2022年に手がけた「生ドラ!東京は24時」の『シンガロング!』で、2022年度ギャラクシー賞奨励賞を受賞した冨坂友さんが、豪華キャスト陣とともに異色のポリティカルコメディに挑む舞台『逃奔政走-嘘つきは政治家のはじまり?-』。主演は、トレンディードラマ作品に多数出演してきた鈴木保奈美さん。今回は、鈴木さんのコメディ初主演舞台となる本作についてご紹介します。

「喜劇の達人」による待望の新作舞台!

本作は、ポスト・三谷幸喜との呼び声も高い、アガリスクエンターテイメントの冨坂友さんが脚本・演出を担当。冨坂さんは、今や全国の大学演劇サークル、中・高演劇部に愛される代表作の『ナイゲン』をはじめ、CoRich舞台芸術アワード!2022にて全6,404公演中の1位を受賞した『SHINE SHOW!』など、高い人気と確かな実力を両立した新進気鋭のコメディ作家です。

新作舞台のテーマは「ポリティカルコメディ」。クリーンなイメージと圧倒的な女性人気で当選した小川すみれ県知事は、大ピンチに陥っていました。知事室の中に豪華なシャワールームを作ったことが議会やメディアで追及され、「贅沢趣味だ」「税金の無駄遣い」と批判され始めたのです。

無茶な答弁とめちゃくちゃな屁理屈を駆使しつつ、あの手この手で言い逃れをはかる小川陣営。しかし、しょうもないスキャンダルに見えるこの事件の裏には、より大きな政治とカネの火種が隠されていたのでした。自分の理念と政治生命のため、なりふり構わず奔走する小川知事は、追及から、しがらみから、逃げ切ることができるのでしょうか?そして彼女の下した決断とは?

錚々たるキャスト陣が大集結!

人気女性知事である小川すみれを演じるのは、”トレンディドラマ作品全盛期の女優”というパブリックイメージを持ちながら、近年は映像だけでなく舞台作品にも精力的に出演している鈴木保奈美さん。理想に燃え、弱者の味方になるべく政治の世界に身を投じたものの、スキャンダルの火消しに奔走する羽目になる姿をスリリングかつコミカルに演じます。

小川すみれの不祥事を追及するライバル政治家を演じるのは寺西拓人さん。『The Agent』『四月は君の嘘』などのミュージカルから劇団☆新感線『ミナト町純情オセロ~月はとっても慕情篇~』などの舞台まで、歌唱力とダンスを活かし幅広いジャンルで活躍する、今大注目の俳優です。

他のキャスト陣も非常に豪華です。副知事役として、25歳で三谷幸喜主催の劇団「サンシャインボーイズ」に参加し、舞台のほか、映画、音楽、落語と様々なジャンルで活動する相島一之さん。

大物政治家役を、自身が立ち上げた劇団東京ヴォードヴィルショーが昨年50周年を迎え、22年には『ザ・空気ver.3』で第29回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞し、「喜劇を知り尽くした」とも評される佐藤B作さんが演じます。

冨坂友×鈴木保奈美、夢のタッグが実現!

本作の上演が決定した背景には、鈴木さんから冨坂さんへの熱烈な「ラブコール」がありました。

子育てを一段落させ、俳優業に復帰するにあたり、俳優仲間と共にワークショップや観劇を通じた演技の研鑽の場「部活」を立ち上げた鈴木さん。そんな中、2017年、彼女はある舞台に衝撃を受け、「この舞台に一緒に立ちたい!」と感じます。実は、この舞台の脚本・演出を務めていたのが冨坂さんだったのです。

若き三谷幸喜作品を彷彿とさせるようなシチュエーションコメディを得意とする冨坂さんの作品を気に入った鈴木さん。「部活」のメンバーである中田顕史郎さんとの二人芝居を企画し、冨坂さん作の『笑の太字』を選びます。上演したところ大好評となり、冨坂さんも「いつか鈴木さんと新作をつくりたい」と切望するようになりました。

この2人が、今度はテレビで出会います。完全ワンカット・生放送ドラマとして話題になり、ギャラクシー賞奨励賞を受賞した2022年のフジテレビ年末特番『生ドラ!東京は24時』。冨坂さんが脚本・監督に抜擢され、鈴木さんが主演にキャスティングされたのです。そんな出会いを経て、遂に2人の念願が実現します!

冨坂さんは本作について、「知的で誠実で正義感のある女性知事が、しょうもない悪事に手を染め七転八倒する様を、どうぞ笑ってご覧ください」とコメント。

また、鈴木さんは「ここに出たい!と灯し続けた炎は人々の手を経て聖火台までやってきました。ここから大きな花火となって打ち上がるのか、未熟な自分は焼き尽くされてしまうのか。ままよ。バケツに水、汲んでおいてくれ!」とチャーミングに語ります。この舞台、一体どんな花火が観られるのでしょうか?

舞台『逃奔政走-噓つきは政治家のはじまり?-』は、2024年7月5日(金)から7月16日(火)まで東京の三越劇場で、7月20日(土)・21日(日)に京都劇場にて上演されます。公式HPはこちら

さよ

政治生命を揺るがす大スキャンダルを、冨坂さんとキャスト陣がどのように描き出すのか。楽しみな気持ちが抑えられませんね。予測不能な異色のポリティカルコメディ、ぜひ劇場でご覧ください!