シェイクスピアの生まれ故郷、ストラットフォード・アポン・エイヴォン。ロンドンから電車で2時間ほどに位置するこの町にはイギリス国内外から観光客が集います。この町ではどこもかしこもシェイクスピアだらけ!たくさんある観光施設の中から押さえるべきおすすめスポットをご紹介します。
彼の人生を知るならここ!シェイクスピアの生家
世界に名を轟かせる劇作家が幼少から青年期を過ごした家。彼の人生を追いかける展示があり、シェイクスピア関連の観光施設では一、二を争う人気スポットです。現存する家の中には、革職人だった父親の作業場や家族で囲んだ食卓など、当時の生活が再現されています。
隣接するシェイクスピア・センターは彼の生涯に特化した展示施設。シェイクスピアが現代にまで受け継がれる布石となった作品集「ファースト・フォリオ」やさまざまな年代に創作されたシェイクスピアの肖像画などを見ることができます。
素朴な作りの中庭ではシェイクスピアの戯曲や詩の一節を朗読する俳優のパフォーマンスを楽しむこともできました(2018年時点)。その場所で生まれた劇作家が紡いだ言葉が、時を越えて天空へ放たれるというロマンを感じる粋な演出に、時間を忘れて長居してしまいます。
シェイクスピアが眠る ホーリー・トリニティ教会
エイヴォン川沿いにぽつんと建つ、ハチミツ色の不揃いなレンガ造りの古い建物はシェイクスピアの墓があることで有名なホーリー・トリニティ教会です。彼がここで洗礼を受けたという記録も残っており、シェイクスピアが生まれ葬られた聖地として、世界中の演劇ファンが巡礼に訪れます。
派手さはないけれど、1000年以上の歴史がある現役の教会。外観は生まれ故郷で静かに眠るシェイクスピアを穏やかに包み込んでいるような風情があり、中に入ると色鮮やかなステンドグラスに目を奪われます。
名優たちが立った舞台で観劇を ロイヤル・シェイクスピア劇場
世界的な劇団、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(以下RSC)の拠点として、2つの屋内劇場を擁する、この町の名物劇場です。公演ラインナップはシェイクスピアと同時期の戯曲が中心。RSCはイギリスの大御所俳優が軒並み所属してたことがあるほど権威ある劇団なので、遠征に来た演劇ファンでいつも賑わっています。
併設されているルーフトップレストランは人気が高く、上演前の時間帯は満席で入れないこともしばしば。観劇前に落ち着いて食事をするにはうってつけの場所なので、利用時は事前予約がおすすめです。もし満席でも、周辺のレストランはプリ・シアター・コースを用意しているところが多く、夜公演前のディナーに困ることはありません。
観劇以外に、小一時間で楽しめる劇場ツアーや町を見渡せる展望台など、短時間のアトラクションもあります。ロビーには過去作品で使用した、特殊素材の質感が特徴的な衣装が展示されており、必見です。散策するのも楽しいので、日帰り旅で観劇ができなくても訪れたい劇場です。
彼がいかに愛され、世界に根付いているかが体感できるこの町を訪れ、筆者は演劇文化により一層の愛着が湧きました。舞台好きのみなさま、イギリスを訪れる際には、シェイクスピアゆかりの地へ寄り道を検討してみてはいかがでしょうか。