劇場の集まる街、下北沢。そんな演劇人のメッカで毎年開催されているのが“下北沢演劇祭”です。今年でなんと35回目を迎えるこのイベント。一体どんなお祭りなのでしょうか?
演劇を、この街と共に。
本多劇場、ザ・スズナリ、駅前劇場。数多くの劇場があり、演劇人が夢を抱いて生きる街、東京下北沢。行ったことがない方でも“演劇といえば”なイメージがあるのでは?
演劇の街で、演劇を愛する人のために。1990年、演劇人・演劇ファンの皆さんの熱い想いからこのお祭りは誕生しました。
毎年2月の1ヶ月間、劇場が隣接するその地域的特性を活かしつつ“より広く・より身近に”をモットーに演劇文化の魅力を発信してきたのだとか。
この期間、とにかく色々な劇場で多彩なジャンルの作品が上演されます。そして街の至る所にはポスター。各劇場ではお祭りのパンフレットが配布され、下北沢全体がいつも以上に演劇で溢れかえります。
そんなハッピーなお祭りを構成しているのはこの2部門。
・下北沢演劇祭 参加団体の作品
・下北沢演劇創作プログラム 参加者による作品
それではこれらの作品についてご紹介しつつ、下北沢演劇祭の注目ポイントを深掘りしていきます!
あなたは何を観る?個性豊かなラインナップ
まずは下北沢演劇祭 参加団体の作品について。毎年数々の劇団が参加しているこのイベントですが、第35回目となる今年度は10劇場で21団体の作品が上演されます。宮沢賢治さんの『星めぐりの歌』をアレンジした参加型の音楽劇や三島由紀夫さんの『橋づくし』を原作とした作品など、日本の名作を活かした団体もあれば、韓国発のブラックコメディ、アジアンテイストのギリシャ神話も。もちろんオリジナルの現代劇で挑む劇団もあります。さらに楽しいアフタートークを設けている公演も多数。
どの作品も魅力的で何を観るか決められない!そんな悩める演劇ファンの皆さんにオススメなのが、前売り券の購入・各種割引の活用です。
前売り券が当日券よりお得なお値段なのはもちろん、U-25割やシニア割、学割、そして夜割(夜公演のみ割引)なるものがある団体も。
加えて、世田谷区にお住まいの方はもっとお得に!なんと全ての作品に“区民割”が付き、通常よりお安く楽しめてしまうのです!世田谷区・世田谷区教育委員会が後援で携わっているだけありますね。まさに街をあげての大祭。
割引を活用すれば1000円で観られる作品もあります。ということで、お得にチケットを確保したらすることはただ1つ。浮いたお金でチケットを増やして、観たい作品を全て観るのです!!
小さな範囲にたくさんの劇場がひしめいている下北沢。お昼と夜とで別の作品をハシゴすることだって可能です。少しでも気になる作品があれば、これを機にぜひ観劇してみてくださいね。
ちなみに、バリアフリー対応が豊富なのも素敵なポイント。
・台本貸し出し
・タブレットでの字幕ガイド
・音声ガイド
・手話通訳
・開演前に舞台の事前説明
・開演前アナウンスの文字資料を配布
・英文表記の当日パンフレットを配布
・受付での筆談対応
・受付での手話通訳
・下北沢駅からの移動をサポート
身体・視覚・聴覚・言語が不自由な方向けのサービスなので、該当する方はぜひお問い合わせください。作品・劇場によっては対応していないものもあるため事前チェックは必須です!また、車椅子用のお席はどの劇場でも用意可能とのこと!
地域に根ざした手作りの演劇を!下北沢演劇創作プログラム
ここまで参加団体の作品についてお伝えしてきましたが、もう1つご紹介したいのが“下北沢演劇創作プログラム”の作品です。
作品に出演するのはなんと、公募にて募った地域の演劇好きたち。経験の有無は問わず、プロのスタッフ指導のもと週末に稽古を積み重ねています。Aチーム(13日〜16日)とBチーム(21日〜24日)、2つに分かれて本番に挑みます。
演目もチームごとに異なるものを上演。
Aチームは山崎洋平さん作演出で『バーチャンズ11』。知っている方なら作品名でふふっとなるはず。Bチームは佐藤慎哉さん作演出で『屋上の優しいスナイパー』『囚われたもの達と一人の少女』の2本。短編・中編のコメディです。
そしてこの2チームの作品、全席自由席・入場無料なのです。事前の予約は必須になりますが、無料で楽しめるのはかなり嬉しいですね。
会場は北沢タウンホール。あなたもぜひこの街の演劇愛を体感してみてください!
第35回下北沢演劇祭は、2025年2月1日(土)から2月28日(金)までの開催です。今まで小演劇やストレートプレイに出会ってこなかった方、下北沢に行ったことがない方も、この機会に新たな演劇文化に触れてみてはいかがでしょうか?詳しくはこちら。
学生時代は下北沢で演劇をしている人に漠然とした憧れがありました。最近は足を運べていないので、この機会に行ってみようと思います!