4月7日(月)から30日(水)まで東京・PARCO劇場にて、その後大阪・福岡・愛知にて、パルコ・プロデュース2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」の上演が決定しました。2023年に新国立劇場にて、マキノノゾミさん演出、加藤シゲアキさん主演で初演された本作が、会場をPARCO劇場に移し再演を迎えます。
「再び走り回る準備を始めています」
2016年に若手劇作家・演出家アレクシス・ミシャリクによってパリで上演された「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」。17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人の恋物語『シラノ・ド・ベルジュラック』の誕生秘話をドタバタ幕内コメディ仕立てに描き、正統派のフランス喜劇の流れをくみながら、テンポのいい台詞運び、そして、サラ・ベルナールやチェーホフなど実在の人物も登場させるなど、約120年前の演劇人やクリエイターたちに向けた劇場愛にあふれた賛辞として、大人気を博しました。
2017年のフランス演劇界最高の栄誉と言われるモリエール賞には7部門でノミネートされ、作品賞、脚本家賞、演出家賞など5冠を達成。2018年にはミシャリク自身の手によって映画化(「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」2020年11月日本公開)もされました。
日本では2023年に新国立劇場にて、マキノノゾミさん演出、加藤シゲアキさん主演で初演。2万人の観客を笑いと感動の涙の渦に巻き込みました。今回はPARCO劇場に会場を移し、約2年ぶりのパワーアップしたエドモンを届けます。
初演に続き演出を務めるのは、令和3年度第72回芸術選奨 文部科学大臣賞を受賞、令和4年秋に紫綬褒章を受章するなど劇作家・演出家としての功績を高く認められるマキノノゾミさん。時代劇から現代劇、ストレートプレイからミュージカルと数多くの作・演出作品を手掛け、2018年には『シラノ・ド・ベルジュラック』の日本公演の上演台本(鈴木哲也さんとの共同上演台本)も担当しました。
“書けない”劇作家エドモン・ロスタン役で主演を務めるのは、NEWSとしての活動に留まらず、作家としても数々の人気作を生み出し、2023年に発表した小説『なれのはて』(講談社刊)では2作連続で直木賞にノミネートされるなど、多岐に渡って活躍する加藤シゲアキさん。エドモンを真に理解する加藤さんが、再び舞台上を駆け回ります。
新たなキャストとして、有名喜劇俳優コクランに、『劇映画 孤独のグルメ』など様々な映像作品で確かな存在感を発揮し続けている村田雄浩さん、衣裳係ジャンヌに、ドラマ『ブラッシュアップライフ』やNHK 大河ドラマ『光る君へ』に出演し、今最も注目を集める新星の瀧七海さん、コクランの息子ジャンに、シリアスからコメディまで幅広い作品に出演する阿岐之将一さん、そして、カフェの店主ムッシュ・オノレにNHK 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』や舞台『千と千尋の神隠し』にも出演の堀部圭亮さんの4名を迎えます。
そしてエドモンの友人で俳優のレオに細田善彦さん、舞台監督のリュシアンに福田転球さん、兄弟でプロデューサーを務めるアンジュに三上市朗さん、マルセルに土屋佑壱さん、大御所女優サラ・ベルナールに枝元萌さん、エドモンの妻ローズに佐藤みゆきさん、訳アリわがまま大女優マリア・ルゴーには安蘭けいさんが初演から続投。
個性豊かな実力派キャスト総勢12人が本役以外にも約50もの役を演じ分けます。
マキノノゾミさんは「新作劇の初日を開けるまでのムチャぶりの連鎖!迷走につぐ迷走!劇作家の受難につぐ受難ぶり!これはもう同業者として同情を禁じ得ないどころの話ではありません!いやもう実にリアル!実に滑稽!(だって現実の自分自身も、今まさにその状態の渦中ですから!)
というわけで、日本広しといえども、このフランス発の傑作コメディーを、強烈な思い入れと、熱烈なシンパシーをもって演出できるのは、もはや「このわたししかいない!」と思い上がって、初演の幕を上げてから二年!
何と!大好評につき再演の運びとなりました!
この二年の間に、わたしは何本かの新作戯曲を書き、加藤シゲアキくんもまた新作のベストセラー小説を書き下し出版いたしました!
つまりまあ、ありていに申せば、わたしと加藤くんは、よりいっそうエドモン・ロスタンの「境地」に近づいているわけであります!
この再演が「面白くないわけがない!」という、いちばんの根拠がそれです!
相変わらず意味なく「!」の多い文章ですが、そういうわけですので、面白くなるに決まってます!ええ、ますます!!
どうぞ、ご期待ください!!!」と興奮たっぷりにコメントしました。
そして加藤シゲアキさんは「「『エドモン』を再演したい!」とスタッフから聞いたのは 2023年、初演の東京千秋楽でした。まだ地方公演が残っているにもかかわらずそれほど手応えを感じてもらえたのは素直に嬉しかったです。がしかし、「この忙しない舞台をまたしても!?」と思ったのも事実であります。
まるで運動会のように走り回るこの舞台を、自分が本当にまたできるのかという不安は正直に言ってありました。
がしかし、運動会だからこその興奮、感動、達成感は確かにあり、それは観客の皆様にも伝わっていたと自負しています。
作品が書けず追い詰められていくエドモンには、私としてはやはり共感しかありませんし、だからこそ「シラノ・ド・ベルジュラック」という傑作が生み出されたのだと思えば、この再演をやらない理由もなく、私は再び走り回る準備を始めています。
前回来てくださった方々も、前回見逃してしまった方々も、興味を持たれたならばどうぞいらっしゃってください。そして一緒に歓喜しませんか」とコメントしました。
「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」は2025年4月7日(月)から30日(水)までPARCO劇場にて上演。5月9日(金) 10日(土) に大阪・東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール、5月17日(土)18日(日)に福岡・福岡市民ホール 大ホール、5月24日(土)に愛知・豊田市民文化会館 大ホールにて上演されます。公式HPはこちら