スヌーピーとチャーリー・ブラウンを知らない人は世界中にいないのではないか。そう思うほど、世界中で愛されている彼らが舞台にやってきた!チャーリー・ブラウンは、何をやってもうまくいかない。「いい人」だけど、自分に自信が持てない。本作はそんな「普通のいい人」が主人公。ブロードウェイでも大人気の『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』を観劇してきました。(2021年4月・シアタークリエ)
4コマ漫画を読んでいるような軽快なコメディー
『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』はチャーリー・ブラウン、スヌーピーやルーシーなどお馴染みの6人の登場人物(犬)で展開していきます。描かれるのは、彼らの個性豊かなキャラクターと何気ない日常。まるで新聞の4コマ漫画を読んでいるような軽快なテンポ感で進んでいくため、肩の力を抜いて観劇できる作品です。
可愛らしいルックスと頼りなげな演技を見せるチャーリー・ブラウン役の花村想太さんは、観客がついつい「頑張れ」と応援したくなる愛嬌さ。しかし一度歌い出せば、透明感ある伸びやかな歌声に魅了されます。
コミカルに演じつつも圧巻の歌唱力で作品を下支えしていたのはスヌーピー役・中川晃教さん、サリー役・林愛夏さん。林さんはミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』でもその存在感を示しており、今後もミュージカルでの活躍に期待です。
すぐそばにある幸せに気づけるチャーリー・ブラウン
作品冒頭、チャーリー・ブラウンは「いい人」と言われることにコンプレックスを抱いています。現実世界でも、「あの人はいい人なんだけどねぇ」と少しネガティブな意味で使われることがありますよね。チャーリーはまさにその人。優しい性格ながら、何をやっても不器用で、臆病。いつも自信のないチャーリーに対してルーシーが放つ「あなたはあなたなのよ」という、シンプルながら芯をついたアドバイスにグッときます。
人よりゆっくり進むチャーリーだからこそ、気づける日常のささやかな幸せもあります。最後の楽曲「Happiness」では、「幸せは誰にもどこにもある きみが愛せば」と歌うチャーリー。忙しい毎日の中で、見落としている幸せはないか?問いかけながらいつもよりゆっくり歩き、帰路につきました。
『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』はシアタークリエにて4/11(日)まで上演。その後、大阪・愛知・長野公演が予定されています。チケットぴあでのチケット購入はこちら