第29回 読売演劇大賞では、大賞と最優秀作品賞に野田秀樹さん主宰NODA・MAPの新作『フェイクスピア』が選ばれ大きな話題となりましたね。「読売演劇大賞」とはどういった賞なのかをご紹介します。

演劇界で注目されている演劇賞のひとつ「読売演劇大賞」

読売新聞が主催、日本テレビ放送網が後援している「読売演劇大賞」。演劇界の文化振興のために1992年に創設されました。日本国内で年内に上演された作品が対象となり、「作品賞」、「男優賞」、「女優賞」、「演出家賞」、「スタッフ賞」の5部門それぞれノミネートされ、年間最優秀賞が決定されます。このほか、新人俳優に贈られる杉村春子賞や、長年の功績や優れた企画を顕彰する芸術栄誉賞も設けられています。

選考方法は、一次選考会で選考委員がノミネートした作品から「優秀賞」を選出します。その中から、全国の演劇に関わる評論家、ライター、制作者、研究者、劇場スタッフで構成されている107名の投票委員の投票で5部門の「最優秀賞」が決まります。

続いて、投票委員の推薦を基に将来の活躍が期待される新人俳優を対象とした「杉村春子賞」が決定。最終的に5部門の最優秀賞と杉村春子賞の受賞者から、最高賞となる「大賞」が選ばれます。また、演劇界に長年にわたり貢献したり、優れた企画を進めたりした功績のある個人や団体を顕彰する「芸術栄誉賞」も最終選考会で選出されます。

第29回 読売演劇大賞 受賞発表!!

2月6日に第29回 読売演劇大賞が発表されました。

・大賞・最優秀作品賞:『フェイクスピア』
・最優秀男優賞:高橋一生さん『フェイクスピア』
・最優秀女優賞:緒川たまきさん『砂の女』
・最優秀演出家賞:上村聡史さん『OSLO』『森フォレ』
・最優秀スタッフ賞:伊藤雅子さん『反応工程』『友達』『ジュリアス・シーザー』
・杉村春子賞:那須凛さん『アルビオン』『春の終わりに』『ザ・ドクター』
・芸術栄誉賞:本多劇場グループ
・選考委員特別賞:『桜姫東文章』

今回の大賞には、『フェイクスピア』に出演した最優秀男優賞:高橋一生さんも推薦されたようですが、脚本、出演者、演出、スタッフといったこの舞台を作り上げた総合力がポイントとなり『フェイクスピア』が大賞に選ばれたようです。それだけこの作品の評価がとても高かったと言えるでしょう。

贈賞式は今月25日、東京・帝国ホテルで行われます。野田秀樹さんが30年以上温めてきたテーマで挑んだ『フェイクスピア』。第15回『THE BEE』、第18回『ザ・キャラクター』に続いてなんと3度目の大賞受賞です。贈賞式でどのように受賞の喜びをコメントされるのか注目です。『フェイクスピア』の観劇リポートはこちら

Chizu

コロナ渦ということもありいろいろな制限のある中での舞台は、上演するだけでも大変なことだったと思います。このような演劇賞の発表によってまたエンタメ界がもっと盛り上がってくるといいですね。