江戸時代の測量家・伊能忠敬が主人公のラブコメディ『伊能忠敬、測り間違えた恋の距離』が、2025年8月14日から東京・下北沢のザ・スズナリで上演されます。上演するのは、歴史上の人物を題材にしたワンシチュエーションコメディで人気の劇団アナログスイッチ。偉人・伊能忠敬の意外な恋愛事情を描く、笑いとほっこり感が満載の第22回本公演です。

主人公は、日本地図の父・伊能忠敬!

今回のタイトルロールを飾るのは、「日本地図の父」として知られる伊能忠敬(いのうただたか)。江戸時代に日本国中を測量してまわり、初めて実測による日本地図を完成させた人物です。

1745年(延享2年)に現在の千葉県九十九里町で生まれた忠敬は、50歳で隠居したのち江戸に出て、55歳から71歳の間に10回にわたって測量を行ったパワフルな人物です。

『伊能忠敬、測り間違えた恋の距離』では、そんな忠敬が、内縁の妻であるお栄との距離感を「測りかねて」いるところから物語が始まります。

旅に出たい忠敬と、それを引き留めたいお栄。そして、夫婦の距離を調整し続ける周囲の人々の「距離感」がラブコメディとして描かれます。

日本地図を完成させるほどの偉業を達成した、いわば「測量のプロ」である忠敬が、一番身近な存在であるはずの妻との関係を測るのに苦労している状況は、人間味に溢れて笑いを誘いますね。

人間らしい魅力に溢れたアナログスイッチの「歴史シリーズ」

劇団アナログスイッチは「笑い損ねた日には、ちゃんとしたコメディを。」という理念のもと、2012年に佐藤慎哉さんを中心に旗揚げされた劇団です。

そんなアナログスイッチの公演の中で特に人気なのが、歴史シリーズです。伊能忠敬のように、歴史に名を遺した人物を題材にし、「ゆるくて笑えてほっこりする」ワンシチュエーションコメディを作り上げています。

過去には『信長の野暮』(2023年)『寝不足の高杉晋作』(2024年)など、歴史に名前を残した大物を主人公にしながらも、「野暮」や「寝不足」という言葉を使い、人間らしいおかしみを加え、独特の魅力を描くのが得意です。

特に、「休みたいのに休めない(『寝不足の高杉晋作』)」「身近な人との距離感がわからない(『伊能忠敬、測り間違えた恋の距離』)」というテーマなど、歴史劇ではありますが、現代の私たちにも共感できるような要素が込められているのが気になるポイントです。

『信長の野暮』、『寝不足の高杉晋作』ともに、前日満員御礼となるほどの盛況ぶりで、大きな話題を呼びました。今回の『ただ恋』にも期待が高まります。

奥谷知弘、小関えりかなど個性豊かな客演にも注目

『ただ恋』の客演には、奥谷知弘さん、田鶴翔吾さん、小関えりかさんなど、さまざまな個性や経歴を持ったキャストが集結しています。

奥谷さんは『寝不足の高杉晋作』で主人公の高杉晋作役を務めたほか、『信長の野暮』『幸せを運ぶ男たち』など、アナログスイッチの過去作品にも多く出演されています。

また、田鶴さんは『ミュージカル テニスの王子様 3rdシーズン』『HUNTER×HUNTER THE STAGE』など、2.5次元作品を中心に、人気作に出演されています。

さらに、小関さんは劇団「シベリア少女」の看板女優として、多くの舞台に出演歴があります。そのほか、さまざまな個性が光るキャストが集結し、作品を彩ります。

劇団アナログスイッチ22nd situation「伊能忠敬、測り間違えた恋の距離」は、東京・下北沢のザ・スズナリにて、2025年8月14日(木)~8月19日(火)まで。詳しくは特設ホームページをご覧下さい。

糸崎 舞

伊能忠敬と言えば、日本地図を完成させたすごい人、というイメージでした。しかし本作では、妻との距離感に悩む人間らしさが描かれるとのこと。歴史上の人物としてのイメージがガラッと変わって、親しみやすさを感じそうですね。