにメッセージが贈られ、会見が締めくくられました。

Show Must Go On!エンターテイメントを追求する先に見えるもの

フライングや階段落ちなど、唯一無二のエンターテイメントを追求し続けてきた『Endless SHOCK』。その歴史を創り上げてきた本作に携わってきた方々の名前が映し出され、ラストイヤーの幕が開きます。

舞台はニューヨーク、オフ・ブロードウェイの劇場。コウイチ率いるカンパニーが日々ショーに磨きをかけています。彼が手がけるショーは、フライングをしたり、コウイチとリカを乗せた赤いオープンカーが宙を舞ったりと華やかな演出が満載。その素晴らしいショーは話題となり、遂にオン・ブロードウェイからオファーが来ます。

カンパニーのメンバーでコウイチと幼なじみのショウリは夢を掴もうと意気込みますが、コウイチは「オン・ブロードウェイの先に何があるのか」「大劇場に行くのが本当に自分たちのためになるのか」と思い悩んでいる様子。2人の思いは少しずつすれ違い始めてしまいます。

ブロードウェイの街で夢を追いかけるカンパニーを描いた本作では、ダンスシーン、アクロバット、フライング、パーカッションなど華やかな演出で次々に魅了。広大な舞台面いっぱいに広がる群舞や盆など、帝国劇場ならではの機構を活かして壮大な世界が広がります。また『ウエスト・サイド・ストーリー』を彷彿とさせる街角でのダンスバトルやマイケル・ジャクソンの「スリラー」のようなダンスシーンなど、エンターテイメントへの愛情が各所に散りばめられているのも特徴です。

さらに2幕でショウリが悪夢に悩まされる場面では、シェイクスピアの『ハムレット』『リチャード3世』を引用。劇中劇が効果的に使用されることの多いシェイクスピアの作品を、『Endless SHOCK』の劇中劇(ショウリの夢)として登場させる粋な演出です。コウイチとショウリの境遇に重なり合う形で、堂本光一さんと佐藤勝利さんがシェイクスピアの名台詞を言う場面は非常に印象的なシーンではないでしょうか。

「階段落ち」で知られるジャパネスクを始め、殺陣や和太鼓など日本らしい演出も盛りだくさん。そして2幕ではリボンフライング、2階に降り立つラダーフライング、和傘フライングと立て続けに堂本光一さんが客席の上を飛び、劇場全体を使って魅せていきます。その姿は、命の炎が尽きゆく中でも「Show Must Go On」の精神でショーを続けるコウイチと、圧巻の演出の数々をこなす堂本光一さん自身とが重なり、気迫に満ち溢れています。常人離れした体力と美しい身のこなし、主演としての存在感、一瞬たりとも見逃したくないと思わせるパフォーマンス力。まさにトップスターのステージです。

リカ役の中村麗乃さんはドレス姿が美しく、高音を綺麗に響かせた歌唱と、しなやかなダンスが魅力的。コウイチを慕いながらも、コウイチの死をいち早く受け止め、カンパニーに前を向かせる逞しさも持っています。そして前田美波里さん演じるオーナーが、カンパニーを優しく見守ります。

ライバル役となる佐藤勝利さんは、リカに恋するも空回りする姿が可愛らしく、一方でコウイチと対立する場面では目に光を宿し、全身で叫び、ショーへの熱い想いを感じさせます。ショウリの行動は悲劇へと繋がりますが、そこに大きな悪意はないと確信させられるのは、佐藤さんの優しい人柄が端々に滲み出ているからなのかもしれません。

悲しみを乗り越え、傷をも糧にしてステージに立つショウリの姿もまた、佐藤さんご自身の姿と重なります。「コウイチ、もう一度お前のステージに立たせてくれ」。ショウリの台詞は、『Endless SHOCK』ラストイヤーとなる今年、より深く響いてくることでしょう。

撮影:山本春花

息をつく間も無く次々に多彩な演出で魅了する『Endless SHOCK』。世界に誇れる唯一無二の超絶エンターテイメント作品の最終章が、今始まります。帝国劇場での公演は4月11日から5月31日まで。その後、梅田芸術劇場、博多座、そして再び帝国劇場での公演が行われます。公式HPはこちら

Yurika

「この作品は帝国劇場と共に歩んできた」という堂本光一さんのお言葉通り、帝国劇場の機構を駆使し、壮大なスケールで織りなすエンターテイメントに胸が高鳴り続ける約3時間でした。