7月5日(金)から三越劇場で開幕する舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』。鈴木保奈美さんが主演を務め、鈴木さんのラブコールによってアガリスクエンターテイメントの冨坂友さんが脚本・演出を手掛けます。共演には、寺西拓人さん、相島一之さん、佐藤B作さん。本作の一部シーンが公開されたプレスコールと取材会の様子をお届けします。
県知事の小川が豪華なシャワールームを作った理由とは…?
2024年3月には本作の前日譚となる『生ドラ!東京は24時 -Starting Over-』がフジテレビで放送され、鈴木保奈美さん演じる小川すみれが政界への進出を打診される…という展開で幕を閉じました。
舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』では小川すみれがクリーンなイメージと圧倒的な女性人気で県知事に当選するも、知事室の中に豪華なシャワールームを作ったことで批判の的になってしまっています。
プレスコールでは小川すみれ(鈴木保奈美さん)の知事室に県議会のドン・山階嘉徳(佐藤B作さん)が訪れ、彼に持ちかけられた談合に応じてしまったことをきっかけに、シャワールームを作らざるを得なくなったことが明かされます。
必要のないシャワールームを作ったことで、若き県議・東海林亮(寺西拓人さん)から質問攻めに遭う小川。どうこのピンチを切り抜けるか、副知事の森健一郎(相島一之さん)、ブレーン・峯岸俊雄(中田顕史郎さん)、気弱な行政秘書・谷田勇(伊藤圭太さん)と頭を悩ませていると、小川の娘・あやめ(榎並夕起さん)が訪ねてきます。
彼女の言葉をヒントに東海林からの質問攻めを切り抜けようとする小川ですが、それがどんどん墓穴を掘っていってしまい…。政治家の汚職をテーマに扱った本作ですが、冨坂節満載、コミカルなやり取りがスピーディに展開していき、なぜか小川と東海林は食堂のメニューを巡って言い争い合う羽目に。小川の今後が気になる展開で、プレスコールは終了となりました。
いい大人たちが繰り広げる“くだらない屁理屈”を楽しんで
取材会には、鈴木保奈美さん、寺西拓人さん、相島一之さん、佐藤B作さんと、 脚本・演出の冨坂友さんが登壇しました。
鈴木さんは「もう今すぐ裏に帰って練習したい」と言うほど初日に向かって佳境を迎えているようで、念願の冨坂作品出演についても「観るのとやるのとでは違いました…(笑)」とてんてこ舞いのご様子。
ただ相島一之さんからは「保奈美さんが凄いんですよ!膨大な台詞量で。政治家って喋る役でしょ。だから頭から終わりまで喋りっぱなしなんです」と興奮気味に明かされ、寺西拓人さんも「2時間15分の上演時間のうち、2時間くらいは保奈美さんが喋っていると思う」とコメント。鈴木さんの実力と努力無くしては成り立たない圧巻の新作喜劇が出来上がりそうです。
これまで数々の作品に出演してきた寺西拓人さんは、本作で鈴木保奈美さんとの共演にあたり、ご両親からの反応が大きかったそう。「特に母親が凄かったです。いつもこういう作品に出ます、というのは報告しているんですけれど、今回の驚き方が一番でした」と明かし、親孝行なお仕事となったようです。
三谷幸喜さん主宰の劇団・東京サンシャインボーイズの主要メンバーとして、三谷作品でも欠かせない存在である相島一之さん。同じくシチュエーションコメディを手がける冨坂さんについては「三谷をリスペクトしてくださっているなというのを本当に感じるので、凄く嬉しいです。コメディはやっぱり難しくて、でもそれに果敢に挑戦されていますし、今回もコメディの技術がいっぱい詰まっていると思うんですよ。それを上手いことお客さんに届けるというのは、リスペクトしてくれている側の僕らの課題というか、頑張ろうと思っています」と愛あるコメントをされました。
これまで数々の喜劇作品に出演されてきた佐藤B作さんも冨坂さんの台本を「素晴らしいです。何もないところから喜劇の話を作るという作業をなさる作家が一番大変だと思います。今回はかなり面白くできている」と絶賛。一方で、「作る方は(台本が出来上がるのが)遅いんだ(笑)。三谷くんも遅かったし、冨坂くんもね(笑)。大変でした」とタレコミが。
これには冨坂さんも「遅くなって本当に申し訳ありませんでした!」と謝罪。鈴木さんの長い演説シーンが出来上がるのもギリギリだったそうで、鈴木さんから「凄く期待されているのか、嫌がらせなのか、どっちかかと思います(笑)」と言われると、すかさず「期待と信頼の結果の甘えです、すみません!」と謝り倒しの冨坂さんでした。
また冨坂さんは「近い年代の劇団のメンバーとコメディを作ってきた経験が長かったので、同じ分野の大先輩とやらせていただくのは凄く勉強になっています。相島さんからは、ひたすら人物を真面目に演じるということの大事さを改めて教えてもらったなと思っていますし、B作さんは台本が一番大事だとおっしゃっているんですけれど、台本とかじゃなくて面白い人の面白い姿があればもう良いんじゃないかということを教えてもらっている日々」と語り、コメディを極める実力派たちが集結し、良い化学反応が生まれている様子が窺えました。
最後に鈴木さんから「重厚な素敵な劇場で、いい大人たちがくだらない屁理屈を言いまくっておりますので(笑)、リラックスして楽しみに来ていただけたらと思います」とメッセージがあり、取材会が締め括られました。
舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』は7月5日(金)から16日(火)まで東京・三越劇場、7月20日(土)から21日(日)まで京都・京都劇場にて上演が行われます。また完売公演続出を受けて、FODでの独占配信が決定!7月12日(金)18時公演(アフタートークイベント付き)がライブ配信され、7月28日(日)まで視聴が可能です。詳細はこちら
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鈴木さん演じる小川にモデルはいないとのことですが、寺西さん演じる東海林は、冨坂さんよりモデルとなる議員が挙げられ、寺西さんはその方を徹底的に研究されたそう。誰なのかは秘密ということですが、リアリティ溢れる東海林の姿にも注目です。