イギリス国王・ヘンリー8世の妻6人が、歌で自らの人生を語るミュージカル『SIX』。2025年1月、イギリスのツアーキャストによる来日版に続いて、日本キャスト版の上演も決定しました。気になる日本キャスト版について、見どころをご紹介します。

イギリスの大学から世界へ飛び出した大ヒットミュージカル

『SIX』は、トビー・マーロウとルーシー・モスが2017年に制作したミュージカル。2人は当時、イギリスのケンブリッジ大学に通う学生でした。新進気鋭の作家の登竜門として知られるエディンバラ・フリンジ・フェスティバルで初演されると、歴史をテーマにした斬新な作品内容が話題に。

そこからUKツアーを経て、2019年にロンドンのウエストエンド、2020年にはニューヨークのブロードウェイで上演。2022年のトニー賞では、ミュージカル衣裳デザイン賞とオリジナル楽曲賞を受賞しています。

その人気は、舞台だけに留まりません。ブロードウェイ・アルバム『SIX: LIVE ON OPENING NIGHT』は、ビルボードのキャスト・アルバム・チャートで初登場1位を獲得。また、ソーシャルメディアも150万人以上にフォローされ、Queendom（クイーンダム）と呼ばれるファンのオンライン・コミュニティまで生まれました。

ミュージカル『SIX』では、16世紀のイギリス国王であったヘンリー8世の6人の妻にスポットを当てています。彼女たちは、それぞれにドラマチックな運命を辿りました。

キャサリン・オブ・アラゴンは最初の妻であり、最も長く結婚生活を送った相手でもありながら離婚（＝DIVORCED）されてしまいます。愛人から2番目の妻へと出世したアン・ブーリンは、反逆や姦通の罪に問われて打首（＝BEHEADED）。3番目のジェーン・シーモアは、後継ぎとなる男の子を出産した後に亡くなります（＝DIED）。4番目のアナ・オブ・クレーヴスは、肖像画と実物が違うという理由から早々に離婚。5番目のキャサリン・ハワードはアン・ブーリンの従妹にあたりますが、不貞を疑われてこれまた打首に。最後の妻、キャサリン・パーはヘンリー8世に先立たれ、結果的に6人の中で唯一生き残った王妃となりました（＝SURVIVED）。

在位38年間で、6度も妻を変えたヘンリー8世。そんな夫に振り回された女性たちが現代に蘇り、観客に向けて語るのは「誰がいちばん悲惨な目にあったのか」。80分間ノンストップで繰り広げられる圧巻のライブに、夢中になること間違いなしです。

日本人キャストによる『SIX』が見られる！

今回、東京の来日公演後に、日本キャスト版が東京・愛知・大阪を巡演します。

6人の王妃は全役Wキャスト。キャサリン・オブ・アラゴン役は鈴木瑛美子さん・ソニンさん（東京のみ）、アン・ブーリン役は田村芽実さん（東京・愛知のみ）・皆本麻帆さん、ジェーン・シーモア役は原田真絢さん・遥海さん、アナ・オブ・クレーヴス役はエリアンナさん・菅谷真理恵さん、キャサリン・ハワード役は鈴木愛理さん・豊原江理佳さん、キャサリン・パー役は和希そらさん・斎藤瑠希さんです。

なお来日版と日本キャスト版においては、全公演でカーテンコール中に写真および映像撮影ができます。ただし、場内スタッフが「撮影OK」を掲げている時間内に限られ、フラッシュも使用禁止。ルールをしっかり守ったうえで、思い出を残しましょう。

東京・大阪公演にはイベント回もあり！

『SIX』の東京・大阪公演では、観劇をより盛り上げるイベントが開催されます。東京公演限定のイベントは2つ。

ひとつはドレスアップ推奨回で、『SIX』の物語や6人の王妃たちをイメージした格好で来場してもよいとのこと。洋服やメイクで、推しの王妃になりきってみるのも楽しそうですね。

もうひとつのシング・アロング回では、なんと本編中すべての楽曲で、観客がキャストと一緒に歌うことが可能に。これまでウエストエンドやブロードウェイなど各地の公演でも人気だったそうで、かつてない一体感を味わえるのでは。

ただし、どちらのイベントについても、参加・協力はあくまで任意となっています。

東京の一部公演と大阪の全公演で実施されるのが、光るライトスティック配布回です。カーテンコール中、入場時に配られたライトスティックを振って会場全体を光で彩ろうという企画。使用できるのはカーテンコールで場内スタッフが「ペンライトOK」を掲げている時間だけなので、うっかり光らせないように注意してくださいね。

さらに、日本キャスト版だけの特別イベントも見逃せません。

東京公演ではノベルティを配布する回を設定していて、対象公演回ごとにデザインが異なります。

また、大阪公演では、「SIX NIGHT」として開演60分前に劇場ロビーをオープン。対象公演当日の観劇チケットを持っている方であれば参加でき、限定のフードやドリンクを楽しめます。

そして日本キャスト版の東京公演では、舞台手話通訳付きの回を用意。該当公演において、舞台向かって右側に立つ舞台手話通訳者が、手話で台詞や楽曲を伝えます。手話通訳者に近い鑑賞サポート席もありますよ。

	東京公演	大阪公演
【東京公演限定】ドレスアップ推奨回	2月1日（土）17:00 2月8日（土）17:00 2月15日（土）17:00	なし
【東京公演限定】シング・アロング回	2月18日（火）19:00	なし
光るライトスティック配布回	2月2日（日）17:00 2月4日（火）19:00 2月9日（日）17:00 2月13日（木）19:00 2月16日（日）17:00 2月18日（火）14:00	全公演
【日本キャスト版 東京公演限定】ノベルティ配布回	2月5日（水）14:00 2月6日（木）14:00 2月11日（火・祝）17:00 2月14日（金）14:00 2月19日（水）19:00	なし
【日本キャスト版 大阪公演限定】SIX NIGHT	なし	3月7日（金）19:00 3月8日（土）17:00 3月9日（日）17:00 3月11日（火）19:00 3月14日（金）19:00 3月15日（土）17:00
【日本キャスト版 東京公演限定】舞台手話通訳付き公演	2月5日（水）19:00 2月11日（火・祝）12:00	なし

ミュージカル『SIX』日本キャスト版は、東京のEXシアター六本木にて2025年1月31日（金）から2月21日（金）まで上演。その後、愛知公演が2月28日（金）から3月2日（日）まで御園座で、大阪公演が3月7日（金）から16日（日）まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで行われます。チケットの一般発売は東京公演・大阪公演ともに10月27日（日）、愛知公演は12月1日（日）より開始。詳細は公式HPをご確認ください。